ジャパニーズホラーが本気出してきたぞ!!家族の絆を軸にした切なくて怖い王道人形ホラーに鳥肌が止まらない!「ドールハウス」現在上映中【ホラー映画を毎日観るナレーター】(919日目)
「ドールハウス」(2025)
矢口史靖監督
◆あらすじ
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5歳の娘・芽衣を事故で亡くした鈴木佳恵と看護師の夫・忠彦。悲しみに暮れる日々を過ごしていた佳恵は、骨董市で芽衣に似たかわいらしい人形を見つけて購入し、我が子のように愛情を注ぐことで元気を取り戻していく。しかし佳恵と忠彦の間に新たな娘・真衣が生まれると、2人は人形に見向きもしなくなる。やがて、5歳に成長した真衣が人形と遊びはじめると、一家に奇妙な出来事が次々と起こるように。人形を手放そうとしたものの、捨てても供養に出してもなぜか戻ってきてしまう。佳恵と忠彦は専門家の助けを借りながら、人形に隠された秘密を解き明かしていくが……。(映画.comより引用)
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•予告動画と公式サイト
公式サイト
•この映画を一言で表すなら?
『娘を失った母親が我が子のように可愛がっていた人形はいつしか必要とされなくなる…そして主人公一家を恐怖に陥れる…』
という、家族の絆を軸にした王道の人形ホラーでありながらミステリー要素もある極上のジャパニーズホラーで現在絶賛公開中です。
タイトルにも書きましたが今年はジャパニーズホラーが本気出してきてますよ。先日視聴した「見える子ちゃん」も最高でしたが、今作も別ベクトルでめちゃめちゃ面白かったです!

ちなみに「見える子ちゃん」も現在絶賛公開中です。気になる方はこちらの記事も合わせてどうぞ!
•どんなお話?
不慮の事故で一人娘を亡くした鈴木夫妻。
母•佳恵は自身を責め続け、当然だが一年経っても心の傷は癒えない。
そんなある日、佳恵は導かれるかのように骨董市で見つけた日本人形を我が子のように可愛がるようになる。夫の忠彦も当初は戸惑いつつも全てを受け入れ、佳恵と人形との3人暮らしを送るようになる。

しかし、2人の間に本当の子供が生まれると自然と人形には見向きもしなくなり、クローゼットの奥へとしまわれることに。
そして娘が幼稚園に上がると、偶然かはたまた必然なのかあの人形を見つけ、“あや”と名付けて遊ぶように…

それからというもの鈴木家では奇妙な出来事が頻発するようになり、ついには人形を処分しようとするも何をしたって戻ってきてしまう。
佳恵と忠彦は娘を守るために専門家たちの力を借りながら、この人形に隠された恐ろしい秘密を解き明かしていく…
といったお話でございます。

•良かったところと気になったところ
人形系のホラー映画って「チャイルド•プレイ」シリーズや「パペット•マスター」シリーズよろしく、人形自身に魂が乗り移ったり自我を持つことで人々を恐怖に陥れるというのが基本的な形だと思います。
しかし今作はあくまでも人形は人形で、その人形に関係がある少女の霊があれこれするわけです。なもんで人形の目や手足が動くとか包丁を持って襲いかかるといった演出はありません。

恐怖演出的には子供の霊としてのものが主になってくるんですけども、これがまぁ絶妙に怖いんですよ。
ストーリー自体がミステリー要素が強めなので先の展開を予想できないこともあり、そういった恐怖ポイントも中々に予想がつきづらく、唐突に来ます。
奇をてらった変化球というよりかは王道のストレート主体の組み立てなんですけど、あらゆる角度から来る上にすかしてくることもあるのでホラー映画好きの皆様も楽しめるのではないでしょうか。

そもそもストーリーに無理がないうえに自然と次の展開に入り、どんどん大きくなっていくという映画として理想的な構成で、緩急が効いているので間延びせず、いわゆるフリの段階もずっと見ていられます。
ストーリーの序盤で主人公の佳恵は手に入れた日本人形を娘のように可愛がり、髪型を娘と同じようにし、娘と同じ服を着せます。
これも前段階で娘を失った悲しみを丁寧に描写しているので嘘がなく、そうなっちゃうのもわかるんですよ。それで当たり前のように食卓を囲み、人形の分まで食事を用意をしたりと、端から見たらヤバいけど当の本人は自覚が無いというのを見せるのがまぁ見事でした。

