就労移行支援事業所、初めての通所の日【障害者枠でお仕事をはじめるまで⑦】
この記事は、シリーズ記事になりますが、
他の記事を読んでいなくても、大丈夫な内容です。
適応障害で休職した私は、復職をすることはなく、退職をしました。
そんな中「障害者枠で働く」という新たな選択肢を知り、
精神障害者福祉手帳を手に入れました。
しかし障害者枠で働くためには「支援者」が居た方がいいことが、わかりました。
支援を受けるために、就労移行支援事業所に見学に行った私は、
ここに通うことを決めました。
なかなか前に進まなかった、新しいことへのスタートを、
ようやく切ることができたのです。
前回記事
新しい場所へ行く日は、いつも不安になります。
でも、この日は、不安だけではありませんでした。
就労移行支援事業所は、
見学の日も、契約の日も、そして初めて通所するこの日も、期待と不安が交互にやってくる。
そんな感覚でした。
それでも、この日は少しだけ「楽しみ」という気持ちが勝っていたように思います。
障害者手帳を取得し、支援を受けるために受給者証の手続きをし、
それが終えるのを待ち、契約をして、ようやくここまで来ることができたからです。
ぼんやりと、ようやく、スタートラインに立てたという気持ちになっていました。
この日、事業所に着いたのは約30分前でした。
事前に「10分前までは入口で待たないでください」と説明を受けていたので、近くで待ちます。
時計を見ながら待つ時間。
少し考えます。
今思えば、何もかも順調に進んでいたら、逆に不安ばかりが大きくなっていたかもしれません。
でも、私はこの日を何ヶ月も、待ち続けていました。
だから10分前になり事業所へ向かう足取りは、不安や緊張よりも、
「やっと始まる」という気持ちの方が少しだけ強かったです。
事業所の扉を開けると、スタッフさんが優しい笑顔で迎えてくださいました。
迎えてくださったのは、Aさんという若い女性スタッフです。
あとから聞いたのですが、新卒一年目の支援者さんでした。
教えていただいたとおり、手を消毒して、トイレへ行き、うがいを済ませます。
それだけのことなのに、「今日からここへ通うんだ」という実感が少しずつ湧いてきました。
この日の予定は、事業所の使い方を教えていただく「オリエンテーション」でした。

説明では、利用者さんは大きく三つの段階に分かれていることを教えていただきました。
まずは事業所に慣れる人。
次に、実習などを通して自分に合う働き方を見つけていく人。
そして、就職活動を進め、事業所を卒業していく人。
私はもちろん、一番最初の「慣れる人」からのスタートです。
障害者枠で働くことを目標にしていましたが、まだその姿を具体的に想像できているわけではありませんでした。
ただ、「今の私はここから始めればいいんだ」と、自分の現在地を教えてもらえた気がしました。
オリエンテーションの途中、スタッフさんがこう声をかけてくださいました。
「今日全部覚えなくても大丈夫ですよ、分からないことは、いつでも聞いてください」
その一言を聞いて、肩の力が少し抜けました。
私はつい「ちゃんと覚えなきゃ」「迷惑をかけちゃいけない」と考えてしまいますので、「いつでも聞いていい」という言葉は、とても安心できるものでした。
オリエンテーションを受けている間、他の利用者さんは、それぞれの訓練を行っていました。
プログラムを受講する人。
パソコンを使って一人で訓練に取り組む人。
支援者さんと話をしている人。
明日からは、私もこの場所で過ごす。
そんなことを考えながら、その光景を眺めていました。
この日までに、私が使うテキストやファイルも用意してくださっていました。
テキストは想像していた以上に多く、一日で目を通せる量ではありません。でも、それは「これから少しずつ学んでいけばいい」ということでもあります。
そして、ファイルには私の名前が書かれていました。
その名前を見たとき、私はなんとなく、この事業所の一員になれた気がしました。

初日を終える頃には、やはり緊張していたのか、少し疲れていました。
「障害者枠で働く」という目標は、まだぼんやりしています。
これからどんな訓練をして、どんな仕事に就くのかも、まだ分かりません。
見学の日も、契約の日も、そして初日も。
私の中には、期待と不安が交互にやってきました。
でも、この日は「ここなら通えそう」そう思えただけで十分でした。
ここには、先を歩く利用者さんがいて、支えてくださる支援者さんがいる。その人たちに助けてもらいながら、少しずつ前へ進んでいこう。
そう思えたことが、この日の一番大きな収穫でした。

この記事は不定期更新のシリーズ記事になります。
ただいまこちらが、最新記事となっております。
次回予告
就労移行支援事業所に通う私。
少しずつ慣れていく中で、やはり不安や葛藤が、顔を出してくるのでした。
障害者枠でお仕事をはじめるまで。

