【XG THE CORE 考察 #3】TAKE MY BREATH | 「Don’t waste my… oxygen」に隠された、息を奪うライムの職人技
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XGの1stアルバム『THE CORE』の4曲目に収録され、メンバーのCocona自身も「一番のお気に入り」と公言するレトロ・ディスコチューン"TAKE MY BREATH"。
軽快なサウンドの裏側を覗くと、そこには音楽オタクを唸らせるギミックが満載でした。
映画『トップガン』を用いた緻密な言葉遊びから、ラッパーを跨いで成立する高度な隠しライミングまで。
日本の音楽オタク視点で、曲の解像度が数倍跳ね上がる徹底解説をお届けします。
長いので、気になるところだけを流し読みしていただいても大丈夫です。
"TAKE MY BREATH"は直訳すると「私の息を奪って」ですが、「私をハッとさせて」「私を夢中にさせて」という意味も持ちます。
また、本曲のタイトルはベルリン(バンド)の”Take My Breath Away"(1986)へのオマージュでもあります。
introの逆再生シンセに水感があります。
前曲”ROCK THE BOAT"の舞台は船上でしたが、この曲のサウンドには、タイトルの"TAKE MY BREATH"と合わせて水面の感じがあります。
この曲はアルバムの4曲目です。
6曲目の"HYPNOTIZE"に向けて徐々に海の中に入っていってるように思います。
"HYPNOTIZE"の舞台は深海です。
歌詞の和訳と解説
僕の解釈では、この曲は二重構造になってます。
主人公から好意を抱く相手に対する想いと、XGからリスナーに対する想い、です。
ここを押さえておくと、リリックの理解がぐっと深くなります。
Verse 1
[Chisa]
My fever's high, like summer nights
私の熱が高い、夏の夜のように
All the faces in the light
光の中のすべての顔
[Juria]
My sun don't shine, without you, I would be lost
私の太陽は輝かない、あなたなしでは、私は迷ってしまう
But now that I found you, mind you
でも今、あなたを見つけたから、覚えておいて
「光の中のすべての顔」はライブステージから見た観客を思わせます。
好意を抱く相手に対してであれば、好意により「熱が高い」し、あなたなしでは「私の太陽は輝」きません。
リスナーに対してでは、「熱が高い」のはライブ前の高ぶりだし、リスナーがいてくれてこそXGの「太陽は輝」きます。
Refrain
[Maya]
If you want it, come and take it
欲しいなら、奪いに来て
I'll share my secret, I know you'll like it
私の秘密をシェアしてあげる、きっと気に入る
[Jurin]
You should hurry, don't keep me waiting
急いだほうがいい、待たせないで
You got me out my mind, in the twilight, yeah
あなたは私をおかしくさせる、夕暮れの中で、そう
「欲しいなら奪いに来て、私の秘密をシェアしてあげる、きっと気に入る」は、そのままの意味と、リスナーに対し「ライブに来て」という意味です。「待たせないで、あなたは私をおかしくさせる」も同様です。
"in the twilight"(夕暮れの中で)からは、アメリカのTV番組"The Twilight Zone"(1959)を連想します。
"The Twilight Zone"は不思議な物語のアンソロジー・シリーズです。
日本でも放映されたので、高校の時に見たのを覚えています。
この"The Twilight Zone"のテーマ曲が、次のPre-Chorusで出てくる「チクタク」みたいな音です。
Refrainの最後のラインはおそらく、「トワイライト・ゾーン(おかしな話)みたいにおかしくさせる」という言葉遊びです。
Pre-Chorus
[Hinata]
Tick and tock, I'm running out of patience
チクタク、我慢の限界
Round the clock, don't stop before we're out of time
24時間、時間切れになる前に止まらないで
[Harvey]
We're out of line
私たちは一線を越えて
[Hinata]
we're on a vibe
バイブスに乗ってる
[Harvey]
Feel so alive-live
生きているって感じ
"Round the clock"(24時間)は「チクタク」とひっかけて使われていますが、ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツの"Rock Around The Clock"(1955)へのオマージュと思われます。
この曲は「今夜は24時間ロックするぜ」というゴキゲンなパーティチューンです。
Pre-Chorusの歌詞は、好意を抱く相手に対しであれば「24時間楽しく過ごそう」だし、リスナーに向けては「ライブで24時間盛り上がろう」です。
"The Twilight Zone"→「チクタク」→"Rock Around The Clock"と1950年代の引用が繋がっています。
"don't stop before we're out of time"(時間切れになる前に止まらないで)でも何か隠れていそうです、センテンスに違和感があります。
もしかしてザ・ウィークエンドの"Out of Time"かな?
