22時〜2時がゴールデンタイム」は本当?|理学療法士が考える睡眠と身体の回復
「夜10時から深夜2時は、身体の回復にとってゴールデンタイム」
一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか。
特に、
* 成長ホルモンが出る
* 筋肉が修復される
* 疲労が回復する
* 美容に良い
などと言われることがあります。
しかし、理学療法の視点から考えると、少し注意が必要です。
「22時〜2時」という固定されたゴールデンタイムはない
実は、成長ホルモンの分泌は「22時〜2時」という時計の時間だけで決まるわけではありません。
重要なのは、眠りについた後に深い睡眠(徐波睡眠)がしっかり確保されることです。
研究では、成長ホルモンの大きな分泌ピークは、睡眠開始後の最初の深い睡眠と関連することが報告されています。 (PubMed Central (PMC))
つまり、
「22時に寝なければ成長ホルモンが出ない」
という考え方は正確ではありません。
むしろ、
「自分に必要な睡眠時間を確保し、質の高い睡眠をとる」
ことが重要です。
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理学療法士が注目したい「睡眠×身体」
理学療法では、筋力や関節可動域、歩行能力だけを見るわけではありません。
身体を回復させるための「休養」も重要な要素です。
運動をすると、
筋肉・腱・関節・神経系などには一定の負荷がかかります。
その後に、
運動 → 休養 → 回復 → 適応
という過程を繰り返すことで、身体機能は変化していきます。
十分な睡眠が取れなければ、この回復過程にも影響します。
特に運動習慣がある人ほど、
「運動すること」だけではなく、
「どう回復するか」
まで考える必要があります。
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「早く寝る」より大切なこと
では、理学療法士として睡眠について何を伝えるべきでしょうか。
私は次の5つが重要だと考えます。
① 睡眠時間を確保する
まずは睡眠時間そのもの。
「22時に寝たけれど5時間しか眠っていない」
よりも、
「自分に必要な睡眠時間を安定して確保する」
ことを優先しましょう。
② 就寝・起床時間をなるべく安定させる
毎日寝る時間・起きる時間が大きく変わると、生活リズムが乱れやすくなります。
特に休日だけ極端に夜更かしする習慣には注意が必要です。
③ 寝る直前までスマホを見続けない
スマートフォンなどを長時間使用すると、睡眠への入り方や生活リズムに影響する可能性があります。
「寝る時間」だけではなく、
寝る前の過ごし方
を整えることも重要です。
④ 運動する
適度な運動は、睡眠を含めた健康的な生活リズムづくりに役立ちます。
ただし、就寝直前の高強度運動は、人によっては眠りを妨げることがあります。
運動は「やればいい」だけではなく、
時間・強度・頻度
まで考えることが大切です。
⑤ 朝の光を浴びる
睡眠は夜だけの問題ではありません。
朝起きて光を浴びることは、体内時計を整えるうえで重要です。
つまり、
良い睡眠をつくるためには、朝から準備が始まっている
と考えることができます。
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理学療法士が患者さんに伝えたいこと
訪問リハビリをしていると、
「最近、疲れが取れない」
「運動しているのに身体が重い」
「朝から身体がだるい」
という方に出会うことがあります。
このとき、
「筋力が落ちていますね」
「もっと運動しましょう」
だけで終わらせてはいけません。
睡眠時間は?
就寝時間は?
夜中に起きていないか?
昼寝は?
日中の活動量は?
寝る前にスマホを長時間使っていないか?
運動する時間帯は?
こうした情報を確認することで、身体の状態を違った角度から見ることができます。
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「ゴールデンタイム」を作るのは時計ではない
「22時〜2時」という時間帯を神聖視する必要はありません。
大切なのは、
自分の生活リズムの中で、十分な睡眠時間と質の高い睡眠を確保すること。
そして、
運動・栄養・睡眠をセットで考えること。
これは理学療法における「身体づくり」にもつながります。
筋力トレーニングをしているのに身体が変わらない。
運動しているのに疲労が抜けない。
リハビリを頑張っているのに調子が上がらない。
そんなときは、
「もっと頑張る」
ではなく、
「ちゃんと休めているか?」
を一度考えてみてください。
身体を変えるのは、運動している時間だけではありません。
眠っている時間も、身体づくりの時間です。
理学療法士からの一言
「ゴールデンタイムは22時〜2時」
ではなく、
「自分にとって質の高い睡眠を確保できる時間こそ、自分自身のゴールデンタイム」
と考えてみましょう。
身体を鍛える。
身体を動かす。
そして、身体を休ませる。
この3つがそろって、はじめて身体は変わっていきます。
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