なんだかんだ右肩あがりのフリーランス9年目が、仕事がない時期にやっている「いつもの仕込み」
個人事業主として、独立して9年目になりました。会社員でいえば中堅に分類される時期でしょうか。
中小企業白書2026によると、フリーランスの1年以内廃業率は約30%ともいわれているそうです。
そう思うと、なんとかざっくり毎年「ゆる微右肩上がり」が維持できている私は、まぁ割とよくやってきたのかもしれない。
そして最近、フリーランスの知人から「実はぶっちゃけ切実に、売上を増やしたい…。関ちゃんって具体的にどんなことやってるの?」と聞かれる機会も増えてきました。
いやいや、私もまだまだ道半ば。
一年を通して繁忙期と閑散期があり、稼働の波があるので、時には請求書発行がゼロの月もあり、そんな不安な時期は、気を抜くと「焦りネガティヴループ」に思考を乗っ取られそうになります。

とはいえ独立して9年、自分の仕事には波があるのも分かってきました。
そこで今年の閑散期のうちに、これまでの自分の試行錯誤が誰かの役に立てば良いな、やってきたことを整理するか!と思ってこのnoteを書いています。
きっとこのnoteは私自身も仕事がない時、何度も見直して励まされるものになるんじゃないかなぁ。
七転び八起きで見つけた、自分なりの血と汗の(?)5つのポリシーが、誰かのお役に立つことがあれば嬉しいです。
◾️ はじめに:私の仕事について
私の仕事は、グラフィックレコーディングや、ビジュアルファシリテーション。
議論や対話の場に入り、リアルタイムで話を描くことで話を深めたり、進めたりするサポートをしています。

仕事柄、大きな会議やワークショップが開催されやすい秋冬と、急にお声がかかる年度末は稼働が多い繁忙期。2-3日に一度は現場な時もあれば、時には一日に2つの現場をはしごする時もあります。
そして繁忙期が終わると一転、「めちゃヒマ」に。
暮らしていくのに最低限のクライアントワークはいただいていますが、繁忙期と比べて嘘のような閑散期っぷりです。
最初の頃は焦って「営業しなきゃ!仕事がなくなったらどうしよう!」とバタバタしていましたが、8年間農業のようになんだかんだと繁忙期と閑散期がある暮らしをしていると、暇な時期にあまり無茶に焦らない方が良いのだと気づきました。

そんな私が意識している閑散期の方針は、「自分のやりたい仕事に関われるよう、不足しているものを補う」こと。
世代交代の波やビジネスモデルの変化、加齢に伴う身体の変化に戦々恐々しつつも、9年目の今は、自分を信じて「攻め20%:守り80%」くらいの気持ちでやっていて、それが私には合っているように思っています。
それでは具体的にやっていることと、試行錯誤エピソードをこれから紹介しますね。
1)整える
・ 仕事の方向性を整える
自分のやりたいこと、進みたい方向性、手放したいもの。
自分の今の交友関係の偏りや、ビジネスモデル、関わる業界構造。
そういった、自分の現状や考えている未来を整理して、客観視してみるのは時間がある閑散期にぴったりです。

特にフリーランスにとって無視できない「売上・所得」を考えるにあたっては
自分のパフォーマンスが誰の「楽」や「得」に繋がるか?
それは自分が嬉しいか?
の両軸を往復しながら見定められたらいいなと毎年思っています。
ビジネスの世界では、同じ仕事(難易度、工数、パフォーマンス)でも、それが商流や経済的利益にどれくらい直結しているかでや報酬の妥当ゾーンは全然違ったりするんですよね……。そして負う責任やリスクも。
あとはうっすら需要と供給のバランスも考えるけれど、私の場合はいずれにしてもまだまだ開拓の余地が多いと判断していて、あまりそこまで考えていないかもしれない。
▼私の失敗談
たいして必要性を感じていないのに、権威性に弱い私は焦って無駄に国家資格に申し込む。そして繁忙期に入り積読に……。
閑散期は焦って「進まなきゃ!」と前のめりになるけれど、まずは進む方を考える方が先だった。
・ 体調を整える
健康だいじ!体調第一!
まず繁忙期が落ち着いたら、健康診断に行きましょう。

