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理美容業の魅力発信プロジェクト【シマウマフォーカス】 #5~mariposa by crown_黒木 大輔~

─成功者になろうとするな、価値のある人間になれ─

アインシュタインのこの言葉を胸に刻み、彼は今日もハサミを握る。男の名は、黒木大輔。髪質改善のスペシャリストとして全国から客が訪れるサロン「mariposa by crown(マリーポーサ・バイ・クラウン)」の代表だ。

大阪市十三出身。
彼の原点は、商売人の両親の背中にあった。喫茶店とスナックを切り盛りする母。理髪店とハサミ屋を営む父。働くことが当たり前の環境の中で、幼い頃から「あきんど」としての生き様を肌で感じていた。

「なんか作るのが好きでしたね」
そう語る彼の幼少期は、手を動かして夢中になる日々。ミニ四駆を改造し、ヨーヨーを極める少年は、やがて“好き”の矛先を服や髪へと向けていった。

─ビームスのシャツと中2の予感─

「学年で一番早くに、一番髪をいじっていたのは、自分でした」
誰よりもおしゃれでいたかった。モテたいというより、ただ純粋に服や髪型、ファッションが好きだった。

当時通っていた塾の先生がファッションリーダーだったこともあり、ディオールやビームスの情報に触れる機会にも恵まれていた。家の影響もあって、自然と髪をいじるようになった。

歳の離れた兄も美容師の道へ。ごく自然に、自分もその道を意識し始めた。中学2年の頃には、もう心の中でその未来を予感していた。

それを確信に変えたのが高校時代。梅田の美容室で出会ったベテラン美容師。その丁寧な仕事ぶりと人としての在り方に心を奪われた。
「こういう美容師になりたい」──その強烈な憧れが、彼の人生の羅針盤となった。

─早熟の才能と迷走─

専門学校では、美容の面白さにのめり込み、練習に明け暮れた。コンテストでは大阪代表として全国大会に出場。常にトップの成績を叩き出し、才能は早くから開花していた。

新卒で入ったサロンでも、わずか1年半でスタイリストデビュー。順風満帆なスタート──だが、どこか満たされなかった。

大型店への憧れから移籍するも、理想とのギャップに苦しみ、自信を失いかける。

「自由にやれてた頃が恋しくて、何度も店を変えました」

いつしか 暗黒期 と呼ぶべき時期へ。沖縄でフラフラしていたこともある。闘病中だった父に心配をかけながら、自らの道を見失っていた。

「あの時期があったから、今があるんでしょうね」

再起をかけたのは、小型店での勤務。厳しい先輩に徹底的に叩き込まれたのは、「人としての礼儀作法」だった。技術だけじゃない、人としてどうあるべきか──この経験が、美容師・黒木大輔の礎となった。

その店で4年間働き、スタイリストとしてのベースを築いた彼は、美容の原点を知るため、ロンドンのヴィダル・サスーンへ短期留学。そして帰国後、自身が専門にしたいと考えていた「髪質改善」に力を入れるオーナーが経営するサロンへ就職する。

そのわずか1か月後──まさかの店長任命。

理由をオーナーに尋ねると、返ってきたのは驚きの言葉だった。
「台所が火の車でね。他のスタッフ全員辞めさせないといけなかった。黒ちゃんに賭けるしかなかったんよ!」

─2回目の暗黒期、くらやみの中でこそ光を見出す─

経験もないまま、崖っぷちのサロンを1人で背負った。
集客ノウハウもゼロ。すべての業務を1人で担当しながら、給料は20万円。休みはなし。友人の結婚式にさえ出られない怒涛の日々が続いた。

