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【芸術】藤井猛九段が藤本渚六段に圧勝【究極】

先日に行われた順位戦B級2組の藤井猛九段-藤本渚六段戦。これが衝撃だった。

藤本渚六段といえばいま最もホットな若手棋士である。トップ棋士に引けを取らない実力者であり、前節では羽生善治九段を破っている。
今回の相手は藤井猛九段だ。正直落ち目なのは疑いようがなく、今期に降級してもおかしくない立ち位置であった。前評判じゃ、よっぽどの藤井ファンを除いて藤本渚六段持ちだっただろう。

ところが結果は藤井勝ち。それも内容が恐ろしかった。相手の手段をすべて消し去る完璧な中押し勝ちだったのである。詳しくは名人戦棋譜速報を見ていただくとして、藤井猛九段の序盤作戦について気になる点があった。

金美濃+3一銀・4三金型という見たことがない組み合わせで、向かい飛車に振り直して3一の銀を4二に活用するもの。中央の厚みで急戦を封じる大山康晴十五世名人のような立ち回りで、若き天才を翻弄した。23手目から26手目までの熟考の応酬を味わっていただきたい。ここに本局の魅力が詰まっている。この読み合いを制した藤井猛九段は、やはりただ者ではない。

次いで中盤。いったいどうしたのだと思うほど、藤井猛九段の指し回しは繊細だった。藤本渚六段も細かく揺さぶって穴をあけようとするのだが、なかなか崩れなかった。そうして気づけば先手は1枚1枚体力を失っていき、投了図は恐ろしいほどの完切れ状態。かつての大山-森内戦を思い起こすほどの圧倒的強さを見せつけたのだった。

究極は80手目△1二飛である。これは達人じゃなければ指せない一着だ。アマ高段者の私ですら、一生思い浮かばないかもしれない。それほどの味わい深い一着を、視聴者はお酒なりコーヒーなりを用意してじっくり堪能していただきたい。

余談だが、例の詰将棋の作品はまったく人間味というかストーリーがなかった。しかしこの一局はまさに「藤井猛九段」という人間が詰まっている。これぞ芸術作品。今からでもこっちを看寿賞にしてくれないか。こういうのが見たかったのだよファンは。

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