自覚症状が意外とない、眼科、耳鼻科、婦人科にも定期検診に通っています。30代半ばの私は、「早期発見で良かった!」ということがちょこちょこ見つかってくる年になりました。
仕事がないと、つい目先の病院に行く出費が気になるかもしれませんが「早期発見早期治療が結局一番の節約」と自分に言い聞かせています。
▼最近見つかってよかったこと
・コンタクトレンズの定期検診に行ったら、網膜に小さい穴が開いていた。自覚症状なかったけど、時間があったから眼底検査もお願いしてよかった
・体内に入れる器具の定期検診に久しぶりにいったら、ズレて横の筋肉にめり込んでいた。これまた自覚症状なかった…。
あとは終日現場仕事で腰が痛くなる日が出てきたので、近所のセミパーソナルジムにも週1〜2日で通い始めました。生涯現役の筋肉が欲しい。
これも出費がありますが、仕事がなくてクヨクヨしているなか身体を動かしてリフレッシュすると、頭を使う時間とのメリハリがついて良いものです。
宅トレという手もありますね。
お財布と相談しつつ、身体づくりに励みます。
2)出会いの機会をつくる
・ 知人とランチ・お茶に行く
時間ができたらこれ幸いと、リフレッシュも兼ねて知人をランチに誘っています。遠方の友人は、オンラインでのZoomランチという手も。気軽に誘いやすくて重宝しています。

1)の「仕事の方向性を整える」をしている時に人と話すと、思いもしていなかった思考の枠の外からの声が良い刺激になり大変ありがたいです。
少し弱っている自分を出せる相手を作ってみる、というのも大きなチャレンジです。えらい!
▼コミュニケーションするにあたって
暇だったり不安だったりする時の誰かとのコミュニケーションは、つい心に余裕がなくなって「わいがわいが」と自分目線になりがちなので、お互いがハッピーな時間になるように、ちょっと俯瞰めでいられるとちょうど良いなぁと思ったりしています。親しき中にも礼儀あり。
けれど一方でそんなの全く気にしないでいい関係性も素敵ですよね。
(※公開後に教えてもらったのですが「わいがわいが」って、鹿児島弁なんですね。気づかず使っていた。私が私が!と相手をグイグイ押しのけるニュアンスの言葉です)
・ 知識や体験と出会いにいく
積読はいいぞ。
積読というのは、過去の自分が興味があって買ったものですからね。
佐伯ポインティさんの、「積読は『部屋に自分のmy書店を作ってる』」という言葉は、本を積んでいる時もいいですが、そこから読む時にも楽しくなる良い言葉だなぁと思って脳内によく思い浮かべています。

・ 新しい領域に触れる
「このままの先」の領域を学ぶのも良いけれど、「隣」や「なんか気になるアイツ」のような距離感の領域のことを学ぶのも閑散期のおすすめです。
ちなみに私は、今年は編集の学校に通いました。これがとても良かった。

自分が今まで大事にしてきたことや積んできた経験と、面白い化学反応が起きたり、新しい価値観を持つ知人ができる楽しさがあったりします。
ツドイの編集学校のみんな、同期も先輩方もほんと面白い方々ばかりでもっとお会いしてみたい!
3)「紹介されやすさ」を整備する
忙しい時期になかなか手が回らない、情報発信。
せっかく時間ができたのなら、嬉しい出会いを自分に運んでくれる「紹介されやすさ」を整えるのはどうでしょう。
・ 自分が今後どんな人に出会いたいかを考える
1)で考えた方向性と照らし合せて考えるのがおすすめです。
最近オーディション番組の出演者が「見つけてくれてありがとう」と言っている場面をよく見るのですが、まさにそんな気持ち。
「自分がどんな人に見つけてもらいたいか?」を考えてみると良いと思います。

・ アシスト資料を整える
ウェブサイトを整える、資料をまとめる、noteを書く、SNSを投稿するなどの情報発信が「紹介されやすさ」に繋がります。
大切なのは自分を見つけてくれた「あの人」が、上司やクライアントなどに紹介してくれやすいよう、必要なアシストをするイメージ。
あとは逆に、アシストに逆効果では?という方向性の情報発信をやめるというのも大事だと思います。
大切なのは、「誰からも」ではなく「一番出会いたい人」に的を絞ること。
散漫になると、結局見つけてもらいたい人に届きづらくなる気がしています。
▼私のハッとしたこと
「適度にドヤるのも仕事のうち」と腹をくくったら、嬉しい出会いが増えてきた
実績や経験がある先輩方に比べて、私なんて…と控えめな自己紹介ページを作っていたら「紹介しづらい!」と友人からツッコミを入れられてハッとしました。
嘘や過剰は良くないですが、ある程度は「適度にドヤるのも仕事のうち」と腹をくくるのも、相手に誠実なのだと気づいた出来事です。
4)信頼する知人に夢を言い散らかす
・ 勇気を出してお声がけする
「整える」「新しい出会いの機会をつくる」「“紹介されやすさ”を整備する」の3つをやると、今の自分からもう一歩進みたくなってきます。
そんな時、勇気を出して「率直なフィードバックをこの人にいただきたい…!」という先輩に話を聞いてもらうのもオススメです。
思いもよらないブラッシュアップや、逆にこの方向性は違うかもしれないという気づき、時には耳の痛い話など、自分より高い視座、広い視点からのお話を聞かせてもらうことがとてもありがたく、大切な宝物です。

