ランス・アームストロング|闇のツール・ド・フランス|ただマイヨジョーヌのためでなく
マルコ・パンター二の話をする前にこの本のレビューを一回入れておいた方がいいと思った。凄い本ですよ。これは。ある意味。
ちなみにこの本を読む前にランスの所業を書いたシークレットレースって本を読んでから読むと効果は抜群だと思う。ランスってすげぇってなる。
シークレットレースを読まずに読むとこれは感動の超大作!!
ただマイヨジョーヌのためでなく。日本語版もう廃本しちゃってるんでKindle版で英語版で読んでください。TOEIC650あれば読めると思う。
ランスアームストロングって睾丸ガンからほぼ数%の生存率から奇跡の復活を遂げて、それで自転車ロードレーサーに復帰して7連覇するんです。ツールドフランスを。
ツールって自転車を見たことがない人に伝えるなら、21日間ほとんど休まず毎日フルマラソンを走って、その総合タイムを競う競技みたいな世界です。ちなみにそのコースの中には山登り、短距離トライアル、フラットなコース、石畳なんでもあります。
で、ランスがいかにすげえやつなのか、ポジティブスピリッツで周りを支え盛り立てながら、ツールを勝ちに行ったのか、なんで勝てたのか。
そりゃ、勝つためじゃない、バイクに乗って強烈に何かを得るために走り続けたという話なわけです。
シークレットレースを読んでから読むと感じるげんなりさ
その裏でランスがチームメートを薄情に捨てていったのか、ドーピングを自分の勝利のためにチームメイトにおししつけていったのかが書かれる、シークレットレース。
あるとき、自転車トレーニングしてたら車に煽られて、ランスがキレて、ドライバーを文字通りボコボコにするまで殴り続けたシーンとかが出てきます。
で、ライバルになりそうな奴には徹底的な嫌がらせとか、薄情なランスアームストロングの姿が出てきます。
でも、ランスは一方的な悪だったのかと言われればそうでもない
確かに陰険で勝利に飢えた嫌な野郎だと思う。ランスアームストロングは正直碌でもない男だし。
だからと言って彼のドーピングに関しては一概に悪だとも言えない構造があった。当時、ほぼ全てのツールドフランスの選手が多かれ少なかれドーピングに手を出していた、ウルリッヒ、パンターニも後の調査でやっていたのが判明している。その中で一番上手く成功したのが彼だったというだけ。
だから悪の象徴にされてしまっているのは哀れでもある。
で、改めてマイヨジョーヌのためでなくを読み直す
これはあれだ、インフルエンサーとか成功者系のユーチューバーとかの成功談やマルチ商法の成功談のようなものって思って読むとこの物語が微笑ましく、そして極めて残酷に見えてくる。インフルエンサーになって本当のことの言えないランスアームストロングという存在が哀れに見えてくる。
ツールドフランスを勝利した瞬間に湧き出てくる勝利のシーンを静視できない。おい、お前その裏でやっていることは全部、こんなに盛っていいんか?あとで出てくるんだぞって言いたくなる。ランスはきっとこの自己肯定感で人間らしさを保っているんだろうな。だからまだツールドフランス勝利を剥奪されても生きていられる。人間性をかろうじて保っている。
まとめ
これは成功物語の形をしたホラーです。それもシークレットレースと2冊同時に読んだときだけ理解できる仕掛けになっています。
背筋が寒くなります。
どっちか片方だとこの仕掛けは読めません。絶対に2冊読むことがお勧めです。
来週こそ同時期を走りながらランスとは反対に人間性を捨てられず悲劇を迎えた「海賊」マルコ・パンターニについて書きます。