となると、この曲にはザ・ウィークエンドの名曲2曲("Take My Breath"(2022)と"Out of Time"(2022))が隠れている、のかもしれません。
"Feel so alive"の後に"live"が加えられています。
これは「生きている感じ」を強調するとともに、「ライブの時こそ生きている感じ」という言葉遊びです。
Pre-ChorusのHinataの透明感のある声が良いですね~。
ブレス多めだけどやりすぎない、エモいけどシャクりすぎない、絶妙なトーンにゾクゾクします。
Chorus
[Chisa]
So take my breath away
だから私を夢中にさせて
Come take my breath
さあ、息をのむほど
Take my breath away
私を夢中にさせて
[Maya]
Come takе my breath
さあ、息をのむほど
Just take my breath away
ただ私を夢中にさせて
[Chisa, Maya]
Take my breath
息をのむほど
Take my breath away
私を夢中にさせて
[Maya]
I can't believe it
信じられない
[All]
Way that we breathin', got my heartbeat beatin' like
私たちの呼吸の仕方、私の心臓の鼓動がまるで
Chorus~Post-Chorusでは、好意を抱く相手への切ない想いと、ライブの歓喜が交錯します。
Post-Chorus
[Juria, All]
Breathe in, breathe out
息を吸って、息を吐いて
We can't stop, oh, na-na-na
止められない、オー、ナ-ナ-ナ
Skip that talk, blah-blah-blah-blah
しゃべるのはやめて、ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ
I just can't hide, I love this feeling
隠せない、この感覚が好き
[Hinata, All]
Breathe in, breathe out
息を吸って、息を吐いて
We can't stop, oh, na-na-na
止められない、オー、ナ-ナ-ナ
Skip that talk, blah-blah-blah-blah
しゃべるのはやめて、ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ
Come take my breath away
さあ私を夢中にさせて
Verse 2
[Cocona]
Let me catch a breath for this verse right now
息を整えさせて、このヴァースに入る前に
And I'll catch a jet to Berlin right now
そして今すぐベルリン行きのジェットに乗る
Like a maverick, I gotta Cruise like Tom
一匹狼の様に、トムみたいに巡行しなきゃ
Are you really with it? Don't waste my
わかってる?私の(時間)を無駄にしないで
[Jurin]
Come and be my oxygen
私の酸素になりに来て
Mach 3 speedin' over continents
マッハ3の速さで大陸を越える
T minus somethin' that's approximate
発射前のおおよそのカウントダウン
Pursue you as a target
あなたを標的として追跡する
I'm boxing in and I'm lockin' in
追い詰めて、本気になる
Chorus~Post-Chorusでは「息を奪って」と言いながらテンションを上げてきましたが、Verse 2ではCoconaが「息を整えさせて」とシフトダウンします。
この曲では、常に「呼吸」のモチーフが用いられます。
「ヴァースに入る前に息を整えさせて」とは、「ここからが凄いからしっかり聞いて」ということです。
Coconaパートは、映画”Top Gun"を使った言葉遊びです。
この曲のタイトル"TAKE MY BREATH"と歌詞の"jet to Berlin"(ベルリン行きのジェット)は、ベルリン(バンド)の"Take My Breath Away"(1986)へのオマージュです。
ベルリン(バンド)の"Take My Breath Away"は、トム・クルーズ主演の映画”『トップガン』の挿入歌です。
"Cruise like Tom"はトム・クルーズを指しています。
映画”Top Gun"では、トム・クルーズ演じる主人公「ピート・ミッチェル」のコールサイン(戦闘機パイロットの呼び出し符号)が"maverick"(マーヴェリック)です。
”TAKE MY BREATH"(タイトル)&”Berlin"(歌詞)→"Take My Breath Away"→”『トップガン』トム・クルーズ→マーヴェリックと、言葉遊びが繋がっています。
タイトルまで含めての伏線回収です。
言葉遊びの連鎖と密度が凄い。
Chisaはインタビューで「映画『トップガン』が、私たちのラップの歌詞にインスピレーションを与えてくれました」と語っています。
XGの7人が、制作過程から楽曲やリリックに関わっていることが想像できます。
Coconaパートの最後の行"Don't waste my (time)"では、"time"が省略されています。
これは、「あえてライミングを省略して想像させる」という高等テクニックです。
ライムとは「2行セットで脚韻を踏む(お尻の音を合わせる)」ことで、ラップでは必ずと言っていいほど守られるルールです。
前の行の最後は"Tom"です。
するとリスナーは"Don't waste my”の後に、"Tom"に似た音で文脈に合う単語である"time"を、無意識に当てはめてしまうというわけです。
粋な高等テクニックですね~。
さらにもう1つあります。
ちょっと複雑なので、関係ラインを一度並べますね。
[Cocona]の最後のライン
Are you really with it? Don't waste my (?)
