2040年問題と理学療法理学療法士は「治す仕事」から「暮らしを支える仕事」へ
2040年。
今から約14年後、日本の社会は大きく変化すると言われています。
高齢者人口の増加。
生産年齢人口の減少。
医療・介護を支える人材不足。
地域による医療・介護資源の格差。
そして、
「誰が高齢者の生活を支えるのか」
という問題。
これが、いわゆる「2040年問題」です。
この問題は、医師や看護師、介護職だけの問題ではありません。
もちろん、
理学療法士にも大きく関係します。
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2040年に何が起こるのか
2040年に向けて、日本では高齢化と生産年齢人口の減少が同時に進みます。
つまり、
支援を必要とする人が増える一方で、支える側の人が減っていく。
これが大きなポイントです。
今までと同じように、
「病気になったら病院へ」
「退院したらリハビリ」
「困ったら介護サービス」
という仕組みだけでは、対応が難しくなる可能性があります。
だからこそ、
病気になる前から支える。
介護が必要になる前から支える。
地域で生活を続けられるように支える。
という考え方が、さらに重要になります。
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① これからの理学療法は「予防」が重要になる
2040年に向けて、理学療法士に求められる仕事は、
「病気やケガをした人の機能回復」
だけではありません。
例えば、
・転倒予防
・フレイル予防
・サルコペニア予防
・介護予防
・生活習慣病予防
・運動不足対策
・健康づくり
などです。
つまり、
「悪くなってから治す」から「悪くならないように支える」へ。
理学療法士の活躍する場所は、さらに広がっていく可能性があります。
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② 病院だけでは完結しない
これから重要になるのが、
地域リハビリテーション
です。
病院で歩けるようになった。
しかし、自宅ではほとんど歩かない。
これでは、本当の意味で生活が改善したとは言えません。
実際の生活には、
自宅があります。
スーパーがあります。
坂道があります。
階段があります。
家族との生活があります。
地域とのつながりがあります。
だから、
「病院で何ができるか」だけではなく、「地域でどう暮らすか」
を見る必要があります。
訪問リハや訪問看護、通所リハ、地域の介護予防など、生活に近い場所での理学療法は、今後さらに重要になるでしょう。
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③ 2040年は「人手不足」が大きな課題になる
高齢者を支える人材が不足すれば、
一人ひとりの専門職に求められる役割も変わります。
理学療法士も、
「自分が40分間リハビリをする」
だけではなく、
本人・家族・看護師・介護職・ケアマネジャーなどが、同じ方向を向けるようにする力
が必要になります。
つまり、
「自分が何をするか」だけではなく、「チーム全体でどう生活を支えるか」
を考えることが重要になります。
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④ 家族に「運動」を伝える力が必要になる
2040年に向けては、
専門職だけが頑張る仕組みでは限界があります。
本人や家族が、
「何をすればいいのか」
を理解することも重要です。
例えば、
「毎日30分運動してください」
だけでは、なかなか続きません。
それより、
「テレビを見ながら足踏みをしましょう」
「買い物では少し遠い場所に車を止めて歩きましょう」
「毎食後に5分だけ歩きましょう」
など、
生活の中に運動を組み込む方法
を伝える。
これからのPTには、
「運動をする技術」だけでなく、
「人が続けられるように伝える技術」
も求められます。
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⑤ AIやICTも理学療法を変える
2040年に向けて、AIやICTの活用も進むでしょう。
電子記録。
オンライン支援。
ウェアラブルデバイス。
歩数や活動量のデータ。
AIによる記録支援。
動画による自主トレ指導。
遠隔でのモニタリング。
こうした技術によって、
「人間にしかできない仕事」
の価値がより高くなる可能性があります。
AIが記録を補助してくれる。
データを整理してくれる。
運動メニューを提案してくれる。
それでも、
「この人は本当は何に困っているのか」
「何を大切にしているのか」
「今日はいつもと違う」
という部分は、人間の観察力やコミュニケーションが重要です。
