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【XG THE CORE 考察 #7】ORB | なぜこの曲はロックおじさんの心に刺さるのか? “Bro”に込められた仲間と反抗のアンセム

※見出し画像は、アマンさん(@amanvenom16)が撮影・制作されたYouTube動画のサムネイルを、ご本人の許可を得て使用しています。[元動画はこちら

🌏 Welcome, Global ALPHAZ! This article is gradually becoming available in English via note's auto-translation feature. Stay tuned and enjoy this deep dive into XG's universe! 🛸

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XGの1stアルバム『THE CORE』の8曲目に収録され、海から浮上したXGが「海辺のストリート」で鳴らすワイルドなポップパンク・ナンバー"O.R.B (Obviously Reads Bro)"。

長年ロックを中心に聴いてきた50代のゴリゴリのロックリスナーである僕が、ポップグループの歌うロックへのハードルを一瞬で越え、激しく魅了されてしまった理由を言語化しました。

タイトルを逆読したときに浮かび上がる「天体(地球)と兄弟」に隠されたメッセージから、リリックに仕込まれた「11種類のBroスラング」の徹底比較、そしてFワードを恐れず放つ剥き出しのパンク精神まで。

オールドリスナーには懐かしく、若いファンには新しい、ロックスタイルのX-POPの『核』を徹底的に深読み・解説します。

長いので気になるところだけを飛ばし読みしていただいて大丈夫です。


概要とタイトル

アルバム内の流れで言うと、1曲目”XIGNAL"で地球に到来したXGは、6曲目"HYPNOTIZE"で深海から地球のコアを覗き、7曲目"UP NOW"で海から浮上して来ました。
この曲の舞台は海辺のストリートです。

タイトルの"Obviously Reads Bro”は、直訳すると「明らかに兄弟と読む」です。
"Bro"は"Brother"の略で、もともとは親しい男性同士が「兄弟、仲間」という意味で呼び合う言葉だったのですが、最近は女性同士でも使うようになってきています。

そして、"ORB"は「オーブ」とも読め「球体、天体」を意味します。
このアルバムの文脈で球体の天体と言えば地球です。

つまりタイトルを日本語訳すると「地球(明らかに兄弟と読む)」です。
XGは、地球の我々つまりリスナーを「兄弟、仲間」と呼ぶ、という意味になります。

この曲は、10代の青春を描きながら、その裏では我々リスナーに対して語りかけ、エンパワーしています。

なお、タイトルの"O.R.B"は逆に読むと”BRO"です。
この曲は”BRO"がキーワードです。

歌詞の和訳と解説

Verse 1

[Harvey]
Bummed out
落ち込んで
feelin' low
気分が沈んでいる
School's out?
学校は終わった?
Not even close
まだ終わらない
Caught up
忙しくて
I gotta go
もう行かなきゃ
You're the one that I'll be callin' when I need a bro
仲間が欲しいときに電話する相手は君だけだよ

[Cocona]
What's up though?
それで、調子どう?
I tell my girls, "What's up, bro?"
女友達に「どうしたんだ、兄弟?」って声をかける
I'm on my way, my bruh, bruh
今そっちに向かってる、兄弟
I'm walkin' up the front door
もう玄関まで来てる
And brody brought the boombox
そして仲間がブームボックスを持ってきた
the music's so explosive
音楽が爆発しそうなレベル
About to tear the roof off
屋根が吹き飛ぶ寸前
and I'm wildin' with my broseph
そして私は仲間と大騒ぎしてる

Verse 1

Harveyパートで「学校」が出てくるので、10代世代のコミュニティと感性が舞台となっています。
思春期の青春ソングです。

Coconaパートの「ブームボックス」は、大音量・高音質のポータブルスピーカーです。
もともとは1980年代の大型のラジカセを指していましたが、現在はBluetoothスピーカーになっています。
リリックでは、ブームボックスが、屋根が吹き飛びそうなほど大音量で鳴っています。

同じVerse内に歌唱とラップが同居しています。
移行があまりにスムーズなので気付きにくいですが、ちょっと珍しいスタイルです。
X-POPにおいては歌唱とラップの扱いがシームレスです。

それにしてもHarvey入りですよ!
ロックなイントロからはMayaかCoconaで来ると思うじゃないですか?
そしたらHarveyですよ!
しかもビートにばっちり合ってます。

