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第6回 フリーランスになって気づいた、「仕事ができる人」の共通点

独立してから、いろいろな方と仕事をご一緒する機会が増えてきました。
企業のコーポレート部門の方もいれば、
私と同じフリーランスの方もいます。
経営者の方とお会いする機会もあります。

会社員として働いていた頃とは少し違う距離感で、
人の仕事ぶりを見るようになりました。

今回の記事を書くにあたって、改めて考えてみました。
「仕事ができる人」の共通点とは、何なのだろうか。

これまで二十年以上、総研やコンサルティングファームでリサーチや
コンサルティングの仕事に携わってきました。
その中で、優秀だと思う方々には数多く出会ってきたと思います。

若い頃は、「知識が多い人」や「頭の回転が速い人」が
仕事のできる人なのだと思っていました。
もちろん、それも間違いではありません。

ただ、年齢を重ねて、さまざまな立場の方と仕事をするようになると、
もう少し別のところに共通点があるようにも感じます。
それは、履歴書にはなかなか書かれないようなことです。

今日は、そんなことを少し書いてみたいと思います。

■ 答えを持っている人ではなく、「問い」を持っている人

若い頃は、「答えをたくさん知っている人」が優秀なのだと思っていました。
でも、経営者や役員クラスの方々と仕事をしていると、
少し見方が変わってきます。

私が「本当に優秀だ」と感じる人は、答えを急ぎません。
まず考えます。
「そもそも問題は何なのか」と。
当たり前のようですが、実は簡単なことではありません。

コンサルティングやリサーチの現場では、クライアントから
「〇〇をやりたい」「〇〇について知りたい」という相談を受けます。
しかし、本当に優秀だと思った先輩方は、
その言葉をそのまま受け取りませんでした。

なぜそれをやりたいのか。
なぜ知りたいのか。
それが実現すると何が変わるのか。
本当に解決したいことは別のところにあるのではないか。

そうした問いを重ねていきます。
すると、最初に見えていた課題とはまったく違う場所に、
本当の論点が見つかることがあります。

仕事ができる人は、答えを出す前に問いを立てます。
相手にも、自分自身にも問いを向け続けます。
若い頃、そうした場面を何度か目の当たりにして鳥肌が立ったことを、
今でも覚えています。

■ 仕事ができる人ほど、「決めること」にエネルギーを使わない

これは少し意外に聞こえるかもしれません。

優秀な人ほど決断が速い、というイメージがあります。
確かに速いのですが、それ以上に感じるのは、
決断する回数そのものを減らしている、ということです。

たとえば、
朝何を着るか。
どこで仕事をするか。
どのツールを使うか。
資料をどう作るか。

そうした細かなことを毎回ゼロから考えていません。
ある程度ルール化し、仕組みに落とし込んでいます。

判断力というのは、思っている以上に有限なのだと思います。

本当に重要な意思決定のために、
日常の小さな選択を無意識のうちに減らしている。
経営者の方々を見ていても、その傾向は強いように感じます。

それは自由に見えて、実はかなり仕組み化されている。
長く成果を出し続ける人には、そうした地味な工夫が自然と
備わっているのだと思います。

私自身も独立してから、
その大切さを以前より強く意識するようになりました。
以前は組織の流れの中で仕事をしていましたが、
今は何をするにも自分で決めなければなりません。

最初の頃は些細なことまで考えてしまい、
気づけば本来使うべきエネルギーを消耗していました。
だからこそ今は、仕事の進め方や情報収集の方法、
日々のスケジュールの組み方などをできるだけ定型化しています。

大事なのは、毎回考えないことではなく、
本当に考えるべきことに集中できる状態をつくることなのだと思いました。

■ 「わからない」と言える勇気を持つ人

長年この仕事をしてきて、意外だったことの一つかもしれません。

振り返ってみると、優秀な人ほど「わかりません」
と言う傾向があるように感じます。
知らないことを知ったふりをしません。

必要であれば調べる。
詳しい人に聞く。
情報を集める。
やっていることは、とてもシンプルです。

逆に少し危うさを感じるのは、何に対してもすぐ答えを出そうとする人です。

社会や経済、経営の世界は、不確実なことばかりです。
本当に重要なテーマほど、簡単には答えが出ません。
だからこそ、「今はまだ判断材料が足りません」と言える人を、
私は信頼しています。

■ 他人よりも、自分を観察している

そして、私がいちばん大切だと思うのはこれです。

仕事ができる人は、意外なほど自分をよく見ています。
他人との比較ではありません。
承認欲求の話でもありません。

自分はどんなときに集中できるのか。
どんな仕事にやりがいを感じるのか。
何にストレスを感じるのか。
どんな環境で力を発揮できるのか。
どれくらいの期間、その状態を維持できるのか。

自分自身をよく観察しています。
だから無理をしすぎません。
そして、自分なりのパフォーマンスの出し方を知っています。

独立してからは、その大切さを以前よりも強く感じるようになりました。
会社員の頃は、多少無理をしても組織が補ってくれる部分がありました。
でも、フリーランスは違います。
自分自身が資本です。
体調も、集中力も、感情も…。
それらを含めて仕事なのだと思うようになりました。

■ 独立して見えたこと

以前は組織の仕組みに支えられていた部分が少なからずあったと思います。

上司が確認してくれる。
事務局が調整してくれる。
システムがリマインドしてくれる。

でも独立すると、その多くを自分で担わなければなりません。
だからこそ、仕事の本質が少し見えやすくなった気がします。

仕事ができる人とは、
特別な能力を持った人だけを指すわけではないのでしょうね。
問いを持ち、自分を知り、わからないことを認める。
そして、自分で判断する。
そうした地味なことを、当たり前のように
積み重ねられる人なのではないかと思います。

結局のところ、仕事は信頼の積み重ねです。

派手な成果や華やかな肩書きよりも、小さな約束を守ること。
自分の言葉で考え、自分の責任で判断すること。
そうした積み重ねが、少しずつ信用になっていくのでしょう。

独立して見えたのは、そんな当たり前のことでしたし、
私も、クライアントから見て見られて、
『お、なかなかやるな』と思われるような、
優秀なビジネスパーソンを目指したいと思っています。

でも、私自身、まだまだ修行中です。
迷うこともありますし、不安になる日もあります。
失敗することもたくさんあります。

それでも、昨日より少しだけ成長できればいい…。
そんな気持ちで、また明日もパソコンを開こうと思います。

🍃

次回は、フリーランスになって変わったお金の使い方について
書いてみようと思います。
組織にいた頃と変わったこともあれば、
まったく変わらなかったこともあります。
そんな日常の変化も、
少しずつ言葉に残していけたらと思っています。

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