「責任をとること自体は嫌いじゃないんですけど、あの時は心折れかけましたね」
それでも──逃げなかった。

やがて客が入り始め、サロンの空気も変わっていく。1年で黒字化。「店を背負った経験」が、彼にとってかけがえのない財産となった。

あの大波を乗り越えたからこそ、独立に不安はなかった。
繰り返された“暗黒期”こそが、黒木大輔という美容師を大きく成長させてくれた。

─mariposa by crown としての独立─

4年間勤めたのち、ついに自らの店舗を持つ決意をする。
場所は大阪市中央区玉造
店名は「maliposa by crown(マリポーサ・バイ・クラウン)」。

「クラウン」は、亡き父が営んでいた理髪店の屋号。
「マリポーサ」は、スペイン語で「蝶」。そして──父が手がけていたハサミブランドの名でもあった。

「来てくれたお客様を、蝶のように美しく羽ばたかせたい」
父の魂と自身の信念を込めたサロンは、たちまち評判を呼んだ。

髪質改善の技術が紹介を呼び、SNSで話題になると、予約は3ヶ月待ちの繁盛店に。キャンセルが出れば、5分で埋まる。

順風満帆──しかし、またしても壁が立ちはだかる。

スタッフが育たない。定着しない。気づけば、再び一人でサロンに立っていた。これが、彼にとって3度目の暗黒期

「プレイヤーじゃダメだ。経営者にならなきゃ」

この気づきが、彼を大きく変えた。技術だけでなく、人を育てること、組織をつくることの重要性に目覚めた黒木氏は、経営学を猛然と学び始めた。視野が、未来へと広がっていった。

─mariposa の目指す未来─

いま、彼のまわりには信頼できる仲間がいる。スタッフ7人、離職ゼロ。
2店舗目もオープンし、髪質改善の技術は講師という形でさらに多くの人へと伝わっている。

最強の3店舗体制をつくるのが夢なんです。そして、自分がずっと現場で感じてきたことを活かして、薬剤そのものを開発・製造するメーカーにもなりたいんですよ」

言葉は静かだが、その目には強い意志の炎が宿っていた。

─価値ある人間であるために─

「黒木大輔さんにとって、魅力的な人ってどんな人ですか?」

そう尋ねると、彼はこう答えた。

広くて深い人ですね。普通は“狭く深く”って言うと思うんですけど、広く見渡せて、それでいて深く突き詰められる人。僕も経営はしてますけど、いちばん尊敬してる方ってやっぱり経営者ではなく、美容師さんなんです」

「いろんなお客さんと関わって、いろんな視点を持ってる。ひとつに偏らず、自分の軸を持ちながら深められる人って、すごく魅力的ですよね。人に指示するだけじゃなく、自分も手を動かせる人。僕も、そういう存在でありたいと思ってます」

自らが幾度もくらやみを歩き、そのたびにを見つけてきた男の言葉は、何よりも重く、そしてあたたかい。

「僕、本当に好きな言葉があって。アインシュタインの──【成功者になろうとするな。価値のある人間になれ】ってやつ。次世代の子たちには、これを伝えたいです」

「情報だけで知った気になるな。とにかく体験しろ。動け、感じろ、飛び込めって。そこにしか、本当の答えはないんだよって」

価値ある人間になるために。
黒木大輔の挑戦は、まだ終わらない

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〒537-0023
大阪府大阪市東成区玉津1丁目3−7
サンジェルマン玉造 1F
OPEN 10:00 ~ 20:00 完全予約制
最終受付時間:カット 18:00 / カラー・パーマ 16:30 / 縮毛矯正 14:30
予約制となっております。(時間外応相談)


次回のシマウマフォーカスは?

京都市中京区押小路通のサロン
「novem by cirrus(ノウェム・バイ・シーラス)」のオーナー上田義人さん 

“空気をデザインする”美容師。外見だけでなく、その人の「内美」にこだわる独自の哲学。数々の挑戦とマイルールに支えられた、真っすぐで柔らかな美容人生を辿ります。

次回もお楽しみに!

どうぞ、これからの「シマウマフォーカス」にご期待ください。

つづく


チームシマウマ【魅力発信事業部】

📺 mariposa by crown の魅力を動画でも発信中!
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魅力の連鎖を生み出す「シマウマフォーカス」

理美容業の魅力発信プロジェクト【シマウマフォーカス】は、理美容師たちの“人としての魅力”に焦点を当てた連載企画。自分の生き方を真摯に語るインタビューが、読者の背中をそっと押す力になることを目指しています。

「この記事を読んで、私も頑張ってみようと思った」 「魅力アップ、してみたいなと思った」

そんな声が、また次の魅力的な誰かを生み出して。
その人が、また誰かの背中を押していく──

“魅力の好循環”を、理美容の世界から。
それがシマウマが描く世界。

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