・具体的に相談したいことを準備しておく
この時、1)で考えた整理の資料を見てもらうことで話が進んだり、3)で作った資料やウェブサイトがご紹介の役に立ったりします。
せっかくの貴重な機会、「この機会を逃すまじ!もらえるものはもらうべし!」と、具体的に相談したいことや数字、比較表などできる限り準備できるものはしておくと、相手も相談に乗りやすいと思います。
(といいつつ、たびたび私の視座が低くてすみません準備不足ですみません、出直してきます…!って地面にめり込みたくなる時もある……。精進します。)
今も色々な方にお話を聞かせてもらうばかりですが、少しずつ「お話を聞かせてください」と言ってもらえる立場にもなってきました。
案外こういうのって自分の言語化の機会にもなるし、いただいたご恩のペイフォワードにもなるし、嬉しいものだなと思っています。
▼私の第一歩
忙しいあの人に声をかけるなんて…と気後れしてしまっていた独立当初。
実際に勇気を出してTwitterでDMをしてみると快く会社のお昼休憩の時間をとって一緒にランチをしてくださる方や、オンラインでお話を聞かせていただく機会をいただきました。
思ってみれば、相手は「気乗りしなければ断る」か「協力していただける」の2択なので、自分としては失うものはなく、まずは扉を叩いてみるのが良いのだとわかりました。
(そして話を聞かせてもらったら、ちょっとしたお礼やその後の報告を必ずセットに。これは母の教えです、ありがとう。)
5)見直す
・ 本当に?と自分を信じて、疑う
そして大事なのは見直すこと。
上記の2)から4)をしていると、どんどん「見えるもの全てが自分のやりたいことに紐づいてる!」的な視野狭窄と思い込みにハマるのが恐ろしいところです。
常にうっすらほんのり「本当に…?」と疑い続けるのも大事。

たまに生成AIに「賛成と反対の両方の立場から」や「メリットとデメリットをそれぞれ比較して」など、バランスをとって定期的に壁打ちしてもらうのも良いと思います。
◾️ おわりに:閑散期特有の「焦りネガティヴループ」と付き合うために
焦ってネガティブになって、他の人のSNSがキラキラ輝いて見えて……。
基本的にヒマだと余計なことを考え始めてロクなことになりません。
私も気を抜くと、そんな「焦りネガティヴループ」に思考を乗っ取られそうになりますが、だんだんと対策も見えてきました。
1) SNSはみんなが「ええかっこしい」をしているもんだ、と思ってみよう

これはフリーランス10年目というより、35歳になってきて気づくことかもしれません。
友人と深く話す機会があると、それぞれがそれぞれの事情を抱えているんだなぁと感じます。
よく冗談で「石油王だったらなー」「生まれ変わったら大地主で!」と言ったりするけれど、聞いた話、意外とやっぱり石油王も大地主も大変さはあるようです。
20代のころ、同世代で母親になった友人に「子供がいる生活って想像がつかない」と相談したところ「関ちゃん、子供がいる人にはいるなりのお祝いと嘆きがあるし、いない人にはいないなりのお祝いと嘆きがあると思うよ」と言われたことが、ようやく今染みてきています。
もちろん誰かが辛いことは少ないことにこしたことはないし、社会構造が生み出す困難さには是正する声をあげていく必要はあります。
でも、閑散期特有の「焦りネガティヴループ」にハマってくると、なんだかうまくいかなくて辛いのは自分だけのように思えてしょんぼりグギギとなってしまって。
そんなところを「いやいやバカおっしゃい、みんな辛さはあるんだって!」と自分で自分の背中を蹴飛ばして、優しくさするような想像力を働かせるのは自分には有効だなと思っています。
2) 繁忙期に「時間があったらやっておきたいこと」のメモを書き留めておこう
よく「重要だけど緊急じゃないこと」は後回しにしてしまいがちだといいます。

