【AP】令和7年秋午後問5ネットワークの解説(応用情報技術者試験)
このNoteでは「応用情報技術者試験 令和7年秋午後問5(ネットワーク)」の解説をします。
大変良い問題でしたね。Iパス/SG/FEを踏襲し、AP向けにDNSや通信経路を複雑にしてました。地に足が付いていれば最低でも9割、満点も狙えます。
本試験としても過去問演習としても大変良い問題と思います。

SCまで使える知識も多く登場しました。このNoteには補強を充実させたので、AP合格は勿論、SCを目指す足掛かりになったら嬉しいです。
このNoteでは、私がIT以外の学生時代にAPに独学合格した経験と、大学・IT専門学校で応用情報技術者試験の対策授業を担当した経験を詰め込んで作りました。
それでは始めましょう!
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ネットワーク図を見る
一緒に図1ネットワーク図を見ましょう。
問題を解く前にネットワーク図は必ず見て下さい。むしろ問題選びの時点ですら図1を見て下さい。>長文問題を読む6つのテクニックNote(5)
図1。良い感じですね。
下記ぐらいは一瞬で判断できるようになって下さいね。

❶FWでT字分岐はいつも通り
FWで、DMZ・社内LAN。いつもの通りの分け方。
次❷~はサーバーの配置と役割と見ていきます。ざっくりしたイメージは下記。>【AP】12種類のサーバ配置まとめNote

❷プロキシサーバありで良し
社内PCのインターネットへのWebアクセスは問題なさそう。

❸メールサーバが2段構成なの良し
図1メール中継サーバ@DMZが「外部メールサーバ@DMZ」、図1メールサーバ@内部LANが「内部メールサーバ@社内LAN」でしょう。
メールデータは図1メールサーバ@A社.lan(内部メールサーバ@社内LAN)に保存ですね。

❹DNSサーバも2段構成で良し
DNSもDMZと内部LAN(社内LAN)に2つあり。
内部DNSサーバ@内部LANは、社内PC/サーバ向け。
社内のサーバ, DMZのサーバのIPアドレスを教えると推測。
DMZに置くDNSサーバには2つの役割があります。
社外の人向け、社内の人向け。


社外からWebサーバなどへ行くために、IPアドレスを教えてあげる。「権威サーバ」or「コンテンツサーバ」とも云う。
社内PCがインターネットに出るために、IPアドレスを調べてあげる。「キャッシュサーバ」とも云う。
大抵「外部DNSサーバ@DMZ」1台に2機能を果たさせるんですが、今回は2台ありますね。わざわざ役割を意識させた設問を出してきそうです。
なお、図1外部DNSサーバ@DMZ と 図1キャッシュDNSサーバ@DMZのどちらが権威サーバorキャッシュサーバなのかは、図1注釈や問題文で確定させていきます。今は、単にパッと見ただけ。
とはいえ内心。"外部DNSが権威for外部者向けで、キャッシュDNSがキャッシュfor内部者向け"だろうなぁと、薄っすら予測はしてます。
❺Webサーバがある
Webサーバ@DMZは、大抵の企業はあるので問題なし。
私が気にするのは、アプリが稼働しているか。DBサーバと連携するか。

