【後編】マインドフルネスって結局なに?「気づく力」が人生を変えていく話|【整える習慣】
マインドフルネスってなに?───「気づく」が日常をどう変えるか
前の記事で、
瞑想とは「自分の心と体に気づくトレーニング」だと書きました。
【前編はこちらより👇】
そして、こんなたとえも使いました。
体は車。
心は運転手。
上手な運転手が運転すると、人生はぐっとラクになる。
今回はその続きです。
「じゃあ、その運転、どうやって上手くなるの?」
「気づくって、具体的にどういう感覚なの?」
───ここを、できるだけリアルに書いていきます。
そして、最近よく耳にする「マインドフルネス」という言葉が、何を指しているのかも、ここで腑に落ちると思います。
マインドフルネスは「心の実況中継ドローン」
いきなり結論から言いますね。
マインドフルネスとは、
自分の心の動きに気づきながら、
今この瞬間にいる状態のこと。
瞑想が「練習」だとしたら、
マインドフルネスは、
その練習で育った「気づいている状態」そのものです。
ちょっとイメージしてみてください。
自分の頭の上に、
小さなドローンが浮かんでいる。
そのドローンが、
自分の心の中で起きていることを、ただ淡々と中継している。
「あ、今イラッとした」
「お、相手の言葉に反応した」
「あー、また同じこと考えてる」
───こういう感じで、自分の心を外から眺めているような感覚。
これがマインドフルネスです。
評価しない。
否定しない。
直そうとしない。
ただ、見ている。
たったこれだけのことなんですが、
この「眺めている自分」がいるかいないかで、
日常の感じ方がまるごと変わってきます。
前編の「刺激→反応→エネルギー→出口」を思い出してほしい
前の記事で、心が乱れる仕組みをこう書きました。
目・耳・鼻・口・肌から刺激が入ってくる
心が反応する
反応がエネルギーとして溜まる
エネルギーが出口を探す
強い言葉や行動になって表に出る
ここで質問です。
この5つの流れの中で、マインドフルネスが効くのは、どこだと思いますか?
───答えは、1と2の間です。
刺激が入ってきた瞬間、
自動的に「嫌だ」「ムカつく」と反応が生まれる。
普段、私たちはこの反応に気づかないまま4・5まで一気にいってしまう。
マインドフルネスは、ここに小さな間(ま)を入れる練習なんです。
「あ、今、嫌な気持ちが生まれた」
───この一瞬の気づきが、3・4・5の暴走を止めてくれる。
「間(ま)」って、体感的にはどんな感じ?
ここ、抽象的になりがちなので、できるだけリアルに書きます。
たとえば、誰かにイラッとする一言を言われた瞬間。
マインドフルネスがない時の体感はこう。
胸がカッと熱くなる。
気づいたら口が開いて、言葉が出ている。
言い終わってから、「あ、言いすぎた」と気づく。
つまり、
自分の意思が入る隙間がない。
熱さと言葉が、ほぼ同時。
マインドフルネスが少し育ってきた時の体感は、こう変わります。
胸がカッと熱くなる。 (ここまでは同じ)
↓
「あ、今、胸が熱くなってる」と気づく。
↓
口を開きそうになっている自分にも気づく。
↓
ここで、ほんの0.5秒、止まる感覚がある。
↓
「言うか、言わないか」が選べる。
この0.5秒の止まる感覚が、間(ま)の正体です。
何か特別な悟りの境地ではありません。
身体的には、「あ、今止まれた」という小さな実感。
ほんとうにそれだけ。
でも、
この0.5秒があるかないかで、その日の人間関係が変わるんです。
「気づく」って、どこで気づくの?
もう一つ、
初心者がつまずきやすいところを書いておきます。
「気づくって言われても、何をどう気づけばいいの?」
ここ、難しく考えなくて大丈夫です。
気づきの入口は、いつも体にあります。
胸が熱くなった
肩に力が入った
呼吸が浅くなった
お腹がぎゅっと締まった
顔がこわばった
感情が動くと、必ず体に何かが起きています。
そして、頭で起きていることより、
体で起きていることのほうが、ずっと気づきやすい。
たとえば、「私は今、不安だ」と気づくのは難しい。
でも、「あ、なんか胸のあたりがざわざわしてる」と気づくのは、わりと簡単。
そして、
この体のざわざわに気づいた瞬間に、
すでに「気づきモード」に入っています。
マインドフルネスは、頭ではなく、体から入る。
これが、初心者にとって一番大事なコツです。
続けるとどうなるか───日常の体感が、こう変わる
ここからは、
マインドフルネスが日常に染み込んできた時の、
リアルな体感の変化を書きます。
1. 「気づく量」が増える
最初に来るのは、穏やかさじゃありません。
むしろ、今まで見えていなかった自分のざわつきが、見えてくる。
「私、こんなにイライラしてたんだ」
「思ったより頭の中、うるさいな」
「呼吸、こんなに浅かったんだ」
これは、後退じゃなくて前進です。
見えなければ、扱えない。
見えてから、初めて変えていける。
2. 反応と行動の間に、隙間が生まれる
さっきの0.5秒の話です。
カッとなる→言い返す、が一直線だったのが、
カッとなる
→「あ、反応してる」
→一呼吸
→どう返すか選ぶ
になっていく。
怒りはなくなりません。
でも、怒りに支配されないようになっていく。
これは大きな違いです。
3. 人間関係が、じわじわ楽になる
人間関係って、「何を思ったか」より、
「反射的に何を出したか」で崩れます。
マインドフルネスが育つと、
相手の言動を見る前に、
まず自分の中で何が起きているかを見られるようになる。
「今、自分は傷ついている」
「今、自分は責められたと感じてる」