わかってる?私の(時間)を無駄にしないで
[Jurin]の最初のライン
Come and be my oxygen
私の酸素になりに来て
これを普段からHIPHOPを聞きなれたリスナーが聴いた場合、ライミング(2行セットでの脚韻)に慣れたリスナーは、"Don't waste my (?)"の(?)に"oxygen"を後付けであてはめてしまいます。
すると、"Don't waste my oxygen"(私の酸素を無駄にしないで)という新しいセンテンスになります。
ラッパーをまたいでの離れ業です。
素晴らしい!
Jurinパートの「私の酸素になりに来て」は、「私が生きるために必須な存在になって」という意味です。
「呼吸」にかけながら、恋する相手またはリスナーに向けて言っています。
Jurinのカリスマ声で言われると、僕なら喜んで従っちゃいます。
「マッハ3の速さで大陸を越える」は、Coconaの「ジェットに乗る」を引き継ぎつつ、『トップガン』の戦闘機を思わせる言葉遊びになっています。
前のラッパーのリリックを活用するのは、マイクリレー時の暗黙のマナーです。
ちなみに、旅客機ではコンコルドのマッハ 2が最高速度で、マッハ3となると戦闘機のスピードとしてもトップクラスです。
マッハ3クラスなんて、旋回能力を犠牲にして速度特化したMiG-25ぐらいじゃないかしら。
アフターバーナーを連続使用すると、負荷が高すぎてエンジン壊れるやつ。
1976年の、ソ連のベレンコ中尉亡命事件で函館に乗ってきたやつ。
...スミマセン、戦闘機オタクの脱線でした。
「発射前のカウントダウン」「あなたを標的として追跡する」「追い詰めて本気になる」は、恋する相手またはリスナーに向けての想いを、戦闘機の比喩で表現しています。
Refrain
[Chisa]
If you want it, come and take it
欲しいなら、奪いに来て
I'll share my secret, I know you'll like it
私の秘密をシェアしてあげる、きっと気に入る
Pre-Chorus
[Harvey]
Tick and tock, I'm running out of patience
チクタク、我慢の限界
Round the clock, don't stop before we're out of time
24時間、時間切れになる前に止まらないで
[Hinata]
We're out of line
私たちは一線を越えて
[Harvey]
we're on a vibe
バイブスに乗ってる
[Hinata]
Feel so alive-live
生きているって感じ
1回目のPre-ChorusではHinata→Harveyの順番だったのが、2回目ではHarvey→Hinataになっています。
この細やかな違いも味わい深いですね。
Harveyのウィスパーも凄く良い。
Chorus
[Cocona]
So take my breath away
だから私を夢中にさせて
Come take my breath
さあ、息をのむほど
Take my breath away
私を夢中にさせて
[Juria]
Come takе my breath
さあ、息をのむほど
Just take my breath away
ただ私を夢中にさせて
[Cocona, Juria]
Take my breath
息をのむほど
Take my breath away
私を夢中にさせて
[Juria]
I can't believe it
信じられない
[All]
Way that we breathin', got my heartbeat beatin' like
私たちの呼吸の仕方、私の心臓の鼓動がまるで
1回目のChorusはChisaとMayaでした。
2回目のChorusはCoconaとJuriaです。
Post-Chorus
[Maya, All]
Breathe in, breathe out
息を吸って、息を吐いて
We can't stop, oh, na-na-na
止められない、オー、ナ-ナ-ナ
Skip that talk, blah-blah-blah-blah
しゃべるのはやめて、ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ
I just can't hide, I love this feeling
隠せない、この感覚が好き
[Harvey, All]
Breathe in, breathe out
息を吸って、息を吐いて
We can't stop, oh, na-na-na
止められない、オー、ナ-ナ-ナ
