認定調査と、就労移行支援事業所見学【障害者枠でお仕事をはじめるまで⑥】
この記事は、シリーズ記事になりますが、
他の記事を、読んでいなくても、大丈夫な内容です。
適応障害で休職した私は、復職の目途どころか、
退職することしか考えていませんでした。
そんな中「障害者枠で働く」という新たな選択肢を知り、
精神障害者福祉手帳を手に入れました。
しかし障害者枠で働くためには「支援者」が居た方がいいことが、わかりました。
支援を受けるために、就労移行支援事業所に通所しようとしましたが、手続きには時間がかかります。
待っている間、主治医からの提案で病院のデイケアに通う私。
そしてついに、就労移行支援事業所に行く機会が来ました。
前回記事
「障害者枠で働く」
障害者雇用の存在を知ってから、私はそんなぼんやりとした目標を持つようになっていました。
でも、「障害者枠で働く」とは言っても、そのために何をすればいいのか、就労移行支援事業所がどんな場所なのか、正直よく分かっていませんでした。
まず知ったのは、私が障害者枠で働くには、支援者がいた方がいいということ。
支援を受ける方法は色々あるけれど、就労移行支援事業所に通所するのが、私には合ってそうだということ。
就労移行支援事業所に通うには「受給者証」というものが必要だということ。
そして、その「受給者証」を手に入れるためには、市役所で手続きをして、自宅で調査を受ける必要がありました。
調査の日。
一人暮らしを始めてから、自分の部屋に人が入るのは初めてでした。
数日前から部屋を片付けて、当日の朝も掃除をして、シャワーを浴びて、服を着替えます。
「きちんとしておかないと」そんな気持ちでした。
時間ぴったりにインターホンが鳴る。
玄関に立っていたのは、年配の女性の調査員です。
女性だったことに、少しだけホッとしたのを覚えています。
私は部屋の隅に座り、調査を受けました。
気になって事前に調べていましたので、「たくさん質問される」ということだけは知っていました。
人と話すことが苦手になっていた私は、念のためメモ帳を用意しました。
質問は生活のこと、病気のこと、お金のこと。
「はい」「いいえ」程度で答えられるものも多かったけれど、100問近くありました。
調査員の方はとても穏やかで、優しく、淡々と進めてくださり、
緊張しながらも、不安なく調査を終えました。
それでも、人と話し続けるというだけで、私はぐったりと疲れてしまいました。
「結果が出ましたら、ご連絡します」
そう言って調査員の方が帰ったあと、「今日はもう何もしない」と決めて、
ベッドに横になって、ごろごろして過ごしました。

「ますます、疲れやすくなってるな」
不安になります、でも少しずつ進んでいることは、安心でもあります。
このとき、一つ勘違いしていたことがわかりました。
受給者証がないと就労移行支援事業所には通えない。
でも、受給者証が届くのを待ってからではなく、先にどこの事業所へ通うか決めておいた方がいいということ。
そこで私は、以前問い合わせをした、就労移行支援事業所へ連絡をしました。
見学と体験ができるという話を聞き、見学の申し込みをしました。
見学当日。
私はグーグルマップを見ながら事業所に向かいます。
到着したのは約束の30分前。
初めて行く場所なので、念のために時間に余裕をもっていたのですが、
迷わず来れましたので、早く着いてしまいました。
建物のロビーの椅子に座って待ちます。
スマホを開いて、時間を確認して、キョロキョロしてまた時間を確認する。
手持ち無沙汰になって事業所のホームページをスマホで見ます。
ホームページは何度も見て、もう内容を覚えてしまうくらい見ていました。
とにかく落ち着かなくて、ソワソワしていました。
ようやく5分前になり、事業所のドアをノックしました。
予約していたことを伝え、中へ案内されます。
事業所の中は、とても静かで、明るく、きれいな空間でした。
テーブルと椅子、ホワイトボード。
思っていたより落ち着いた雰囲気で、少し安心しました。
利用者さんは10人以上いたけれど、誰もこちらをじろじろ見ることはありません。
あとになって知ったのですが、見学者が来ることは事前に利用者さんへ共有されています。
見学は珍しいことではなく、利用者さんにとってはよくあることでした。
私は促されるまま後ろの席へ座り、プログラムを見学した。
その日のテーマは「企業実習について」
スタッフの方が説明をし、利用者さんはテキストを開き、真剣にメモを取っています。
私も一緒に話を聞きながら、メモを取りました。
1時間程度のその時間が終わる頃には、不思議と少しホッとしていました。

ホームページで読んだだけでは、就労移行支援事業所がどんな場所なのか、どこかぼんやりとしていましたが、
でも、実際に見てみると、分かることが多いです。
ここは、ただ通う場所ではなく、
同じように「障害者枠で働きたい」という目標を持った人たちがいて、その目標に向かって準備をする場所。
私はまだスタートラインにも立っていません。
それでも、
「ここから始められるかもしれない」
そう思えたことで、少しわくわくしてきました。
他の事業所にも見学に行こうか迷ったのですが、
色々見ることで、迷いや不安が増えるだけのような気がして、
少し面倒なのもあって、私はここに通うことを決めました。
受給者証が届くのは、もう少しあとみたいですが、
焦って少しイライラしていた時間が、やっと終わってくれそうで、
新しいことが始まる不安もありますが、
進んでくれることの嬉しさの方が、少しだけ大きかったです。
この頃、19歳から20歳になろうとしていた私は、
この数ヶ月で新しいことと、たくさん出会いました。
そして、通院している病院の精神保健福祉士さんに、
手伝っていただきながら、
休職という扱いのまま、ずっと先延ばしにして、迷惑をかけ続けた、
新卒で入社した会社を、私は退職しました。
これから先がどうなるのか、まだ何もわかりません。
私の中で、「障害者枠で働く」という言葉は、それまでぼんやりとした、少し思い付きのような目標でした。
でも、この日初めて、その目標に向かう自分をイメージできた気がしました。

この記事は不定期更新のシリーズ記事になります。
次回記事はこちらです。
私が障害者手帳を取得して、就労するまでの記事は、こちらのマガジンにまとめています。

