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理美容業の魅力発信プロジェクト【シマウマフォーカス】 #6~novem by cirrus_上田 義人~

─古都きょうと、「人の空気をデザインする」美容室─

京都市役所前、御所南。
観光客のざわめきから少し離れた通りに、そのサロンはある。店名は「novem by cirrus(ノウェム・バイ・シーラス)」。柔道とギターに明け暮れた、やんちゃな末っ子。「僕、無敵でいたいんですよ。でも、それは“敵がいない”って意味のほう。」そう語るのは、オーナー美容師・上田義人。髪型だけじゃない。その人の空気ごとデザインする美容師である。

─自由と情熱のはじまり─

京都府京都市出身。
4人兄弟。兄2人に姉1人、典型的な“末っ子B型”だと、本人は笑う。
「まあ、ほんと自由奔放に育ててもらったんですよね」
家業は祖父が創業した冷菓の卸売業で、家族で支え合う姿を自然に見て育つ。中学では柔道、高校ではギター / ボーカルとしてバンド活動に夢中に。

一方で、美容師になりたいという夢は中学時代には芽生えていた。きっかけは祖母。昔気質な祖母は2週に1度の美容室通いを欠かさず、整った髪で笑顔を浮かべ、何かしらお土産を手にして帰ってきた。その姿が子ども心に強く残った。

人を綺麗にして、笑顔にして、周りの人も嬉しそうで……。美容師って、めっちゃ良い仕事だなって」

美容師を目指すも、当時は国家資格に「高卒」が必須に。進学を迷っていた時、中学の恩師に「高校だけは行ったほうがいい」と言われ、納得して進学。恋にバンド、友情に打ち込む一方、心の中では夢にまっすぐだった。

─終わりを決めて、強くなる─

高校卒業後は京都のサロンで働きつつ、大阪の美容学校に通い国家資格を取得。スタイリストデビューが5年かかるのが一般的な中、わずか2年でスタイリストに。

理由はひとつ。「練習がめっちゃ好きだったんですよ」

朝7時から練習し、営業後も深夜まで続ける日々。ショートカットが得意で口コミでモデルが広がり、やがて営業中にもカットするように。自らに課したルールは「終わりを決める」こと。

24歳で出会った直江文忠氏の本『無駄に生きるな、熱く死ね』が、彼の価値観を変える。

「命って有限やなって、実感したんです。」

これは、彼の人生のすべてに通じる哲学だ。「コンテストに集中して参加するってことも3年間って決めてたし、今月だけ頑張ろうっていう風に、自分に期限を課すんです。終わりが見えてるからこそ、集中できる。」

─“内美”をデザインしたい─

外見の美容に限界を感じ始めた頃、人の内面への興味が強くなっていく。「話し方、服、歩き方、生き方…そういうの全部知ってこそ“その人らしさ”が見える」

「接客が苦手やった僕が、“内側を知りたい”って本気で思い始めた。それって内面の美しさを表現したいってことやなと」

そうして辿り着いたのが、「内美(ないび)」という考え方。「空気をデザインする」という、彼自身の美容観の核がそこにある。

─cirrus 独立と“無敵”の意味─

「10年勤めたら、独立します。」入社当初から、そう公言していた。そして27歳の時、そのマイルール通りに独立を果たす。縁もゆかりもない京都・二条「cirrus(シーラス)」が産声をあげた。

「僕、無敵でいたいんですよ。でもそれは“敵がいない”って意味のほう」

勤めていたサロンには10年も居させてもらったので、恩義があった。だから、これまで勤めていたサロンとは商圏を外し、まったく新しい土地でのスタートを選んだ。誰にも頼らず、誰のフィールドも侵さず、自分の信じた道を自分で切り開く。それが彼なりの“礼儀”であり、“覚悟”だった。

そして案の定「cirrus(シーラス)」のオープン当初、お客様はこなかった。地縁がないのだから当然である。「最初からお客さん来るでしょ? って思って店づくりに全力で初期投資かけたんですけど、来ませんでしたねぇ(笑)」

