【AP】令和7年秋午後問9プロジェクトマネジメントの解説(応用情報技術者試験)
このNoteでは「応用情報技術者試験 令和7年秋午後問9(プロジェクトマネジメント)」の解説をします。
EVMが分かるなら6割は超えます。問題を選ぶ前に、EVMの選択肢が分からなければ退くのが良いですね。

あと、CCB(変更管理委員会)は問題文に出て&解答に絡まないのが怪しい。今後出る布石だと思いました。
このNoteでは、私がIT以外の学生時代にAPに独学合格した経験と、大学・IT専門学校で応用情報技術者試験の対策授業を担当した経験を詰め込んで作りました。
それでは始めましょう!
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設問1 | アジャイル開発の特性
模範解答は「試行錯誤しながら開発を進める必要があること」。
下線①「アジャイル開発」の特性を考えれば、状況の目星がつきます。
「アジャイル開発」は、顧客からの要望による仕様変更に柔軟に対応するための開発手法。
>【Iパス】アジャイル開発Note
>【FE】続・アジャイル開発Note
よって”要望/仕様が変わる状況かな”と目星。
下線①前で「分析機能X~ウォーターフォール開発」「分析機能Y~アジャイル開発」に使い分けたので、XとYで異なる状況の記述があるはず。
「分析機能Y」に注意しつつ問題文を探します。
55頁中盤「分析機能Yに対する要求事項はまだ決まっていない。~試行錯誤しながら開発を進める必要がある」。だからアジャイルで変更に柔軟に対応したいんですね。
模範解答に至ります。「試行錯誤しながら開発を進める必要があること」。
「要求事項がまだ決まっていない状況」16文字だけじゃキビシイかなぁ。決まってない理由と対応が不明瞭なので。”決まってないなら決めて開発しろ”って捉え方もあり。”決められないから試行錯誤しながら決めていく旨”は必要でしょう。
私の解答は「要求事項を試行錯誤しながら確定していく状況」21文字。大丈夫でしょう。試行錯誤は絶対入れるのは分かるのですが、"何を試行錯誤"するのかを組み入れたかったんです。
ヒント2つを組み合わせるのに手間かけましたが、最初の問題ですしシンプルに手抜きすれば良かったですね。
思想 | 午前知識→午後実践
今回の問09は問02と同じような性質でしたね。
問09, 10, 11は、よく「文系問題」と言われ、正直ITの専門知識ではなく、国語力で得点できる性質があります。
私は問02(経営戦略)も同じだと考えています。
ただし、問02は「~分析」など午前問題で登場した用語を「実践」する傾向が強い。用語を特定できるだけの午前対策で終わっていると、学習が浅くて点を獲れない印象。
今回の問09設問2(1)abは、「EVM」。午前問題に出題されてますが、正直マイナーだから切って良いよと判断してました。足元をすくわれました。「あー、そこ出してくるんだね、隙だったなぁ」と。>【AP】計算㊱経営判断の分析法Note(EVM)
講座 | アーンドバリューマネジメント(EVM)
「EVM(アーンド・バリュー・マネジメント)」は、プロジェクトの進捗をスケジュールとコストの面から評価する手法。
PV:ある地点までに計画されてた予算。PはPlanned(計画された)。
EV:完了できた作業までの計画されていた予算
AC:完了できた作業までの実際の支出。AはActual(実際)。
以上を使って、以下の判断ができます。>参考Web(wikipedia)
EV-PV > 0:進捗が早い
EV-AC > 0:節約できてる
なお、イ(BAC)とオ(EAC), ウ(CPI)とク(SPI)も午前問題に出ました。グラフも。今後、午後問題にも出るかもですね。ディープだなぁ…。
メン限Noteで申し訳ないですが、詳しく講義と問題解説をしています。>【AP】計算㊱経営判断の分析法Note(EVM)
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設問2(1)ab | 午前問題と同じ
正答は
a:カ(EV)
b:キ(PV)
問題文「【空欄b=PV】と比較し、【空欄a=EV】の方が小さい場合は進捗遅れがあると判断する。」
EV<PV。つまりEV-PV<0。
全く同じ問題が午前に出てます。

