焦点距離 24mm 広角スナップの魅力
はじめに
今回のレンズはZeiss Loxia 2.4/25、E Mount、開放F値f/2.4、焦点距離25mmです。出だしからタイトルと矛盾がありますが、Loxiaに24mmがラインナップされていないので悪しからずご了承下さい。サンプルはほぼこの25mmで撮影したものです(一部スマホの24mm、RAW現像あり、若干のトリミングありです)
なぜかZeissにアクセスできず(寂しい)レビューサイトを引用します
Loxia 35mmを購入したあと、Loxia兄弟のなかで良い良いと評判だったこのレンズが欲しくて手に入れたは良いけれど、使いこなせず放置していた不遇なレンズです。
単焦点レンズが多い私のセットのなかで、風景用に広角レンズは一本は必要だと思いつつも、これでないとダメな局面があまりに少なく持て余していました。それでは勿体ない、と一念発起したのが切っ掛けです。
スナップにも広角レンズを使ってみたい。自分自身に課した条件は、とにかく暫くこの一本だけで過ごすこと。
まずは下準備として、AIに広角スナップのコツを教えてもらいます。28mmの高級コンデジも人気な中、広角自体はスナップに向かないわけではないらしい。ふむふむなるほど。ではレッツトライ!
広角レンズでのスナップに大切なこと
実践するに当たって必ず守るべきことはたった2つです。
一つはカメラを並行、水平を維持すること。もう一つはとにかく被写体に寄れるだけ寄ることです。
※周辺光量補正をオフすることも忘れずに!
24mmを超える広角レンズは、気をつけないと「いかにも」な写真を量産してしまいます。パースが付きすぎて周辺の歪みが目に付いたり、被写体が遠くて何が主題か分からなかったり、のっぺり平面的だったり。
まずはカメラの水平、並行を意識しましょう。これは左右の傾きたけではなく、カメラの上下の向きも含みます。カメラの水準器を使用して合わせるだけで良いです。これだけできついパースは鳴りを潜めてくれます。とにかく建物や、標識など、縦の線をまっすぐ垂直に撮ることに集中しましょう。ほんの少し傾いただけでもなんとなく気付きます。
いつもと違ういつもを送る pic.twitter.com/Wau056CKN3
— 千里 / 𝙎𝙚𝙣𝙧𝙞 (@senriphoto) May 25, 2026
とにかくこらえて水平を意識
水平に構えることで被写体が中心に来ないときはしゃがんだり、這いつくばったり、根性で背伸びしましょう。それでも収まらないときは数歩下がって小さく写し、あとでトリミングすることも視野に入れます。傾けて写真を台無しにするよりも何倍もマシです。どうしても傾けたい時、縦の線のパースを生かしたいときは、細心の注意を払って傾けましょう。
この意識付けができたら、次は被写体に接近します。広角は要らないものがたくさん写り込みます。背景の整理が大事なんて言いますが、スナップではそんなこと言ってられない事が多いですよね。ならば、被写体に寄りましょう。背景が見えないほど被写体を大写しにしましょう。被写体が小物なら開放F値で最短撮影距離まで寄ります。如何にボケない広角でも最短撮影距離なら背景は溶けます。
吸ってふやけて柔らかい pic.twitter.com/RHQU4m0yt6
— 千里 / 𝙎𝙚𝙣𝙧𝙞 (@senriphoto) June 29, 2026
限界まで寄りましょう
まずはこの2つだけを注意します。そして徹底的に実践します。
そうすると段々と広角の何たるかが分かってきます。
広角って思ったほど歪まないんです。むしろちゃんと撮ると広角と気付けないときもあります。そこが出発点です。
その先に見えてくるものは
背景は開放F値でぼかしても良いですし、被写に寄ることで自然と整理が進みます。ぼかしてもある程度のディテールが見えるのでちょうど良いアクセントになるのがわかります。「広角は狭く撮れ」なんて格言もありますが、正にこれを別の言葉で表したものです。
そして次第に、手前から奥に向かっていく「線」の存在に気付くでしょう。
アルジャーノン pic.twitter.com/whMOeasHgI
— 千里 / 𝙎𝙚𝙣𝙧𝙞 (@senriphoto) June 22, 2026
なだらかにボケていく、奥行きのあるラインが広角の真骨頂。もちろんこれもカメラは水平並行。
広角レンズはどうやったって「線」が入ります。よっぽどでなければ平面的な画作りは難しいでしょう。遠近が強調される画角なので、この線が手前から奥に抜けるところで強烈な奥行き感が得られます。望遠の圧縮効果と対で、広角レンズはこの奥行き感がその持ち味です。
次は被写体と、その周辺の「線」を探して構図に取り入れます。手すり、ガードレール、道路、タイルの目地、ビルの窓枠、フェンス⋯⋯など、いたるところにリーディングラインがあることに気付きます。迷ったら手すりや壁にカメラをくっつけて線と並行にカメラを向けるだけでも良いです。広角ではこれだけで絵になります。標準や望遠ではただの線が、奥行きをもたらす道具になるのです。画角が広いので、消失点を画面に入れる時も角度、構図の自由度が高くなるのが分かります。
変わったのは視点ではなく、視線 pic.twitter.com/DolylpsaXL
— 千里 / 𝙎𝙚𝙣𝙧𝙞 (@senriphoto) May 26, 2026
街中は線に溢れている
風景の場合も線を取り入れるか、前景に物を置くと遠近感が強調されます。狭い通路から額縁構図で景色を見るとか良いのではないでしょうか。
スナップの定番といえばこれ
広角レンズでのスナップの魅力とは
望遠が被写体、遠景、近景などの複数の面とボケ味で構成されるのとは対照的に、広角は手前から奥になだらかに続く線とその消失、ときになだらかにボケ、溶けていくグラデーションによってもたらされる遠近感で構成されていることが実感できます。ボケで挟むことで被写体を強調して得られる奥行き感とは一線を画す魅力を持つものです。
例えば、望遠では「一本の」手すりだったものが、広角で撮ると手すりの手前(上)の線と奥(下)の、「角度のついた二本線」になります。どうしたって遠近の対比が生まれるのです。
広角レンズはどう切り取っても奥行きのある写真になる、正に一瞬の空間を切り取るダイナミックさを持つ、スナップに適した魔法の画角だったのです。
広角レンズ縛りを終えて
はじめのうちは「どうしたらいいんだこれ」「何を撮ってもしっくりこない」と思っていた広角レンズも、慣れるに従って標準や望遠にはない味を出せるようになってきたと思います。2ヶ月以上25mmで過ごしたあと久しぶりに40mmを持ち出した先日のこと、「ついに帰ってきた!」という喜びを感じるかなと思っていましたが、カメラを構えた最初の感想は「ただのトリミングした25mm」で我ながら驚きました。距離感が馴染んだ証拠でしょうか、今では意外と自分に向いている画角なんだなと感じています。さああなたも、広角1本で散歩に出かけましょう!