しかも佳恵役はあの長澤まさみさんなんですけども、その演技がもう圧巻でした。悲鳴や表情の落差が半端じゃなく、この作品の恐怖は彼女ありきといっても過言ではないほどに鳥肌立ちまくりでした。
鼻歌を口ずさみながら人形の髪型を整え、爪を切り、失った我が子そっくりになったその人形を抱きしめるその姿は母性そのものというか、本当に生きている子供を抱きしめているように見えるんですよ!
個人的には序盤のこのシーンが一番印象に残りました。

そして瀬戸康史さん演じる夫の忠彦はどちらかというと視聴者と同じ立ち位置で、序盤は佳恵の気持ちが分かるからこそ否定せずに人形と3人で買い物や旅行に行ったりと寄り添い続け、後半では佳恵と共に騒動を解決するためにアクションを起こし続ける非常に重要なポジションでした。
初めて人形を見た時に驚くシーンなんかはどこか滑稽で『恐怖と笑いは表裏一体』を体現しており、このシーンも良かったですね!ドリフのコントとか思い出しちゃいます。

また、今作のMVPと言ってもいいくらいに大活躍する呪禁師•神田役の田中哲司さんがこれまた最高なんですよ!
そのスーツ姿に見合わない仰々しい呪具の数々や、「なんて所で儀式やってんだよ!」とツッコミたくなるシーン等は私が愛してやまない「来る。」(’18)を彷彿とさせるようでテンションがバキバキに上がりました。
登場人物の見せ方も上手く、ストーリーへの絡め方も絶妙で、今野浩喜さんや品川徹さんもワンポイント起用ながら相当な存在感がありました。



最後の最後まで気が抜けず、終わり方も「リング」や「呪怨」など往年の名作ジャパニーズホラーへのリスペクトを感じさせつつも現代風にしっかりとアップデートされており、どの年代の方が見ても楽しめるホラー映画に仕上がっていると思います。言うまでもなくオススメです!

•監督はこんな人!
そんな今作で監督、脚本、原案を務められたのは“男子のシンクロナイズドスイミング”を題材とした青春コメディ映画の金字塔「ウォーターボーイズ」(’01)や田舎の落ちこぼれ女子高生たちがジャズバンドを結成するコメディ映画「スウィングガールズ」(’04)等、数々の名作を手掛けてきた日本が誇るクリエイター•矢口史靖氏です。

個人的に「ウォーターボーイズ」は好きすぎて何度も見返した作品ですし、三浦しをん氏原作の「WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜」(’14)もめちゃめちゃ大好きです。ちなみに大人気お笑いコンビ•マユリカの阪本さんは一番好きな映画を聞かれたら「WOOD JOB!」と答えているそうです。
どちらかというとコメディ系の作品のイメージが強い矢口氏ですが、実はドラマシリーズの「学校の怪談」のスペシャルでは数回に渡りエピソードを担当しているなど、実はホラーにも精通している御方です。

やはりどうすれば我々視聴者の心を掴めるか楽しめるかを熟知していらっしゃるので、「110分ってこんな短かったっけ?」と錯覚するほどにずっと面白かったです!
しっかり怖いのでホラーが苦手な方は絶対に怖いと思いますが、ストーリーがめちゃんこ面白いのでもしよかったら勇気を出して劇場まで足をお運びくださいませ!超絶オススメです!
余談ですが、今作はノベライズ化もしておりまして、著者はなんと怪談師としても有名な夜馬裕さんです。気になる方はこちらもぜひ!
•自分なりのまとめ
いやぁ今年の邦画ホラーは激アツですね!
先日視聴した「見える子ちゃん」も超絶面白かったですし、今作も王道ジャパニーズホラーの名作に数えられるであろう出色の出来でした。
公開されたばかりなのでネタバレは控えますが、後半にかけての畳み掛けは圧巻ですし、これぞジャパニーズホラーと叫びたくなるような終わり方も最高の一言です。ただ怖いだけでなく、ミステリー要素や思わず主人公たちに感情移入したくなる切なさもあり、大満足の一作です!

さらに8月には菅野美穂さん、赤楚衛二さん主演の「近畿地方のある場所について」も控えているわけですから、これは日本のホラー映画業界が本気を出したと言っても過言ではないでしょう!しかも監督はあの白石晃士氏ですから見る前から勝ち確ですよ!
今後も邦画ホラー産業から目が離せませんね!
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