正答はウ。
他にも計算やグラフの問題も出てます。


私が確認した範囲では4問(4種類)出てたので、この機会に基礎から学びたい方は特集Noteを覗いてみて下さい。>【AP】計算㊱経営判断の分析法Note(EVM)
設問2(2) | なぜ当日朝にリアルタイム判断なのか
模範解答は「優先度の高いタスクを3週間で終了させるため」
下線②前にヒントがあると目星。
下線②は、バーンダウンチャートで残日数確認, タスク決定, 担当者決める旨。しかも当日の毎朝。すごくリアルタイム。
さらに前56頁中盤「次のイテレーションに持ち越すタスクもある」が「優先度の高いタスクは3週間で終了させる必要がある」。
毎朝リアルタイムで決めるのは、現イテレーションで必ず終了させたいからだ、と判断。私の解答も模範解答と全く同じになりました。
もし問題文のヒントに気づかない/ヒントがない場合は、「進捗遅れがあるタスクに人員増員したいから」20文字、あたりが一般論かなと。>長文問題を解く6つのテクニックNote(6)
完全な間違いではないですが。「当日」に決めるのはかなり差し迫った運用なので、理由として弱いかと。拘って問題文から見つけ出すべきですね。
設問2(3)c | Iパス御用達のKW
正答は「リファクタリング」
【空欄c】後に「外部仕様を変えずにソースコードの構造を整理する」で、"Iパスから聞いたことある言い回しだなぁ"。問題文を探してもヒントなさそうなのを確認して解答しました。
リファクタリング:ソフトの振る舞いを変えずに、内部構造の見通しを改善する。
アジャイル開発の中ので「XP(エクストームプログラミング)」の1種。他にもペアプログラミング, テスト駆動開発, 継続的インテグレーションが出ましたね。>【Iパス】アジャイル開発Note(XP)
設問3(1)d | 残チケット減少=進捗
正答は「1」日
4日目と5日目でチケット枚数が同じなので、消化されていない=進捗していない=4日目と5日目で進捗が同じ。
一応のヒントは56頁「タスクに対してチケットを発行して日々のタスクの進捗状況を把握する」と、図1バーンダウンチャートを見て、"チケットが消化されれば進捗しているんだな"と解釈。
まぁ初見かつ本試験じゃ分からないかなぁ。今後正解すれば良しとしましょう。
バーンダウンチャート:残作業の消化具合を可視化したグラフ。計画と実際の2線で、計画からの乖離を議論します。