Skip that talk, blah-blah-blah-blah
しゃべるのはやめて、ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ
Come take my breath away
さあ私を夢中にさせて
1回目のPost-ChorusはJuriaとHinataでした。
2回目のPost-ChorusはMayaとHarveyです。
Bridge
[Juria]
Come take my last breath
私の最後の息を奪いに来て
From now until the end
現在から終わりまで
Death won't do us apart
死は私たちを引き裂くことはできない
[Cocona]
(So be my) Be my best
(だから私の)私のベストになって
(Take it) Step by step
(進む)一歩ずつ
Make me exhale again
呼吸を取り戻させて
Juriaパートの「私の最後の息を奪いに来て、現在から終わりまで、死は私たちを引き裂くことはできない」は、もしも自分が死ぬようなことがあっても、私たちは永遠に一緒にいる」という強い想いを表現しています。
次のCoconaパートの「私のベストになって、一歩ずつ進む、呼吸を取り戻させて」は、「私の最愛の人になって、自分が危ないときは支えて欲しい」という想いです。
よってこのBridgeは、「私たちは永遠に一緒にいる、もし自分が危ないときは支えて欲しい、自分の最愛の人になってほしい」ということを歌っています。
「呼吸」をモチーフにして相手への強い想いを伝えています。
そして、この「想いを伝える」Bridgeには、もう一段深い仕掛けがされているように思います。
まず、”From now until the end"(現在から終わりまで)は、結婚式の誓いの言葉である”Until Death Do Us Part"(死が二人を分かつまで)とちょっと似ています。
また、「私のベストになって」は、欧米の結婚式のベストマン(新郎の付添人。新婦の場合はブライズメイド)を連想させます。
さらに、「一歩ずつ」も結婚式の入場を連想させるし、「呼吸を取り戻させて」はベストマンが新郎を支えている様子が浮かびます。
つまり、相手への想いを伝えつつ結婚式の「誓い」を連想させるモチーフが散りばめられており、僕には結婚式の誓いのようなイメージも重なって聞こえます。
おそらく、ただ強い想いというだけでなく、「誓い」のように強い決意を潜ませているのではないでしょうか。
このBridgeも、好意を抱く相手への想いと、リスナーに対する想いの2重構造で歌われています。
メッセージは「私たちは永遠に一緒にいる、もし自分が危ないときは支えて欲しい、自分の最愛の人になってほしい」という誓いにも似た強い想いです。
僕は、「好意を抱く相手への想い」に客観的に感動し、「XGからリスナー(=自分)に対する誓い」に主観的に感動します。
2重の感動があります。
う~ん、グッときます、凄く良いリリックです。
Chorus
[Hinata]
So take my breath away
だから私を夢中にさせて
Come take my breath
さあ、息をのむほど
Take my breath away
私を夢中にさせて
[Jurin]
Come takе my breath
さあ、息をのむほど
Just take my breath away
ただ私を夢中にさせて
[Hinata, Jurin]
Take my breath
息をのむほど
Take my breath away
私を夢中にさせて
[Hinata]
I can't believe it
信じられない
[All]
Way that we breathin', got my heartbeat beatin' like
私たちの呼吸の仕方、私の心臓の鼓動がまるで
最後のChorusはHinataとJurinです。
Post-Chorus
[Jurin, All]
Breathe in, breathe out
息を吸って、息を吐いて
We can't stop, oh, na-na-na
止められない、オー、ナ-ナ-ナ
Skip that talk, blah-blah-blah-blah
しゃべるのはやめて、ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ
I just can't hide, I love this feeling
隠せない、この感覚が好き
[Chisa, All]
Breathe in, breathe out
息を吸って、息を吐いて
