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1/48 ファンの間で語り草になっている映画

「結構毛だらけ猫肺だらけ」

渥美清演じる車寅次郎がまくし立てるように語る口上は名セリフとはちがいますが、耳に残る1フレーズです。この口上を聞いたことはなくとも、1度くらいは、寅さんの顔は見たことがあるのではないでしょうか。

「男はつらいよ」シリーズは、
寅さんが全国を旅する人情喜劇。
日本を代表する不朽の名作です。

監督は山田洋次さん。1969年から1995年まで26年の間に、実に48作品がつくられました。

シリーズもの・・・に尻込みして(最初から最後まで見ないといけないかな…と)観始めたのがかなり遅く、いま静かに後悔しています。

主たる登場人物は一緒ですが、
1本1本が完結しているので、
何作目から観ても大丈夫でした。

シリーズでは、寅さんが毎回ヒロインと恋に落ち、そして恋破れます。その姿はまさに「男はつらいよ」なのです。何本か見ていくと、毎回寅さんの失恋のを心待ちにする状態に。水戸黄門の由美かおるの入浴シーン同様にシリーズならではの楽しみが生まれます。

さて、ここからが本題です。48作品中、ファンの中で語り草になっているのが「第7作」(1971年)です。※ファンとは私の周りの寅さんファンです。

ヒロインは、津軽出身の花子。
故郷を離れ、
出稼ぎをする花子には
軽度の知的障害がありました。

自分自身を「脳みそが足りない」と語る寅さんは、花子にシンパシーを感じはじめます。(当然、最後は期待通りに恋破れます)


恋に落ちた寅さんは、
段々と世の中を花子の視点でも見はじめ、
これまで気が付かなった
社会の理不尽さに腹を立てる。

男気モリモリの寅さんの言葉は、
理路整然と語られる
インテリ君の「説明」ではなく、
恋した女性を守りたいという
熱を帯びた「演説」。
もっと言えば、愛する人への
「告白」と言えるかもしれません。


友人はなぜ、この第7作を私に勧めたのか?

・寅さんが好きだから
・寅さん見ずして人生語るなと思っているから
・映像やるなら「男はつらいよ」は必見

などあるのですが、
この作品に関しては、

いまを見る基準になるから

だったかと思います。

映像や書籍、音声や写真は

その当時を記録します。


記録は、

そこに戻れる基準

と言い換えることができます。

モノクロの写真を見れば、
当時の街並みが蘇る。
耳に懐かしいあの曲。
中学の頃、
楽しみと言えばラジオだったなとか。

「男はつらいよ」の長きシリーズは、
エンタメの要素もありながら、
いまとなっては、
多分に「記録史」の側面も備えます。

第7作で描かれる、
知的障害がある人を取り巻く社会。

50年前にくさびを打ち、
そこを基準にいまを見る。

何が変わって、
何が変わらないのか。

思考の伴走者

となる1本は、
私の中でも語り草となっています。


まさに、友人の狙いは
ピタリと当たったわけです。


「男はつらいよ」シリーズでは、
寅さんを通して、当時の社会や
全国各地の地域を知る楽しみがあります。

48作を1つの記録史と見立てると、
自分自身のくさびの打ちどころが
見つかるかもしれません。

(追伸)
第7話についてのNOTEで探して読みました。記事がとっても面白く、大変参考になりました。ありがとうございます!



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