Harveyの声はキュートでちょっと幼さを感じるのですが、ここでは荒々しくシャウトしてます。
全然上手く歌おうとなんてしてない。
ティーンコミュニティの幼いワイルドさが完璧に表現されています。

もうこの段階で僕のこの曲に対する評価はS+です。
素晴らしいプロダクションです。

Pre-Chorus

[Hinata]
Let's shake up every corner of the town
街の隅々まで思いっきり揺らそう
'Til the middle of the night like it doesn't even matter
真夜中まで、何も気にしてないみたいに

Pre-Chorus

Chorus

[Jurin]
We skipping out of class
授業をサボって
a hundred on the dash
160kmで爆走
The parties that we crash
私たちが乱入するパーティー
if you don't like it, fuck you
気に入らないなら、くたばっちまえ

[Chisa]
I'm hangin' with the bros
仲間たちと遊んでる
this is all we know
これが私たちの知っている全て
We livin' by the code
私たちは掟に従って生きている
if you don't like it, fuck you
気に入らないなら、くたばっちまえ

[Juria]
Broski from the day I met you
君に初めて会った日からずっと仲間
you were there for me
いつもそばにいてくれた
Ever find another 'cause you're my only
代わりなんて見つからない、君は唯一の存在だから
If you ever need me when you feel lonely
もし君が、寂しいと感じた時に私が必要なら
You can count on me, yeah
私を頼りにして、そう

Chorus

"dash"は車のダッシュボード、つまりスピードメーターです。
"a hundred"(100)は多分マイル表示なので約160kmです。

「仲間たちと遊んでる、これが私たちの知っている全て」は、「リスナーと盛り上がる、これが私たちの知っている全て」とも取れます。

これまでの曲で語られてきた「XGとリスナーの絆」が、力強く、ワイルドに、アンセミックに歌われています。

Verse 2

[Jurin]
Yeah, I'm breakin' all the glass
そう、ガラスを全部破って
I'm skatin' through the halls
廊下をスケートで駆け抜ける
I'm speedin' through it fast
猛スピードで走る
then smashin' through the walls
壁を突き破るくらい
I'm with the brosquad
私は仲間の部隊と一緒
on a boat like there's no laws
法律が無いかのようにボートの上
Doin' donuts and shootin' Super Soakers at the coast guard
沿岸警備隊を挑発して水鉄砲を撃ってる

[Maya]
My brothers from another mother
血は繋がってないけど兄弟
I love 'em, we done it all
愛してるし、全てを共に経験した
Holdin' up the bro code
仲間の掟を守ってる
it's all we know, so no wonder brah
その生き方しか知らない、だから当然
Find strength in broheim
仲間からパワーをもらう
that's the way I was brought up
そうやって育ってきたの
It's a new world, that's why
今は新しい時代だから
I'm callin' you girls my braddahs
君たち女の子のことも「兄弟」って呼ぶ

Verse 2

ボートで公海まで出てしまえば法律は通用しません。
「法律が無いかのようにボートの上」は、公海にまでは出ていないけれど「そんなの関係ないぜ」ってことです。

「沿岸警備隊を挑発して水鉄砲を撃ってる」の"donuts"はボートがグルグル回る様、"Super Soaker"は水鉄砲なので、ボートで旋回しながら沿岸警備隊に水鉄砲を撃って挑発している様が目に浮かびます。

「今は新しい時代だから」は、常識にとらわれない若いエネルギーを表すとともに、XGの姿勢を表しています。
10曲目"PS118"でも、Coconaが「境界も限界も、全部壊していく」とラップしています。

Pre-Chorus

[Chisa]
Let's wake up everybody in the town
街のみんなを起こそう
In the middle of the night like it doesn't even matter
真夜中に、何も気にしてないみたいに

Pre-Chorus

Chorus

[Harvey]
We skipping out of class
授業をサボって
a hundred on the dash
160kmで爆走
The parties that we crash
私たちが乱入するパーティー
if you don't like it, fuck you
気に入らないなら、くたばっちまえ

[Cocona]
I'm hangin' with the bros
仲間たちと遊んでる
this is all we know
これが私たちの知っている全て
We livin' by the code
私たちは掟に従って生きている
if you don't like it, fuck you
気に入らないなら、くたばっちまえ

