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山陽道をゆく chapter1-25 倉敷・直島(25)


銅屋根の町役場の前をFさんは素通りした(thumbnailサムネイルは町役場)


→chapter1-24 倉敷・直島(24)


『そのまま行っちゃうの⁉️』と何の説明もなく・・・、

僕はcameraを構えた。銅屋根だけではない、窓の造りも面白い🤣

平日の役所なのに人の出入りどころか気配すらない。静かだ。



「直島ホール(集会場)を案内します」とFさんは言った。

町役場の隣の建物である。Fさんが見せたかったのはこれだとわかった。こちらも変わった建物である。


外庭🪴


「この建物も安藤忠雄さん設計ですか⁉️と尋ねてみた。


三分一博志の構想
建築家三分一博志氏は2年半直島に通い、周辺の風や水、太陽の動きと植物、集落を調査。そこで見えてきたものは中世から脈々と受け継がれた自然に寄り添った暮らしの知恵と街区や建物のつくりの美しさでした。そして、直島本来の動く素材の「流れ」をいかに次の世代へ伝えるかを大きなテーマとして取組んだ。
本村の集落(地形、集落、民家のリサーチ)
扇状地の谷に沿った南北方向の風が集落を流れていた。
民家は入母屋屋根が多く、南北2つの庭と南北の続き間を持ち、風が通りやすい間取りになっていた。
集落の南の高台にはかって棚田があり、夏場は水面を通った涼しい風が集落に吹いていたことが推察される。
リサーチの結果、自然の風力で空気の循環を促す設計となった。
直島ホールの風の穴
風の流れイメージ図
直島ホールの風の穴(室内)
扇状の谷
直島ホール特徴
直島ホール
特徴的な緩やかなカーブを描く檜葺の大屋根は風の通り抜けを活かした直島の伝統民家の綿密な分析のもとに計画されており、建物に自然な呼吸を実現しています。
直島ホール 大屋根

瀬戸内の風を呼び込む檜の大屋根は直島の集落に多く見られる伝統的な入母屋形状に直島の風向きに即して風穴を開けています。
この形状は直島の動く素材の流れを可視化させるとともに風穴があることでホール内外の空気圧力の差が空気を循環させています。
このホール内の空気の循環は繊細な流れとなっており、敏感なバトミントンなどのスポーツにも利用することができます。

風の動き
建物の周り4ヶ所に風の入口を設置しています。空気は床下の迷路状に張り巡らせた長い道を通って室内に取り込まれる構造となっています。
長い時間をかけて地下を通った空気は地中熱の効果で安定した温度となり、床の縁にある格子の隙間から引き上げられ、天窓へ抜けていく。そのため、窓を閉め切った状態でも空気は循環されています。
直島ホールの風の穴
直島ホールの風の穴(室内)
天井は日本の伝統的な素材の白漆喰で仕上げられており、表面の滑らかな曲面は空気の流れをスムーズにするとともに湿度を調整しています。
白色により光を乱反射させて少ない光でも十分な明るさを空間全体に行き渡らせています。白漆喰の滑らかな形状は、熟練した左官職人による「コテ」によってつくられています。また、床は檜でできています。
直島ホールの舞台
島の伝統文化であり、香川県指定有形・無形民俗文化財の「直島女文楽」の上演ができる仕様となっており、舞台は可変式であり室内外から鑑賞できます。
成人式など一般的な利用には室内を客席として、少人数や練習時には池泉からせり出した舞台を客席として活用することもでき様々な利用方法を想定された造りとなっています。
直島ホール せり出した舞台
集会所棟特徴
集会所の大屋根は日本の茅葺き屋根にならい、空気は通しつつ雨からは守られるようになっています。二重の横板格子葺き屋根の外側は主に強い日差しや風雨から守り、内側はそれを補いながら室内に熱がこもらないよう空気を緩やかに通す仕組みなっています。

直島ホール集会所
大屋根の下には4棟の建物が本村の民家をイメージして配置されています。各棟は縁側や庭に面し、それをつなぐ土間を路地に見立て、風が抜ける本村の集落の特徴を受け継いでいます。
直島集会所の井戸
瀬戸内の島々では水はとても貴重で、暮らしを支える大切な財産でした。集落のいたるところに井戸があり、生活用水としてだけでなく、人々の憩いや交流の場として重要な役割を果たしていました。
直島ホール

直島ホールは建築家三分一博志氏が2年半にわたりリサーチし、直島の気候、直島の住宅の構造や歴史を分析。その地の風・水・太陽をどのように活かしていくかを考えつくられた地元直島そのものの建築となっていた。