Webサーバへアクセスさせるために、権威サーバ(外部DNSサーバ)@DMZがあるかな。
→たぶん図1外部DNSサーバなので良し。Webサーバはホームページだけかな?
通販などのサービスなら、アプリが起動するし、顧客や注文データはDBサーバ@社内LANに保存してるか追加確認したい。
→図1を見るにDBサーバなし。単なるホームページだろう。
DMZにあるので外部向け。勿論内部からもアクセスできるでしょうが。
でもこれらは、セキュリティ的な観点なので、あまり問05には絡まないでしょう。でも問01セキュリリティやSCを目指すなら、これぐらい気になります。
❻業務サーバ@内部LANのA社.lanは良き
図1内部LAN(社内LAN)を、社内PCとサーバでセグメントを分けているのが良いですね。サーバセグメントを別途設けてます。
”多分、ファイル共有やグループウェアや人事/会計などなどなんだろうなぁ”と推測するぐらいで。
➐営業所と広域イーサ網もよくある構成
営業所や支店が、本社と同じく直接インターネットに出る構成もあれば、図1みたく広域イーサ網で本社に集中させて管理する構成もあります。プロキシと同じく一元管理できますから(通信負荷が増大しますが)。
「広域イーサ網(広域イーサネット)」は、インターネット(不特定多数)とは違います。通信業者のサービスで、契約者(特定多数)だけが利用する回線。費用は掛かりますが、安定性や速度などの保証が、インターネットよりはあるイメージ。
➑IPsecルータの2つの意味
ただ「IPsecルータ」を設けて暗号化通信にした方が良いですね。
「広域イーサ網」は、インターネットほどではないけど、色んな契約者が使うので。
IPsecルータを、営業所L3SW0外側・本社L3SW1外側に設置すると良き。
セキュリティ的には盗聴防止。
ネットワークでは、ルーティングテーブルが出題。営業所L3SW0が、パケットの宛先IPアドレスを見て、営業所内に戻すか、本社に送るかを判断しますから。
APではレア出題ですが、今後のために知っておいて損ないです。>【NW】令和3年春午後1問2設問2の解説Note
他にもARPテーブルなどもレア出題しますね。>【AP】令和7年春午後問5設問1(1)の解説Note
2点だけ残留
❶~➑を見てきて、残った疑問/懸念は2点だけ。
今後、問題文を読んで確認していきます。
DMZのDNSサーバが2つ
広域イーサ網でIPsecなどを使っていない
でも、この程度しか気になる点はありませんでした。
図1でネットワーク構成として気になる点はなかったですね。
自前で準備する「オンプレミス」なサーバーが多いので、”流行りの「クラウド」に移行して、FWや営業所L3SW0のルールを変更するとかかなぁ”と思いながら図1を見ました。
図2を見たら、アタリ。
内部LANのサーバセグメント(内部DNSサーバ, メールサーバ)まで、クラウドに上げてるので"ちょっとややこしそうね"とは思いました。
問05を選ぶ時は、ネットワーク図(図1, 2)を見て、
構成が理解できそうか
何か問題がありそうか
どんなことが問われそうか
ぐらいまで見ると地雷を踏まないで済むかなと。
設問1(1) | デフォルトゲートウェイは相談先
正答は「L3SW0」
下線①「デフォルトゲートウェイ」とは、行先/経路が分からない時の最初の相談先です。PCは宛先がお隣にいるのか/同じネットワークなのか/違うネットワークなのかさえ分かりませんから。
設問文「営業所のPC」は、宛先が営業所内/外かすら分かりません。相談先は営業所内にある「L2SW0」か「L3SW0」。IPアドレスを読み取って経路選択する「L3SW0」と判断。
さらに経路が分からない時に、とりあえず送り込む「デフォルトルート」って用語もあります。「ルーティングテーブル」が出たら補強しようかな。>【NW】令和3年春午後1問2設問2の解説Note
設問1(2) | オープンリレーはダメ(SCまで使える知識)
模範解答は「社外のメールサーバから送信された社外宛てのメールを中継する処理」
下線②「オープンリレー(第三者中継)」とは、組織外からの別の組織外へのメールを転送(中継)してしまうこと。
迷惑メール(スパムメール)転送の「踏み台」にされるので、オープンリレー設定は必ずOFF。SCでも使える知識です。>【SC】平成31年度春期午後2問2設問2(1)dの解説Note
下線②に「オープンリレー」とモロに書いてましたね。書いてなくても「踏み台」で判断できるようにもなってください。
補強 | DNSのオープンリゾルバもダメ(SCまで使える知識)
学びが物足りないので補強。
「オープンリゾルバ」は、誰からの依頼でも、どんなドメインでも名前解決してしまう状態。必ず禁止設定にすべき。
これを学校の先生に置き換えると。普通の先生は「自分の学校のこと(受付の場所や駐車場の案内)」だけ答えます。ところがオープンリゾルバ状態の先生は、外部の人から「他校の住所を教えて」と頼まれると、わざわざ調べて答えてしまう。
一見すると親切ですが危険。なぜなら、外部の人のために調べてしまうと、その先生(=DNSサーバ)が“踏み台”にされてしまうからです。
DNSサーバが、外部の人のために、インターネットにIPアドレス調べに行ってはダメ。次の「DNSリフレクション攻撃」の「踏み台」として悪用されるので。>【SC】平成28年春午後1問2設問2cの解説Note
メールサーバの「オープンリレー」、DNSサーバの「オープンリゾルバ」は絶対NG。サーバが出てきたら"オープンリレーになってないかな?"などと疑って下さいね。
設問1(3)a | ポート番号443=HTTPS
正答は「Webサーバ」
SG/FEに合格したなら必ず正答できますね。
表1ポート番号「443」は「HTTPS」。この時点でWebサーバと目星。
更に確認。
31頁の箇条書き9「DMZのWebサーバは、HTTP Over TLSによるアクセスだけを受け付ける」の「HTTP Over TLS」はHTTPSのこと。裏付けも完璧。
なお、HTTPのポート番号が80なのは大丈夫ですよね。Iパス/SGレベル。>【Iパス】9つの基本プロトコルのNote
補強 | SSL=TLS=SSL/TLS
「SSL」「TLS」「SSL/TLS」を見たら"プロトコルの暗号化なんだな。暗号通信なんだな"と思ってください。
3つとも全て同じ意味です。SSLが先に考案され、TLSとして標準化された経緯があって、色んな呼び方されてるだけ。>【NW】SSL/TLSのNote
SSL/TLSは、データを暗号化したり改ざん検知するための仕様。HTTPSやSMTPS, FTPS, IMAPSなどに使われています。知っている通信プロトコルにSが付いたら、暗号化版かな、と思ってOK。>【FE】プロトコル7+3のNote
設問1(3)b | ポート番号53=DNS
正答は「外部DNSサーバ」
設問1(3)aと同じく、SG/FEに合格したなら必ず正答できますね。
ポート番号「53」からDNSと目星。
「インターネット→DMZ」なので「外部DNSサーバ」か「キャッシュDNSサーバ」。
31頁箇条書き8「外部DNSサーバは、A社.jpのゾーン情報を管理する」は、インターネットからWebサーバ/メール中継サーバのIPアドレスを聞かれた時に答えます。
「権威サーバ」「DNSコンテンツサーバ」とも呼ばれます。
31頁箇条書き7「内部DNSサーバは、~管理外の~名前解決要求をキャッシュDNSサーバに転送する」から、DMZ→インターネットはしますが、逆はなし。
以上より【空欄b】は、インターネットからの問合せに返答する「外部DNSサーバ」。
あと、DNSがTCPとUDPの両方が使える、のも良い機会なので知っておいてください。FWフィルタリングルールの表では、プロトコル名(サービス名)・ポート番号・TCP/UDPなど3通りの書き方で出てきます。
今回の表1にも「TCP/53」「UDP/53」と書かれてますね。
補強 | ポート番号はSGレベル
53番を知らなくて驚いた方もいらっしゃるかもですが、今やSGですら多くのポート番号が出題されています。>【SG】サンプル(令和04年相当)問15の解説Note
HTTP:Web閲覧:80番
HTTPS:Web閲覧(暗号化):443番
SMTP:メール送信/転送:25番
POP:メール受信/サーバに残さない:110番
IMAP:メール受信/サーバに残す:143番
DNS:ドメイン→IPアドレス:53番
FTP:ファイル転送:20(データ用), 21(制御用)番
NTP:時刻同期:123番
Telnet:遠隔操作(平文):23番
SSH:遠隔操作(暗号通信):22番
太字を覚えてください。APなら「SSH=22番」も知っておくと良いですね。
設問1(3)c | ポート番号80, 443=HTTP, HTTPS
正答は「プロキシサーバ」
必ず正解してください。
表1ポート番号。「80」はHTTP、「443」はHTTPS。この時点で「プロキシサーバ」だと目星。本番では、もう解答してOK。
他サーバと迷うことはないでしょう。
Webサーバ「から」インターネットに発信することはないですからね。
Webサーバから「応答」は出しますが、FWが「ステートフルインスペクション(ダイナミックパケットフィルタリング)」なので返信の設定は不要。今回FWの明記がないですが(珍しい)。