「あの資料があったら良いのに!」
「この定義はもっと言語化しておかなきゃ」
「こういう写真があったらなぁ」
そんな時、忙しい時期の「閑散期にやることリスト」として、未来の自分に託したメモを残しておくのがオススメです。
忙しい時期には「重要だけど緊急じゃないこと」を見つける機会が多いのに、気を抜くとどこかに忘れてしまうのはどうしてなんだろう。
起きて、机について、さあ今日はどうしよう、ととりあえずSNSを開いたり、ちょっと休憩とYoutubeを開いてみたり。
そこに「閑散期にやることリスト」があると、「あぁ、そうだった!これやるんだった!」と思い出すことができて一歩目が取り掛かれます。
そしてまた訪れる繁忙期の自分が感謝してくれること、間違いなしです。
◾️ よくいただく質問
最後に、「繁忙期と閑散期」についてよくいただくことを、質問形式でいくつか。
Q)閑散期のモチベーションはどうやって保っていますか?
A)やる気がすっからかんの時、私は人と会います。
空回りしたり病みそうになってきたら、尊敬できる気の置けない友人に明るく「ランチ行こう!」と誘って元気をもらいます。
お腹を全開にしてクヨクヨ話を聞いてもらって慰めてもらったり、ヒントをもらったり、お互い励ましあったりすると「ちょっとでもやるか……!」とモチベーションが湧いてきます。
今はお願いしているパーソナル編集者という個人向け広報支援サービスがあり、その月一の面談が良いペースメーカー的な定点観測になっているようにも思っています。
Q)SNSで「お仕事をください」って言うことある?
A)私の場合は、そういうストレートな言い方はしないように気をつけています。
「お仕事をください」とSNSでオープンに言うのは、自分のイメージを損なうかなぁと思うので控えよう、というのが理由です。
理由は、もし私が暇そうな人に見えると、声をかけてくださる方が、クライアントや参加者から「人気がない人を呼んだのかな」と思われてしまったら申し訳ないから。
「こんな仕事をしたらこういう嬉しさがあったので、こんな仕事をもっとしたい」という書き方はする時もあるかもしれない。
Q)「仕事ください」と言うかわりに、閑散期にはSNSに何を投稿しているの?
A)ある程度、時間に余裕がありそうに見える投稿をしています。
Podcastの感想やエッセイ未満の日記の種みたいな投稿をしたりしています。あと、ランチの写真の投稿など。
総じて「なんか今、関ちゃんもしかして暇?時間の余裕ありそう?」と思ってもらえたら良いな、と思って投稿しています。
私も仕事や遊びで誰かに声をかけようとする時「でも・・さん、今忙しそうだからなぁ、悪いかな」と控えてしまうことがあるので。
そしてエッセイやエッセイ風ストーリーズは、自分の思考を残すという意味でも楽しい趣味になってきました。
でも本当に仕事がなくて困った!という時には個別にランチ誘っておしゃべりもしつつ、相談したりしています。
Q)個別に相談って、具体的には何を話すの?
A)よく「一歩目」の相談をします。
まずは、自分がチャレンジしたいけれど何から始めたら良いかが見つからないことを素直に相談して、手掛かり足掛かりとなる機会をいただけないかを相談します。
特に未挑戦の分野だと、相手の立場も考えつつ「今は公開実績を作らせてもらえたらありがたく、報酬はこだわってないので一部でもオープンにさせてもらえるとありがたいです。」とお願いすることもあります。

あとは自分の知らない業界の潮流の変化を確認させてもらう機会にもなり、大変ありがたいです。
Q)相談する相手は何を基準で選んでいますか?
A)「この人が言うんだったらそうかも、とりあえずやってみよう!」と思えるような方です。
私以上に私のことを、自分とは違う角度から見てくださっているんだろうなと信頼させてもらっている方が多いかもしれません。
同じ業界ではない人、何度もお会いしたわけではない方でも「なんか信頼できる気がする…」という人に、おそるおそるドアをノックしてお伺いしてみたくなります。
ここまでたくさん書いてみましたが、いかがだったでしょうか。
何か一つでもお役に立てることがあったら嬉しいです。
農業のように、収穫期もあれば種蒔きや土づくりの時期もある。
晴れの日があるから、雨の日もある。
毎月ご飯を食べていかなければいけないヒリヒリもありますが、晴耕雨読で実り多いフリーランスライフを送っていきましょう🌾
私もがんばるぞー…!
いいなと思ったら応援しよう!
読んでくださってありがとうございます。いただいたサポートは、インプットに活用します。