第一次石油ショック当時の狂乱物価をビジュアルで再現ーやはり、見た目は感覚に訴えるのではないかと
先の見えない、米国とイスラエルのイラン攻撃によって引き起こされた今回のホルムズ海峡封鎖に伴う原油不足、ナフサ不足。各地でいろんな物資不足の問題が報道されていますが、やはりカルビーのポテトチップスなどの包装モノクロ化は、見た目のインパクトがあり、今後この時代を振り返る時には、必ず参照されることになるでしょう。やはり、見た目のインパクトは、現場の困難な状況を分かりやすく伝えてくれました。
中の人は小学生時代の1973(昭和48)年に第四次中東戦争に伴う、第一次石油ショックでの、狂乱物価を体験しました。そこで当時、印象深く記憶に残ったものを2点、再現してみることにしました。戦後とはいえ、もう半世紀以上昔のことですので、こういう記憶も庶民の生活をイメージするものとして、あっても良いのではとやってみました。
第四次中東戦争は1973年10月6日に勃発、24日に終了。その間、16日にOPEC湾岸6カ国が石油公示価格を70%引き上げ、OAPECが生産削減と供給制限を段階的に行うと発表(5%)。さらに、18日にはサウジアラビアがイスラエルの占領地撤退までイスラエル支持国への経済制裁として石油禁輸を決定、OAPEC諸国も追随して原油の対米・オランダ禁輸を行っています。この結果として、安い原油の値上がり、供給量の10%程度の不足が生じて、政府が価格統制的な政策を打ち出しますが、商社の売り惜しみなどがあり、インフレが一気に進んでいます。当時の政府対応などは下リンクからどうぞ。
さて、そんな中で記憶に残っているのが、駅の売店で売っていたホットドッグです。中の人は電車に乗って医者に通っていて、また、このホットドッグが好きだったのでよく覚えています。まずは材料集めから。コッぺパン、キャベツ、ソーセージです。ソーセージはそのままのもの、半分に切ったもの、4分の1に切ったものを用意します。キャベツは千切り、コッペパンは縦に刻みを入れます。

キャベツはいためてあり、マスタードをちょっと塗るなどしてあったのですが、今回は見えないのでパスします。ソーセージは軽く炒めます。そして、パンにキャベツを押し込んでからソーセージを挟みます。これを軽くオーブントースターであぶれば完成ですが、それもないので、加熱なしで一応、往時のホットドッグが完成です。これで1個100円でした。

これが狂乱物価が始まり、まず、ソーセージは半分に切ったものになりました。価格は100円のままですが、ボリューム減は否めません。それでも、これはまだ、たまに買って食べていました。

そして、魔改造はこれだけにとどまらず、とうとう、ソーセージは4分の1本が2本となりました。これでソーセージの量は当初の4分の1になってしまいました。さすがに、これはもう、食べたくないなと思って買ったことはありませんでした。そう思った人が多かったのか、売店のラインナップからいつの間にか姿を消しました。価格は100円を維持していましたが、その後値上がりしたかは、関心がなくなって覚えていません。

並べるとこんな具合です。

もうひとつ、好きで覚えていたのが、駅前のデパートの屋上遊園地にあった軽食コーナーでのこと。ここには、みたらし団子を皿に盛りつけてショーケースに入れて販売していました。それを再現するべく、今でも当時そのままのサイズ、形で販売している業務用の冷凍団子を通販で入手しました。

これをお湯で少しあたためたあと、しばらく冷ましておきます。


冷ましているうちに、あまじょっぱい蜜を作ります。粘りは片栗粉で。

そして団子を網で焼いて、表面に焼き目を入れます。

だいたい焼き目が付いたら、蜜を塗って完成です。


盛り付ける皿は、当時と同様のものを入手しました。

では盛り付け。デパートの屋上にあった姿を思い出しつつ、1段目3本、2段目2本、3段目1本とピラミッド状に重ねます。


これが100円で販売されていました。今からみると、大変お得なおやつだったと思いますが、月のおこづかいが1000円とかの時代ですので…。
そして、このみたらし団子も、狂乱物価の波をかぶり、ある日、唐突にこんな姿に変わっていました。

一本ない! これは、衝撃でした。きれいな三角に積んであった頂点がなくなったのですから…。

価格を変えずにいくには、こうするしかなかったのでしょう。このあと、おいしくいただきました。
◇
だから何だと言えばそれまでですが、こんな記憶がこれからまた50年を経過した時に見て貰えば、何か感じてくださるかなと。時代の記録は、こんなささいな事でも伝えられるでしょう。カルビーの袋もモノクロが出たら比較で追加しておきます。
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