[Hinata]
Broski from the day I met you
君に初めて会った日からずっと仲間
you were there for me
いつもそばにいてくれた
Never find another 'cause you're my only
代わりなんて決して見つからない、君は唯一の存在
If you ever need me when you feel lonely
もし君が、寂しいと感じた時に私が必要なら
You can count on me, yeah
私を頼りにして、そう

[Juria]
We skipping out of class
授業をサボって
a hundred on the dash
160kmで爆走
The parties that we crash
私たちが乱入するパーティー
if you don't like it, fuck you
気に入らないなら、くたばっちまえ

[Maya]
I'm hangin' with the bros
仲間たちと遊んでる
this is all we know
これが私たちの知っている全て
We livin' by the code
私たちは掟に従って生きている
if you don't like it, fuck you
気に入らないなら、くたばっちまえ

Chorus

Outro

Bruv, love, bruv, love
兄弟、愛、兄弟、愛
Bruv, love, bruv
兄弟、愛、兄弟
Bruv, love, bruv, love
兄弟、愛、兄弟、愛
Bruv, love, bruv
兄弟、愛、兄弟

Outro

歌詞全体について

リリックは、法律やルールに縛られない10代のエネルギーを描いています。

ワイルドでアンセミックな、1990年代ポップパンクを思わせる感じです。
仲間との紐帯を重んじ、リスナーにベクトルが向いているところが、現代風だしXGらしい感じです。

このリリックのキモは、"Bro"のいろいろなスラング表現です。

"broseph"とか"brosquad"とか、"Brother"のさまざまなスラング表現が使われます。
このローカルコミュニティでだけ通用しそうなスラングが、「仲間の掟」に象徴される、閉じたティーンコミュニティの仲間意識を強調しています。

この曲のスラングの使い方からふと頭に浮かんだのは、スタンリー・キューブリック監督の「時計仕掛けのオレンジ」(1971)でした。

この映画に登場する不良少年達(ドルーグ)は「ナッドサット語」と呼ばれるローカルスラングを使い、そのスラングを使うこと自体が仲間の証明であるかの様に描かれています。

もちろん文脈は違います。
"O.R.B"はエンパワーメント、「時計仕掛けのオレンジ」はディストピアです。
仲間の掟(Bro Code)と言う点で似ているなと感じてしまいました。

脱線でした、スミマセン。

そして歌詞にはなんとFワードが出ました。
いいですねぇ。
お行儀の良い層からの批判を、恐れるどころか跳ね返す、ワイルドなエネルギーを感じます。
パンクロックを歌うならこのくらいのマインドでないといけません。
こういう姿勢こそリスナーへのエンパワーメントに通じると、僕は思います。

おまけ(11種類の"Bro")

この曲にはなんと11種類もの"brother"のスラングが使われています。
その11種類のスラングを分類解説してみました。
こういうのを知ってまた曲を聴くと、曲の細かいニュアンスがわかって面白いです。

《日常的に使われる「仲間」》
brothers
元々は血縁関係や、アフリカ系アメリカ人のコミュニティなどで、強い絆を表す言葉としても使われてきました。単なる友達を超えた「固い絆で結ばれた仲間」「真の兄弟」という深い信頼感を含みます。
bro
1960年代から使われる、最も標準的な "brother" の短縮形。親しい男友達への「よぉ」「お前」にあたる万能表現。現在は男女問わず親しい友人に使われます。
bros
"bro" の複数形。「男友達のグループ」「いつものメンバー」を指します。男同士のノリを強調する響きがあります。

《日常的に使われる「仲間」》

《ポップ・変形系》
Broski (Broshky)
ロシア語やポーランド語の人名の語尾(-ski)をジョークで付けたもの。
非常にカジュアルで、ちょっとお調子者っぽいニュアンス。「相棒」「マイメン」といった軽いノリです。
broseph
男性名「ジョセフ(Joseph)」と「bro」を掛け合わせた造語。少し古風、またはわざと大げさに親しみを込めて「よぉ、大将!」と呼ぶようなおふざけ感があります。
brody / broheim
人名やドイツ語風の語尾を模した変形。"broseph" と同様に、親しい仲間内でユーモアを交えて呼び合うときに使われます。日常での使用頻度は低めです。
brosquad
"bro" と集団を意味する "squad"(スクワッド)の合成語。個人の呼びかけではなく、「いつもの男の仲良しグループ」「俺たちのチーム」という集団を指します。