「今、自分は相手を敵だと思い始めてる」
これに気づけると、
相手の問題と、自分の反応を分けて見られる。
すると、
感情のままぶつからなくなる。
誤解でこじれることが減る。
劇的にではなく、じわじわと、衝突が減っていく感じです。
4. 仕事の「内側のノイズ」が減る
仕事で人を消耗させているのは、
業務量だけじゃありません。
焦りで確認が雑になる
一つの指摘をずっと引きずる
まだ起きていないことを心配する
頭の中が散らかって、目の前に集中できない
こういう内側のノイズが、
エネルギーをガッツリ奪っています。
マインドフルネスが育つと、
「あ、今焦ってるから雑になりそう」と早めに気づける。
気づければ、立て直せる。
急に能力が上がるんじゃなくて、
能力を食い潰していたノイズが減る。
結果、判断が安定して、ミスが減って、崩れても早く戻れる。
5. 自分の「クセ」が見えてくる
ここが、一番深い変化です。
続けていくと、単発の感情だけじゃなく、
自分がどういうパターンで苦しくなりやすいかが見えてくる。
「私、否定にとても弱いな」
「不安になると、結論を急いじゃうな」
「疲れてくると、攻撃的になるな」
「"ちゃんとしなきゃ"で、自分を追い詰めるな」
これが見えると、
「また同じことで苦しんでる」の繰り返しが、減っていく。
今まで「相手のせい」「環境のせい」としか見えてなかったことの中に、
自分の反応のクセがあったとわかる。
それが見えて、初めて扱えるようになります。
結局、一番大きな変化はなにか
ひとことで言うと、
自分を見失いにくくなる。
外側で何が起きても、
自分の中で何が起きているかが見える。
見えるから、飲み込まれない。
飲み込まれないから、選べる。
選べるから、崩れても戻れる。
「動じない自分」
「常に穏やかな自分」を目指すんじゃない。
揺れていい。
怒っていい。
不安でいい。
ただ、その自分に気づいていられること。
これが、マインドフルネスがくれる、本当の強さです。
ここで整理:瞑想とマインドフルネス、何が違うの?
ここまで読んで、「で、結局この2つの違いって何?」と思った方もいるかもしれません。
最後にここをはっきりさせておきます。
ざっくり言うと、こうです。
瞑想 = 気づく力を鍛える「練習」
マインドフルネス = その気づきが働いている「状態」
筋トレとスポーツの関係に似ています。
筋トレ(瞑想)でつけた筋力が、
サッカーや野球などの実戦(日常)で発揮される
───その実戦中の状態がマインドフルネス、というイメージです。
もう少し具体的に並べてみます。
瞑想
時間と場所を決めて、座って行う
呼吸に意識を向ける、体の感覚を観察する、など
朝5分、寝る前10分、など、形のある「練習」
いわば、ジムでの筋トレ
マインドフルネス
日常の中で、ふと自分に気づく状態
仕事中、会話中、歩いている時、ご飯を食べている時にも起きる
形がない。「今、自分はこうなっている」と見えていること
いわば、その筋力が日常で発揮されている状態
つまり、
瞑想という「練習」を通じて、
マインドフルネスという「気づきの状態」が日常の中に広がっていく。
───という関係です。
ちなみに、
マインドフルネスは座って呼吸に集中するときにも起きるので、「マインドフルネス瞑想」という言い方もよくされます。
重なる部分も多いので、最初は厳密に区別しなくて大丈夫です。
大事なのは、
練習があるから、日常で気づける。
日常で気づけるから、人生が変わっていく。
この流れだけ覚えておいてください。
まとめ:人生のハンドルを、自分の手に戻していく
2本の記事を通して伝えたかったことは、こういうことです。
瞑想は「自分に気づくトレーニング」
マインドフルネスは、その気づきが日常で働いている「状態」
体は車、心は運転手。気づく力がつくと、運転が上手くなる
上手くなると、刺激と反応の間に「0.5秒の間」が生まれる
その0.5秒が、人間関係も、仕事も、自分との関係も変えていく
これは、心を静かにする技術じゃありません。
出来事に振り回される人生から、出来事にどう向き合うかを自分で選べる人生へ。
そのための、地味だけど確かな練習です。
読んでくれてありがとうございました。
「ちょっとやってみようかな」と思った方へ。
まずは1日5分だけ、座って、呼吸に意識を向けてみてください。 うまくできなくていいです。
雑念が浮かんでも、「あ、浮かんだな」と気づいて、また呼吸に戻す。
その繰り返しが、もう練習になっています。
そして、日常の中でふと、
「あ、今、胸が熱くなってる」
「あ、今、肩に力が入ってる」
と気づけたら、それがマインドフルネスです。
特別な状態じゃない。
あなたの体と心の中に、もうあるものなんです。
最後に、少しだけ。
この分野には、私自身、長い時間とお金をかけて学んできました。
本も、講座も、実践も、それなりに重ねてきたつもりです。
その中で「これは、最初に知っておけたらきっと違ったな」と感じたことを、できるだけわかりやすい言葉で書きました。
少しでも、誰かの「最初の一歩」が軽くなりますように。
もし「自分の心の動きを、もう少し言葉にできるようになりたい」と感じた方は、こちらの記事もよかったら覗いてみてください。
→『「言語化」を始める人のための、最初のノート』👇👇👇
ひとりで、自分の声をすくい上げるための具体的な3つのワークをまとめています。
▶ 「自分の能力と感性を、仕事にしてみたい」方へ
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