We can't stop, oh, na-na-na
止められない、オー、ナ-ナ-ナ
Skip that talk, blah-blah-blah-blah
しゃべるのはやめて、ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ
Come take my breath away
さあ私を夢中にさせて
最後のPost-ChorusはJurinとChisaです。
Chisaの濡れたブレスとともに、余韻をもって曲が終わります。
参考
もちろんこの曲も、ShotGunDandyさんの動画が頼りになりました。
特に、言葉を省略する「あえてライムしない」テクニックなどは、彼の解説ではじめて知りました。
ラップに興味がある方もそうでない方も、是非1度ご覧になることをお勧めします。
サウンドとプロダクション
プロデュースはJAKOPS、Chancellor。
作詞はChancellor、JAKOPS、Lyricks、Paulina Cerrilla、SEUNGHOO 。
作曲はChancellor、JAKOPS、Lyricks 、Paulina Cerrilla、Tayor、SEUNGHOOです。
曲調
曲調は、1970年代後半〜1980年代のディスコを思わせます。
ファンクベースのディスコにテクノが流入され始めた頃の感じです。
シンセにレトロ感があり、当時だけ流行った「ポン、ポン」というシンセドラムの音までします。
プロデューサーは相当音楽オタクですね。
乾いたドラムサウンドが現代的で、懐かしさと新しさが同居する仕上がりになっています。
リスナーに向けた歌詞とファンキーなグルーヴが、ライブで盛り上がりそうな曲です。
この曲のタイトルは、ザ・ウィークエンドの"Take My Breath"と同じですが、そう思って聴くとなんとはなしに共通点があるように思えてきます。
まず、ファンキーなシンセビートと、ポップでエモい雰囲気が似ています。
そして、1980年代風の絶妙なダサさです。
ザ・ウィークエンドは(いい意味で)絶妙にダサいんです。
この曲にも、シンセの質感とかシンセドラムとか、なんとも言えないほのかなダサさがあります。
ダサさがスパイスになってそれがまた良い、という感じが似ている気がします。
なお、誤解のないように言っておきますが、僕はザ・ウィークエンドの大ファンです。
構成とキモのユニゾン
この曲は構成が巧みです。
まず、Verse 1が歌唱で、Verse 2がラップというのが面白い。
歌唱はしっかり聴かせながら、ラップではギークを唸らせるほどのマニアックなギミックが仕込まれています。
この引き出しの多さと深さがXGの魅力の一つです。
また別の観点では、Pre-Chorusでドラムにマットなフィルターがかかって静かな感じになり、徐々に音の輝度が上がってChorusで盛り上がるところがあります。
沈み(Pre-Chorus)→盛り上がり(Chorus)で「よしよし、Chorusだから盛り上がりの頂点だな」と満足していると、Post-Chorusでさらにギアが上がり、「まだ上があるの!?」と驚かされます。
Post-Chorusの爆発的な盛り上がりを支えるのは、全員のユニゾンでの合いの手です。
「オー、ナーナーナー」とか「ブラーブラーブラーブラー」の部分です。
このユニゾンは凄い!
入りから抜きまでの恐ろしいくらいの揃いっぷりにトリハダが立ちます。
それでいて各声のキャラクターが立っていて、魂がのっています、スピリットのレベルでユニゾってます。
めちゃくちゃゴージャスです、見事なブレンドです。
ユニゾンがこれほど凄まじい破壊力を持つとは!
XGの最も凄い所は、標準的なテンプレートを恐ろしく高いクオリティで提示できる所です。
新曲の度に予想を超えてきます。
老練なジャズミュージシャンみたいです。
恐るべきプレイヤー集団です。
その他
Coconaはこの曲について下記のように語っています。
これは私の一番のお気に入りです。
初めて聴いた時からこの曲に惹かれ、私にとって特別な曲です。
皆さんの心にも、私と同じように響くことを願っています。
はい、響いております。
響きすぎて毎日呼吸が止まるほどヘビロテしております。
素晴らしい曲をどうもありがとうございます!
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございます。
大変お疲れさまでした。
この『THE CORE』考察シリーズでは、アルバムを1曲ずつ深掘りしています。
続きはこちらです。
シリーズ全体はこちらから読めます。
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