設問2(1) | 外はグローバルIPアドレス
正答は
通過前:「200. α. β. 2」
通過後:「172. 20. 1. 14」
設問文「IGW」を問題文から探します。
33頁箇条書き5「IGWは、NATによって、公開セグメントの各サーバに設定された172. 20. 1. 11~172. 20. 1. 14をインターネットに公開する各サーバの対応するIPアドレスである200. α. β. 1~200. α. β. 3, 200. α. β. 5に変換する」。
つまり、クラウドBLC-A内ではプライベートIPアドレス、外では今まで通りグローバルIPアドレスを使うということ。
考える通信は、設問文「A社宛てのSMTPパケット」なので、外部からA社向けのメール。宛先は外部メールサーバ(図1メール中継サーバ)。
図2左上表より「メール中継サーバ」は「172. 20. 1. 14」。公開セグメント内部でのアドレスなので、IGW通過後。
通過前はインターネット通信なので、送信先はグローバルIPアドレス。図1左上表より「メール中継サーバ」は「200. α. β. 2」。
設問2(2) | クラウドに用があるのは?
正答は
「192. 168. 1. 0/24」
「172. 16. 128. 0/20」
設問文の「IPsecルータ1」が「BCL-Aサーバ」に「転送」する記述を、問題文から探します。
33頁末箇条書き9「本社は~IPsecルータ1を経由してBCL-Aと接続する」。
つまり「本社」のネットワークアドレスを答えればOK。
図2に記載のネットワークアドレスは3つ。
・「172. 16. 0. 0/24」:A社.lan:業務サーバ
・「172. 16. 128. 0/20」:社内PC
・「192. 168. 1. 0/24」:営業所のPC
BCL-A内のメール/DNSサーバなどに、アクセスが必要か考えます。
社内PCや営業所PCは、インターネットアクセスでプロキシサーバ(や内部DNSサーバ)・メールでメールサーバにアクセスするのは分かり切ったこと。
要検討は「業務サーバ」。
31頁箇条書き5「業務サーバは、社内PCとだけ通信する」なので、BCL-Aに用はありません。
以上より2つだけでした。
「192. 168. 1. 0/24」:営業内PCのため
「172. 16. 128. 0/20」:本社社内PCのため
設問2(3) | アクセス経路を図に描く
正答は、
「プロキシサーバ」
「メールサーバ」
「内部DNSサーバ」
※順不同(順番は関係なし)
「本社」が「BCL-A」にどんな用事があるか。
文章でも解説しますが、結論は下図の通り。
ネットワークの問題では、通信経路を描き込むのが大変有効です。FWのフィルタリングルールや通信負荷などが解き易くなります。

