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「タンポポは何色?」という子に足りないのは「おばあちゃん力」?

生成AIでピンクのタンポポをつくってみました。
なんだか、不気味ですね~。

前回の続きです。

せたがや作文教室を開講したばかりのころ、作文が書けないという、こんなお子さんが来ました。小学5年生の男子です。

「今日、何があったか? 別に。」

「小学3年生以前のことはよく覚えていない。」

「自分の考えって、何を書いたらいいかわからない。」

「わからないことを親に聞いたら、『辞書で調べなさい。』と言われる。親から何か教えてもらったことはない。」


「作文が書けない」というお子さんの要素が、フルコースでそろっています。しかし、彼はサピックスでアルファの次のAクラス。


ついでに言うと、

「頭のいい人? サピックスのアルファクラスの人。」


と言います。


うーん、それは「勉強ができる人」であって、必ずしも「頭がいいわけではない」ということを話そうとしたのですが――。けんもほろろ。


学校で起きたことや、受験勉強に関係ないことは、まったく興味がないようです。


わたしは、このお子さんの話を聞いていて、

「親から何か教えてもらったことがない。」
「辞書で調べろと言われる」


というところが、気になりました。


これはわたしの仮説ですが、小さいころから、身近におばあちゃん、おじいちゃんがいて、ゆったりした時間を過ごしたことがあると、周囲への興味や関心は育つのではないか、と思うのです。


わたしの息子が小さいころ、母と暮らしていた時期がありました。
二人の様子を見ていると、どうも、わたし&息子と過ごしているときとは、違います。


道を歩けば、言葉のわからない赤ちゃんのころから、


「わあー。お花、キレイねえ。キンモクセイっていうのよ。いいにおいねー。」

「ありんこが、列を作っているよ。おいしいエサを見つけたのかなー?」

「風が気持ちいいねえ。もうすぐ、春になるんだねえ。」


と、とにかくいろいろ、話しかけるのです。
息子のからだを、その花やありんこにちょっと近づけながら。
息子も、キャッキャッと言って、喜んでいます。


一度、なぜそんなに話しかけるの? と聞いたことがあります。
すると母は、

「赤ちゃんがしてほしいことを考えれば、すぐにわかるわよー。」


と、涼しい顔で言っていました。
わたしは、この言葉の意味が、いまだによくわかりません。くぅー。

つまり、日々、自分たちの周りにある花や虫、季節など、すべてのことに感動し、それを言葉にして、息子に言葉のシャワーを浴びせていたんですね。
たくさん、言葉を使って、かまってもらってきたというわけです。


感性を育ててきた、と母は言います。


おかげで息子は、保育園や学校から帰ると、

「ねえねえ、今日こういうことがあってね、それでね……。」



と、おしゃべりしたくてしょうがない! という子に育ちました。


自分の息子ネタなんて、なんだか手前味噌ですが、確かに作文で困っていたことはありませんでした。内容もなかなかおもしろい。


自分の周囲に感動し、言葉でいろいろ教えてくれる、「おばあちゃん力」に触れて育ったかどうかで、「ピンクのたんぽぽ」を信じるか、笑い飛ばすかの違いになるような気がするのです。


もうひとつ、小5男子と、同級生の息子とのやり取りで、気になることがありました。


展覧会用に、5年生は鳥の工作をつくりました。
我が家は一人っ子なので、家のいろいろなところに飾っています。


名前の下に、三行くらい書く欄があって、息子は、

「この鳥を見た人はみんな幸せになる。」


と書いていました。


それを見て、小5の子は大笑いします。

「この工作をつくっているとき、どんなところを工夫しましたか? って質問なのに、これじゃ答えになってないんじゃね?」


こういうことに、息子は一喜一憂しないタイプだったので、ニヤニヤしながら聞いていました。

その場はテキトーに流しましたが(小5のお子さんは、顧客様ですから!)、わたしは、息子は間違っていないと思いました。

「羽根の部分のこういうところが苦労した。」

といったことを、みんな書いているのだと思いますが、息子は本気で、「この鳥を見た人はみんな幸せになる。」という思いを込めて、そういう鳥になるにはどうしたらいいか工夫して、作ったのだと思います。


だから、題名は「虹色の鳥」
確かに、見たら幸せになりそうです。


先ほどの、小5男子の話に戻ります。

「知らないことを聞いたら、親が、辞書で調べろという。」
「親に何か、教えてもらったことはない。」


これにも、驚きました。


子どもが、親に何か聞いたとき、

「それはね、こうでこうで、ああいう意味よ。」

とか、

「これは、たんぽぽっていうお花だよ。秋から冬になると、綿ぼうしみたいな種ができるよ。そのときは、たくさん『ふうっ』ってして、飛ばそうよ。」


などと答えてあげるのは、「親子の素敵なコミュニケーション」だと思っていたからです。


塾だ、習い事だ、右脳教育だーと、教えることを外注に出し過ぎると、知識は豊富だけど、身近なことに興味のない子になるのかな? と思いました。


子育て中のおかあさん、おとうさん、おばあちゃんもおじいちゃんも、ぜひ、「おばあちゃん力」を使ってほしいなと思います。


お子さんを愛しているたくさんの大人が、いろんなことを、楽しみながら教えてあげること。これがとっても大事です。

「それは、これこれこうでー!」

と、学校の先生のように教え込むのとは違います。お父さんがやりがちですね。

ある、教育の専門家に取材したときに、

「一番効果的なのは、ひとり言のようにつぶやくこと。」


だと聞きました。

自分に向かって、教え込んでいるわけではない。でも、大好きなおかあさん、お父さんが、自分の疑問に答えるようなことを言っている。

こう言う経験は、なかなか忘れないのだそうです。


今、子育て中の皆様。

「ピンクのたんぽぽ」を信じる子どもにしないためにも、ぜひ「子どもの疑問に自分で答える」「子どもの近くでひとり言のように言う」を、実践してみてくださいね!


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