chubsetoken.com



「いいえ、これは三分一博志(さんぶいちひろし)さんの設計だったと思います」とFさんはあまり建築家には詳しくないようである。

「さんぶ・・」と僕は聞き返した。

珍しい苗字である。その名を聞いたことがない。僕が知っている建築家でfull nameで言えるのは安藤忠雄さんくらいしかいない。

「さんぶ⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎」とFさんはもう一度言った。

僕は人の名前を覚えるのが苦手だ、ましてや難しい名前となると尚さらである。

この時も『どんな字を書くのですか?』とは尋ねることはせず、覚え切れないまま

「ありがとうございます」と礼を述べるに留め、そのまま黙った。


特徴ある建物


中に入ると料理教室でも催すことが出来るようなsinkシンクやrangeガスレンジが並ぶ。隣の部屋は畳20畳くらいの広い部屋に大きなカラオケboxが置かれていた。

大都会では見ない風景だ。それだけ地域の交流が盛んだという証拠だろう。


島にとって貴重な生活用水の井戸
主婦たちの交流の場でもあった。


部屋と部屋の間に中庭的なspaceに井戸ポンプがあった。災害時、ここは避難所になるのか⁉️、そんな趣きがあった。

この建物に特徴があった。平屋だが、屋根が高い。


大屋根には彩光を取り入れた空気口がある




「大屋根の天井に採光を兼ねた空気口があります」
とFさんは天井を見上げて説明した。


建築家・三分一博志が直島本村地区の古い町並みから読み取った、「風」や「水」という動く素材を「リレー」していくという構造。「動く素材」自体が有する美のみならず、それらを大切に隣接する家に受け渡していくというコミュニティの在り方に美を見出した三分一は、旧家の改修を通してその2つの美を浮かび上がらせました。本村地区の家屋の特徴である南北の続き間を顕在化させ、豊富な井戸水を湛える水盤を設置。風の吹き抜ける桟敷で水盤に足をつければ、直島の「動く素材」を目でも肌でも感じることができます。

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THE NAOSHIMA PLAN [水]である。

この時Fさんは専門外なのか? 建物の構造や材質などそれ以上、詳しくは説明しなかった。
こちらもツッコミを入れるつもりもない。


風の穴 main roof and wind flowの看板


自然の恵をうまく利用した省エネ設計なのだ❣️と僕は思った。


風、水、太陽などを「動く素材」と呼び、直島でそれらを顕在化させ、価値を再認識する試み「The Naoshima Plan」に2011年から取り組んでいます。2013年には「風と水のコクピット」、2015年には多目的施設「直島ホール」と個人住宅「直島の家 - またべえ」を発表しました。The Naoshima Plan 「水」では、地下水脈からの豊かな水を湛える水盤を設置。これまで試みてきた「風のリレー」に清らかな「水」が加わることで、本村そのもののもつ知的な思想を全身で感じる空間としました。

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直島は現代ARTの展示だけでない❣️


特徴ある屋根



直島は建築ARTの展示場でもあるなのだ‼️


外庭



Fさんは一通り案内した後、来た道を戻ることなく、先に進んだ。

「次に行くのが最後の案内場所になります」とFさんは歩きながら言った。

僕たちは比較的新しい道に出た。そこは登り坂で僕たちのbusが待つ駐車場が見えた。

『あ、これで一周して来たのだ』と思った。

だが、『最後にどこに行くのだろう』少しワクワクして来た。

その坂の途中に児童公園らしき遊具を備えた広場があった。路地にはたくさんの人がいる!

家プロジェクトコースを歩いている間、見なかった人混みである。

「この公衆トイレは、安藤さんの設計です」とFさんは言及した。


木造 円筒形の公衆トイレ
いかにも安藤さんらしい


『こんな公園内にあるトイレも安藤さんの作品か?』今更に安藤Islandアイランドの凄さに驚いた。



『只、公園内に鳥居⛩️があるぞ! ここは一体何だ!』

児童公園の横の道に入ると、不気味な茶黒の飾り気のない建物があった。

「ここが南寺です。どうぞ」Fさんは僕たちに先に行くような仕草をした。

僕たちは手すりの付いた数段の階段を上がり、建物の廂の下を通り、角を曲がると行列が出来ていた。

この行列は何だ‼️


chapter1-26 倉敷 直島(26)→To be continue


postscript追伸

ちなみに町役場の設計は代表的なPost  Modern 建築家の石井和鉱さんです(1982年)



執筆に当たり直島の建築物のことを調べた。

かって直島は樹木が枯れる煙害の島と言われた。mediaはそのことばかり注目した。一方で企業城下町で得た豊富な町財政を使ってuniqueな箱物を造った。その代表が町役場だろう。箱物を造って潤いのは一部の土建建築業者だけある。その立派過ぎる箱物に対して批判は出るのは当然だ。

只、ARTの島と呼ばれるその以前から直島には、こうしたART建築群に対するpotentialみたいなものが出来上がっていたのだと思うと、数ある瀬戸内の島々の中でなぜ最初にARTの島に成り得たのか、その理由が少しだけわかったような気がした。


それでは外観からです. 入母屋や唐破風屋根が組み合わさった美しい伝統的な和風の外観. 目の前の道路を町営バスが走るため、この建物を見たという観光客は大勢いると思いますが、これが町の役場だと一発でわかる人はどれだけいるでしょうか. 頂上部分の屋根を非対称にしたデザインは京都の国宝建築「飛雲閣」がモチーフ. 屋根に使用される青銅は全て三菱(現材の三菱マテリアル直島精錬所)から寄付されたもので、企業城下町としての直島を象徴するものです.

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前庭に設えられた日本庭園(写真1枚目)を横手にみながら館内へと入っていきます. しかしながら前庭の感じを見ても、役場というよりは旅館に入っていくようなアプローチです. 市民窓口のある1階エントランスホールは階高が高く確保された開放的な空間で、天井のトップライトから差し込む緩やかな光がホール全体を照らします.

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