キャッシュDNSサーバ:31頁箇条書き7「内部DNSサーバは~DNSサーバに転送」なので、本社は用事なし。
★プロキシサーバ:31頁箇条書き10「社内PC~プロキシサーバ経由でアクセスする」。「社内PC」は本社(と営業所)にあるので、本社は用事あり。
Webサーバ:31頁箇条書き10「Webサーバに~プロキシサーバ経由でアクセス」なので、本社は用事なし。
メール中継サーバ:31頁箇条書き2・3より、社外メールサーバ⇔メール中継サーバ⇔メールサーバ⇔社内PC。本社は直接アクセスしないので用事なし。
★内部DNSサーバ:31頁箇条書き6「社内PCは、内部DNSサーバで名前解決を行う」ので、本社は用事あり。
★メールサーバ:メール中継サーバで検討済み。社外メールサーバ⇔メール中継サーバ⇔メールサーバ⇔社内PC。本社は用事あり。
インターネット向けDNSサービス:「外部DNSサーバ」に相当。外部から向けなので無関係。もしBCL-A内のWebサーバへアクセスしたいなら、最初に「キャッシュDNSサーバ」に問合せて返答を得ますから。
メタ的な話。
「全て選べ」では、必ず2個以上にして下さい。正答が1個だったことはないかなぁと。一方、計算問題の「小数第N位を四捨五入して」は、四捨五入しない場合あり。
まとめ
お疲れ様でした!
大変充実した復習ができたのではないでしょうか。

「デフォルトゲートウェイ」「オープンリレー」「オープンリゾルバ」「DNSがTCP, UDPの両方が使える」など、SCやNWでも使える基礎がガッチリ固まった回になりました。
私がAPを受験した時は、セキュリティ, ネットワーク, データベースは「御三家」として徹底対策して、高度資格のSC/NW/DBへも繋がりました。少しでもネットワークをスタメンに入れるキッカケになったら嬉しいです。
私のNoteではIP~SC, DB, NWまで幅広く解説しています。全て私が解いて手作りしてますので、合格者/先生の視点として参考になったら嬉しいです。良かったらまた覗きに来てくださいね。お待ちしてます。
APには、解説以外の戦略Noteも準備しました。
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応用情報技術者試験(午後)の解説
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