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小説や、映画、漫画に出てきた、あのバイクやクルマ 4 The Fast and the Furious X3 Tokyo Drift

小説や、映画、漫画に出てきた、あのバイクやクルマ 目次

1 サーキットの狼  Lotus Europe Specoal
2 MFゴースト  Toyota 86 (ZN6)
3 La Motocyclette  FLH1200 Electra Glide 1968
4 The Fast and the Furious X3 Tokyo Drift  Veilside Fortune FD3S
5 easy rider(1)  FL1200 HydraGlide “Captain America”
6 湾岸ミッドナイト(改題 キリマンジャロの豹、韃靼海峡の蝶、讃岐国多度郡五位聞法即出家語の源大夫)  S30Z
7 easy rider(2)  FL1200 HydraGlide chopped bobber
8 Two-Lane Blacktop  Chevy two-door sedan 1955
9 ペリカンロード  MVX250F
10 Vanishing Point Dodge Challenger R/T 1970
11 狂い咲きサンダーロード  KH400
12 Paris,Texas  Ford Ranchero 1959
13 750ライダー  CB750four K2
14 Stranger Than Paradise  Ford Coronet 1965
15 ワイルド7(1)  CB750four
16 死にゆく妻との旅路  Mazda Bongo

9146 Veilside Fortune FD3S _11
Veilside Fortine FD3S
Han (Sung Kang)
The Fast and the Furious X3 Tokyo Drift


 当地出身の柴田理恵氏はハリウッド女優と言えるのかどうか? と、chatGPTに尋ねてみたら、「いや、そりゃ、ムリっしょ」との事だった。あ、やぱし?

 サン・カン氏演じるハンの「Veilside Fortune FD3S」がカッコよかった、以外、かの映画、文字に起こすことがないんですよ。困った。だって、まず、あらすじで言えば、もう王道のハリウッド活劇を踏襲している。「トップ・ガン」の一作目とか「ベストキッズ」あたりとか、いやもっと適切な例がゴロゴロありそうじゃん。
 それとも、現実のものではない、異世界線の「トーキョー」について書くか? いろいろ突っ込みどころが多すぎて、早い内に、ああ、これはこれでこういう世界観ね、と、有無も言わせず観客を巻き込んでいく感じ。

 どっちもそれなりに文字数は行けそうだけど、そうじゃないんだよなぁ。最初の第一作からして、いい意味で雑なB級風味の娯楽に極振り映画で、一つには「サーキットの狼」と同じ、ミニカーぶちまけたような楽しさが魅力だった。
 でも、割と記憶の棚の目立つところに置かれている理由と言うのは、そこじゃないんだ。

 どこだろう。「Veilside Fortune FD3S」から辿っていくことにしようか。
 鮮烈なスカーレットだったドミニク・トレットのFD3Sとは対照的に、ハンのそれは夕焼けのようなオレンジと黒のツートン。Veilsideが本来リリースしたガンメタと黒に近いブルーから、さらに独自の色味に染め上げられたその姿は、シリーズ中に登場する数多の改造車の中でも、ひときわ「コンプリートカー」としての完成度と異物感を放っている。他のクルマが「速さ」や「派手さ」を競う中で、このFDだけは「自分であること」を主張しているように見えた。そして、常にアウェイであることが宿命づけられているようにも。

 ハン・ルーという男もまた、そうだった。 作品世界の時系列では『Tokyo Drift』より前のエピソードで既にドミニクの「family」に加わっていたはずなのに、彼はどこか一歩引いた位置にいた。嫌われてはいない。むしろ好かれている。だが、完全に溶け込んではいない。居心地の悪さを、薄い笑みで誤魔化しているような、そんな距離感。

Sung Kang as Han

 終盤で因縁をつけられ、後に味方になるデッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)や、ドミニクの弟ジェイコブ(ジョン・シナ)も含め、俺がこのシリーズで特に好きなキャラクターたちは、皆どこか「屈託」を抱えている。完璧に「family」の一員になれない者たちだ。
 実はハン・ルーは、ジャスティン・リンとサン・カンが『Better Luck Tomorrow』で生み出したキャラクターだったという。優秀なアジア系アメリカ人の青年が、徐々に社会の枠組みからずれ落ちていく物語。そこで培われた「ずっとアウェイであること」の感覚が、そのまま『Fast & Furious』シリーズに横滑りしてきた。 ハンにとって東京は、二重の意味で異世界だった。
 アメリカ人にとっての異国であると同時に、彼自身にとっても「馴染めない場所」であり続けた。

 Veilside Fortune FD3Sが、東京の街を疾走しながらも、どこか浮いているように見えるのと同じように。 レベッカがハーレーに跨がった瞬間だけ「自分の時間」を生きていたように、ハンもまた、FD3Sのステアリングを握り、夜の東京をドリフトする短い時間の中でだけ、誰の「family」にも属さない、静かな居場所を見つけていたのかもしれない。 完璧に溶け込めない者、常に少しだけアウェイに立っている者——そういう人間の、ささやかな美学と居心地の悪さが、俺は妙に好きらしい。


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