《ポップ・変形系》

《地域・文化特有系》
bruv
イギリス、特にロンドン周辺のストリート文化でよく聞かれる「相棒」。アメリカの “bro” と近いですが、強い英国ストリートカルチャーの響きがあります。
brah
ハワイやカリフォルニアのサーファー・スケーター文化で発展。リラックスした、チルな雰囲気の「よぉ」。海やストリートのカルチャーを好む人がよく使います。
braddahs
ハワイ特有のピジンイングリッシュ(現地の方言)。ハワイ現地での「兄弟たち」「地元の仲間」。アロハ精神の詰まった、非常に温かみと連帯感のある表現です。

《地域・文化特有系》

《感嘆詞》
bruh
AAVE(アフリカ系アメリカ人英語)の文脈とも関わりながら、ネットミームとして広まった表現。相手を呼ぶ言葉ではなく、「はぁ?」「おいおい…」「マジかよ」という呆れ、失望、驚きを表す感嘆詞です。相手がバカなことをした時に、頭を抱えながら「bruh...」と呟くように使います。

《感嘆詞》

よくもまぁこんな多様な言い方があるもんだと感心します。
って、「私」を表す言葉だけで100種類以上ある国の人間が言うことではないですね。

参考

この曲に関しては特に、ShotGunDandyさんの解説動画を見た方が良いと思います。
SGDさんの解説動画を見ると、実はこの曲のキモは、"Bro"のいろいろなスラング表現なんだとわかります。
この曲の楽しみ方が一段深まります。
また、引用元と思われるポップパンク/オルタナティブロックの名曲にも多数触れています。
僕も「そうそう、それな!」と楽しんで見ました。

サウンドとプロダクション

プロデュースはJAKOPS、Chancellor。
作詞はJAKOPS、Chancellor、Jaeyoung、Lyricks。
作曲はJAKOPS、Chancellor、Jaeyoung、Lyricks 、Lukas Costas、Rence、Alex Schwoebel、Zak Dossi、Tristan Kevitch、Xansei、Kwonです。

曲調は、1990年代のポップパンク、オルタナティブロック、といった感じです。
ギター以外は電子楽器です。
このサウンドでVerseがラップというのは珍しい。

この曲もまた、オールドリスナーには懐かしさを、若いリスナーには新しさを感じる作りです。

イントロのギターを聴いた時、僕はまず"SUM41"と”blink 182"が思い浮かびました。
そして、ボーカルが始まったらアヴリル・ラヴィーン感も出てきました。

多くのオールドリスナーは、僕の様に何かしらこの頃の音楽を思い浮かべたと思います。
そのくらい既視感がある曲調です。

ポップでパンクで前向きなエネルギーを持つロックアンセムです。
ズルいわぁ、こんなんみんな好きでしょう!
ライブ会場全員で「ふぁっきゅ~」したいでしょう!

この曲について、メンバーのコメントをいくつか拾ってみました。

この曲は、私たちが心の奥底にある思いを掘り下げて表現したかった曲です。
私たちにとって「bro」という言葉は、「友達」であると同時に「居場所」でもあります。
夜通し笑い合える仲間、衝動的に行動できる仲間、そしていつも支えてくれると信頼できる仲間。
この曲は、私たちの絆を正直に表現したもので、人生で大切な友達に捧げるラブレターのようなものです。
この曲を通して、私たちの心の奥底にある思いが皆さんにも伝われば嬉しいです。

Harvey

これは私たちが初めて作ったパンクロックソングだけど、ずっとやりたかったことなんです。

Hinata

「ORB」は私たちの絆を歌った曲です。
私たちの代表曲みたいなもの。
XGのテーマソングみたいなものかな。

Jurin

この曲は、ロックとはまた別の新しい物です、ロックスタイルのX-POPです。
素晴らしいと思います、ロックおじさんも大好きです。

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございます。
大変お疲れさまでした。

この『THE CORE』考察シリーズでは、アルバムを1曲ずつ深掘りしています。

続きはこちらです。

シリーズ全体はこちらから読めます。

#orb

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