午前問題にグラフの形は出てましたが、さすがに中身・使い方までは深追いしませんでした。(wikipedia英語版)
>【AP】㊴知らないと詰むグラフNote(バーンダウンチャート)
設問3(2)e | チケットの使い方
模範解答は「チケットを発行」
初見かつ本試験では発想できそうにないかなぁ。
"チケットってこういう風に使うのね"と学習したので、今後の解答カードに持っておきましょう。>長文問題を解く6つのテクニックNote(6ー4)
【空欄e】前「追加のタスク」をする必要が出たので、56頁中盤「タスクに対してチケットを発行」という手順が発生。
設問3(2)e | 別解は無理かも
私の解答は「Xチームへ作業を移行」10文字ちょっきり。
たぶん×寄りです。理由は、問題文を読み違えている感じがするから。
私の考えは、【空欄e】前「Vツールのパラメータ設定が追加タスク」なら、Xチームが担当する分析機能Xの開発と同じだから、Xチームに依頼する旨。
でも読み直すと、55頁頭「分析機能Xのパラメータ設定の変更」と、57頁末「パラメータ設定で開発に利用でき~遅れを取り戻せる」は、微妙に違います。「設定の変更」と「設定」。
つまり進捗が遅れた機能は、いまだに「パラメータ設定の変更」では対応できない性質を有していると解釈できます。よってXチームは対応できず、引き続きYチームが頑張るしか。
なんとややこしい。残念です。
再度話の流れを解釈。
進捗が遅れた理由は、57頁末「Vツールを利用した開発方法の調査に~時間を要し」たから。おそらくVツールのパラメータの意味などを調べたのでしょう。
57頁末「Vツールはパラメータ設定で開発に利用でき~遅れを取り戻せる」。パラメータの調べは時間がかかったけど、設定しちゃえば早く進むという意味。だから追加作業しちゃおうって解答。
解答を作った経緯も、学習になると思うので説明しますね。
【空欄e】前「Vツールのパラメータ設定」や57頁末「Vツールはパラメータ設定で開発に利用でき」で、"パラメータ設定ってどこかに書いてあったよなぁ"と思い当り。
表1でチームを2つに分けた理由に遡ります。
55頁前半「分析機能Xのパラメータ設定の変更で対応できる」
→表1と55頁末「Xチーム」が担当55頁前半「分析機能Xのパラメータ設定の変更では対応できないので~(分析機能Yという)の開発が必要である」
→表1と55頁末「Yチーム」が担当
そして現在、57頁「一部の機能についてVツールを利用した開発~遅れが発生した」けど「パラメータ設定で開発に利用でき~遅れを取り戻せる」。「Vツールのパラメータ設定が追加のタスク」として【空欄e】の対処をする流れ。
「パラメータ設定」で対応できるなら「Xチーム」に任せて良いのでは、と発想。Xチームの進捗や余裕は分かりませんが。
私の解答に至りました。「Xチームへ作業を移行」
ただし文字制限が10文字と短く、”パラメータ設定ならXチームで対応できる”旨の理由をアピールできないのが不安。採点者に理由が伝わらないので、×にされる可能性が高まります。
採点者に「そういう考えもあるな」「たしかに問題文に沿うとあり得るね」と納得/理解して頂ける解答なら別解になると、私は信じています。
長々とすみません。今回は残念でしたが、粘る姿勢や手順が少しでも取り入れそうだったら嬉しいです。
読んでいて気になった点
問題文を読んでいた時にメモした部分を挙げておきます。
従来の印刷演習とCBT対策を併用で
2026年にAPもCBTになる予定で、問題用紙がなく、ディスプレイの問題文を読んでメモする形態になると思われます。
IPA資格に限らず「学習の姿勢」として、過去問は印刷して線引きなどして演習して欲しい、と私は思っています。なんでもペーパーレスにすりゃ良いってわけじゃないですよ。
一方で「試験対策の実践」として、2周目や今後の公開問題は、印刷せず解く訓練もしく必要があります。
スクラッチとVツール
54頁中盤「基幹業務機能はスクラッチで開発した」。
直後「一方、分析機能Xは~Vツールを利用して開発した」
"わざわざ対比してるなぁ"とメモ書きしました。
「スクラッチ」とは、最初から開発するという意味です。プラモデルでフルスクラッチというと、既存の商品を使うのではなく、自分で木工したりパテで作る意味になります。
Vツールを使用した開発でも思うところがありました。昨今の開発系の問題で、ツールやOSSライブラリを導入した時、悪意あるプログラムやが仕込まれているケース/脆弱性が内在しているケースが出題されます。
問01セキュリティや問08システム開発寄りのテーマではありますが、問09プロジェクトマネジメントの「リスク」に繋がるかなぁと思って、メモ書きしました。
開発期間の計算
問題文中の数値は計算問題に使う可能性があるので、丸囲みをします。>長文問題を読む6つのテクニックNote(3)
問09ではちょいちょい数値が散りばめられていて、"何か不整合が起こるかな"と思って、メモに頁数&前中後の位置を書き出してました。
54頁後半「9ヶ月」。時間制限があるのか。
56頁頭「それぞれ4.5か月」。ちょっきりだけと、余裕はあるのかなぁ。
56頁中盤「週5日を稼働日とする3週間のイテレーションを6回繰り返す」。
3週間×6回=18週→18/4=4.5か月。合ってる。
週5日×3週間×6回=5×3×6=90日か。
スケジュールの余裕は気になりましたが、ひとまずツジツマは合ってました。
CCBは今後出る可能性大
56頁頭「変更管理委員会(CCB)」は要注意です。
解答に関わってきませんでしたよね。問題文に出た用語/仕様は「今後ノーヒントで出すからね」という作問者の布告です。しかも、問題文中で解説していたら濃厚です。
今回だと問10設問1の「SPOC」。ばっちり過去問で顔を見せてたんですよ。
>【AP】令和06年春午後問10設問2(2)の解説Note
>【AP】令和07年秋午後問10設問1の解説Note
他にもSC(セキスペ)など高度資格でも見られます。メールの「DMARC」やリスク評価の「CVSS」など、出た時にしっかり復習しないと、次回大失点するケースあり。
>【SC】令和6年秋午後問2の解説Note
>【SC】令和7年春午後問2の解説Note
問題文の56頁頭「変更管理委員会CCBで仕様変更要望を審査して変更の実施の可否を決定する」は、丸ごと覚えておきます。
受け付けない
56頁前半「テスト工程以降の仕様変更要望は受け付けない」が、強烈なルールだったのでメモしました。
設問で理由を問われるかなと。
復習してチケットに疑問が出た
図1のバーンダウンチャートのチケットについて疑問が出ました。私の理解不足だったらすみません。
図1では、経過日数が10日までですが、実際は15日のはずです。1イテレーション=週5日×3週間なので。
図1の点線(チケットの理想線)を延長すると、15日目で残チケットは0になります。
てっきり設問3(2)eのチケット発行は、余らせたチケットから捻出すると思ってたんですが、余裕ないですね。
チケットは人員や工数を指していると思うので、多分持ち越せるタスクの代わりに、追加タスク(現イテレーションで完了させたい, 優先度高い)にチケットを割り当てた、ということなのかなと。
もう今回はかなり補強したので、お互い疲れましたね。またチケットが出題されたら、ちゃんと調べようと思います。
まとめ
お疲れ様でした!
EVMの失点を呑むと、5割に片足ツッコミそうでしたね。問題を選ぶ時には選択肢も見て、しらない用語が半分を超えていたら選ばないのがお薦めです。選ぶ基準は、知っている用語が半分はちょっと不安定なので、7割は知っておきたいですね。

「EVM」と「バーンダウンチャート」は午前に出てたので、今回使い方を学びました。更に「チケット」「CCB(変更管理委員会)」は今後の出題に備えて理解しておきます。
私のNoteではIP~SC, DB, NWまで幅広く解説しています。全て私が解いて手作りしてますので、合格者/先生の視点として参考になったら嬉しいです。良かったらまた覗きに来てくださいね。お待ちしてます。
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