しかし、そこから上田氏は奮闘する。てづからのビラ配りは当然のごとく、ホットペッパービューティーでの口コミ活用などに奔走。すると初月のみの赤字で、2ヶ月目から黒字化した。

売上があがって、順調に成長し、スタッフも増えた…
矢先の2年目、全員が辞めてしまうという最大の壁にぶつかる。

「僕も仕事に関してはめちゃくちゃ 武闘派 だったので、朝練もするし、練習もするしで、やってきたことそのままスタッフの子らにぶつけちゃって。人にはそれぞれのスタンスがあるって、分かってなかった」

失敗を経て「人を育てること」「人ありきの組織づくり」へとシフト。ドラッカーに傾倒した時期もあるが、最終的には「その人の人生の“路(みち)”をつくる」ことにたどり着く。

道(みち)ではなく路(みち)。
人生の全体が『道』として、そのうちの生きる糧となる一部分、仕事の部分をつかさどる『路(みち)』を作るのだという。

ある日、スタッフの一人が「アイラッシュをやりたい。でもこの会社は好きだから辞めたくない」と涙ながらに訴えた時、彼は2つ返事でアイラッシュ事業の立ち上げを決めた。

「本当は、計画建てが大事だとはわかってるんですけどねぇ」
人の想いを優先してしまう。それが彼、上田義人の路づくり

─人生の後半戦。何を残せるか─

cirrusの姉妹店「novem by cirrus(ノウェム・バイ・シーラス)」京都市役所前、御所南に立ち上げ、現在は3店舗のオーナーに。40歳を迎え、上田氏の価値観にも変化が訪れる。

「40歳になって、何ができるかじゃなくて、何を残せるかって考えるようになりました。」

人生の折り返し地点を迎え、彼の視線は更に未来へと向かう。

「60歳で引退して、もう一度ひとりでサロンやりたいんです。人生で2回独立できたら、面白いじゃないですか」そう言って、彼は悪戯っぽく笑った。

「上田 義人さんにとって【魅力的】だと思う人はどんな人ですか?」

記者の質問に対して、う~んとしばらく頭をひねって上田氏は答えた。
困ってる人にパンを焼いてあげられる人、かなぁ」

うまく言語化できないんですけど、と言葉が続く。

「昔母から言われたんです。『パン屋さんに行った帰りに、お腹すかせて困っている人がいたらパンをあげられる人になりなさい』みたいなことを。分け合う精神みたいなことを言ってたんですけど、僕はそれを聞いたときにむしろ…」

「パンをあげるより、パン屋さんになりたいなって思ったんです。根本から人を助けられる人でいたいなって

彼の目指す場所は、ラフアンドピース──笑いと平和のある世界。

上田義人の探求の“路”は、
始まったばかりだ。

「novem by cirrus」の詳細はこちら👇
👉公式サイト

〒604-0944
京都府京都市中京区
押小路通富小路東入ル橘町630
営業日 平日  : 10:00-19:30
    土   : 9:30-19:30
    日・祝 : 9:00-19:00
定休日 月曜日  &  第3火曜


次回のシマウマフォーカスは?

和歌山・紀の川市
「hair room 和」オーナー・児玉義孝
「人間が良くないと、仕事はできない」と言い切るその哲学。
家族への想い、そして地元で生きる覚悟――。
“和やかさ”の奥に、義を宿した理容師 の真実に迫ります。

次回もお楽しみに!

どうぞ、これからの「シマウマフォーカス」にご期待ください。

つづく


チームシマウマ【魅力発信事業部】

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魅力の連鎖を生み出す「シマウマフォーカス」

理美容業の魅力発信プロジェクト【シマウマフォーカス】は、理美容師たちの“人としての魅力”に焦点を当てた連載企画。自分の生き方を真摯に語るインタビューが、読者の背中をそっと押す力になることを目指しています。

「この記事を読んで、私も頑張ってみようと思った」 「魅力アップ、してみたいなと思った」

そんな声が、また次の魅力的な誰かを生み出して。
その人が、また誰かの背中を押していく──

“魅力の好循環”を、理美容の世界から。
それがシマウマが描く世界。

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