命がいくつあっても足りないYO『アステロイド・ラリー』他/モジャ公を語らう③
まずは「モジャ公」の作品概要から。以前に記事からコピペします。
主人公の男の子の名は天野空夫、見た目はのび太に近いが、のび太よりだいぶ無鉄砲な性格で、行動力のあるタイプ。空夫と宇宙に「家出」することになる仲間は、謎の宇宙生物モジャ公(モジャラ)と、謎のロボット・ドンモ。
3人は何をやっても叱られて世の中が嫌になっているという共通点があって、意気投合する形で、ここではないどこか(宇宙)へと冒険の旅に出る。
そして、これまで第1話完全解説・考察と、2話目、3話目の解説を記事にしている。
上の記事で説明済みだが、「モジャ公」は「21エモン」の後半部分、宇宙を旅する部分のリメイク的な意味合いがある。
「21エモン」の宇宙旅行篇では、地球の価値観とは全く異なる星々を巡るセンス・オブ・ワンダーが描かれたのだが、残念ながら作者が用意していたネタを出し切れぬまま連載が終了となってしまったのである。
モジャ公における宇宙旅行の特徴は、「何だか怖い」ということ。第二話目となる『地球人怖いよ』では、突然死刑を言い渡されてしまうし、第三話目『うまそうな三人』では、狼人間たちに食われそうになる。
この傾向は連載が進むごとにエスカレートしている印象で、常に死と隣り合わせな事件・事故に主人公たちが巻き込まれてしまうのである。
本稿では第4話目から、怖さの部分を強調しつつ、ダイジェスト的にお話を紹介していきたい。
『さよなら411ボル』「週刊ぼくらマガジン」1970年1号
第4話目。本作では『地球人は怖いよ』でゲットした宇宙の通貨411ボルを巡るお話。燃料補給のためコスカラ星というパーキングエリアのような目的で作られた人口星に緊急着陸。ここでは客の足元を見たあくどい商売人たちが跋扈している。
なんやかんやあって、空夫たちはぼったくりに遭って、全財産を失ってしまい、燃料補給もできぬまま星を出ることに・・。まさに悪銭身に付かずなのであった。
本作でロケットで宇宙旅行を楽しんでいる金持ちの女の子と知り合うのだが、空夫はいい顔するために自分も金持ちを装ってしまう。そして、このことが次の星で悲劇を呼ぶことになる・・。
『恐竜の星』「週刊ぼくらマガジン」1970年2、3+4、5号
燃料が尽きて宇宙空間をさ迷う羽目になるが、重力に引っ張られてとある星へ落下。そこは何と恐竜が現役で暴れ回っている星であった・・。
着陸早々に一匹の肉食恐竜に襲われて、いきなりドンモが食われてしまう。凄まじい血しぶきが飛ぶ悲惨な食われ方で、それを見たモジャ公と空夫は、
「これはギャク漫画じゃなかったか? 作者は頭がおかしいんだ! 少しでも人気を取ろうと思って」
と、騒ぎ立てる。

そして一晩過ごした二日目には、なぜか弁当屋が出てきたり、コスカラ星で知り合った金持ち女子がのんびりしていたりと、妙な空気が漂う。そしてモジャ公、空夫の順で恐竜に派手に食べられてしまうのだが、なんとその恐竜はロボット。不時着した場所は、恐竜狩りのゲームセンターであったのだ。
『アステロイド・ラリー』
「週刊ぼくらマガジン」1970年6、7、8号
第6話目。恐竜ゲームを楽しんだ森を抜けると、そこは大都会。空夫たちがお金持ちだと勘違いしている女の子に、ほぼ勝手に高級ホテルにチェックインさせられてしまう。
そしてこのホテルでは、無賃宿泊した客への扱いが厳しく、宇宙の果ての星刑務星での強制労働に送られてしまう決まり。
逃げられそうにないので、金持ちの女の子(モナ)にお金を貸して貰おうと考えるが、見栄を張ってしまってなかなか言い出せない。
すると、賞金100万ボルという「アステロイド・ラリー」が行われることを知って、ポンコツのクラシック宇宙船でレースに出場することに。
レースの内容はここでは割愛するが、命を張って、なんとか一位でゴールする。見応えのある展開なので、こちら原作を読むことをオススメしたい。

『ナイナイ星のかたきうち』「週刊ぼくらマガジン」9~13号
第7話目。アステロイド・ラリーで優勝し100万ボルをゲットした3人は、すっかり有名人に。お金をせびる手紙が大量に届き、お金目当ての銀行員や投資家などが大勢集まってくる。
するとクエ星人のムエという差出人から、「地球人天野空夫は父の敵なので、命を下さい」と書かれた物騒な手紙が届く。
警察に逃げ込もうとするが、ムエに見つかってしまい、後36時間後に殺すと宣告される。ムエは天野空夫に対して父の敵を討っても良いという「かたきうち免許証」を所持しており、警察も出る幕はないという。
かたき討ちが認められていた、江戸幕府のような世界である。
ムエから逃げるために、急きょロケットを手に入れる必要があり、100万ボルでオンボロロケットを買って脱出。あぶく銭はどうしても身に付かない性分な3人らしい・・。
空夫は宇宙パトロールから立ち入り禁止の星、ナイナイ星であればムエも追ってこないと判断し、ドンモやモジャ公の反対を押し切って、着陸させてしまう。
着いてみると、ナイナイ星には人っ子一人いない。それには重大な秘密が隠されているのだが、そこはここでは割愛する。
身を隠すにはもってこいの星かと思っていると、ムエは無情にも空夫の目の前に現れ、約束の時間になったらかたき討ちを始めるという。
なおムエは人の心が読め(テレパシー)、念力も使え(テレキネシス)、瞬間移動(テレポーテーション」も使いこなす怪人。どうしても勝てそうにもない相手に、空夫たち3人はどう立ち向かうのか? そもそも、なぜ空夫が父の敵なのか?、そしてナイナイ星が立ち入り禁止されている理由とは?
面白ポイントがありすぎるので、是非とも本作も原作を読んで確認して見て欲しい!

毎回生きるか死ぬかの大騒ぎに巻き込まれるズッコケ三人組。この後もさらに酷い目に遭うことになるのだが、これはまた時を置いて、次回へ続く!