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⑥ 小児・障害・高齢者を「地域」で支える
2040年問題を高齢者だけの問題として考えるのも危険です。
地域には、
子ども。
障害のある方。
働く世代。
高齢者。
さまざまな人が暮らしています。
理学療法士も、
「高齢者専門」ではなく、「地域で暮らす人を支える専門職」
という視点が必要になるでしょう。
小児リハ。
障害児支援。
学校。
スポーツ。
就労支援。
介護予防。
訪問リハ。
地域活動。
さまざまな場所でPTの専門性を活かすことができます。
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⑦ 「歩行能力」だけを見るPTでは足りなくなる
これからの理学療法では、
「10m歩行が何秒」
「筋力が何kg」
という評価だけではなく、
「その人が地域で生活できるか」
を見る必要があります。
例えば、
自宅から玄関まで歩ける。
↓
家の外に出られる。
↓
近所まで歩ける。
↓
スーパーまで行ける。
↓
買い物ができる。
↓
人と会える。
↓
社会とのつながりが維持できる。
ここまで考える。
これが、
生活をみる理学療法
です。
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⑧ 「訪問PT」の価値はさらに高まる
2040年に向けて、訪問リハビリテーションの重要性はさらに高まる可能性があります。
なぜなら、
実際の生活を見ることができるからです。
病院では見えなかった問題が、
自宅では見えてきます。
ベッドからトイレまでの距離。
玄関の段差。
浴室。
階段。
家族の介助方法。
外出頻度。
本人の生活習慣。
そして、
「本当は何をしたいのか」。
訪問PTは、
身体機能と生活をつなぐ仕事
になっていきます。
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⑨ 2040年に必要なのは「専門性+人間力」
これからの理学療法士には、
専門知識だけではなく、
・コミュニケーション能力
・多職種連携
・地域連携
・マネジメント
・ICT活用
・予防の知識
・栄養への理解
・社会参加への視点
など、幅広い能力が求められるでしょう。
もちろん、
「何でもできるPT」
になる必要はありません。
むしろ、
自分の専門性を持ちながら、他職種とつながれるPT
が強い。
そんな時代になっていくと思います。
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⑩ 2040年に向けて、今からできること
2040年は遠いようで、実はそれほど遠くありません。
だからこそ、
今の働き方を少しずつ変えていく必要があります。
例えば、
① 地域を知る
病院の中だけではなく、
地域の医療・介護資源を知る。
② 予防を学ぶ
フレイル、サルコペニア、転倒予防などを学ぶ。
③ 生活を見る
身体機能だけではなく、家でどう暮らしているかを見る。
④ 多職種とつながる
看護師、介護職、ケアマネ、医師、薬剤師などと連携する。
⑤ 発信する
専門知識を、一般の人にも分かる言葉で伝える。
⑥ ICT・AIを使う
専門職にしかできない仕事に時間を使えるようにする。
⑦ 自分の専門性を作る
「この領域なら、このPT」と言われる強みを持つ。
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2040年に理学療法士は必要なのか?
私は、
必要性はむしろ高まる
と考えています。
ただし、
「今までと同じ理学療法士」のままではなく、
時代に合わせて役割を変えられる理学療法士
が必要になります。
病院だけではない。
リハビリ室だけでもない。
筋力や関節可動域だけでもない。
その人が、
どこで暮らし、
誰と暮らし、
何をしたくて、
どんな人生を送りたいのか。
そこまで考える。
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「治す」から「暮らしを支える」へ
2040年問題は、
理学療法士の仕事がなくなる未来ではありません。
むしろ、
理学療法士の専門性を、どこで、どう活かすのかが問われる未来
だと思います。
病院。
訪問。
介護。
地域。
学校。
スポーツ。
企業。
健康づくり。
さまざまな場所で、
理学療法士ができることがあります。
そして、
これからの理学療法士に必要なのは、
「何ができるか」だけではありません。
「誰の、どんな生活を支えたいのか」
を考えること。
2040年。
そのときに、
「理学療法士がいてくれてよかった」
と思ってもらえる専門職であるために。
私たちは今から、
少しずつ準備を始める必要があります。
理学療法の未来は、リハビリ室の中だけにはない。
その人が暮らす場所すべてに、
理学療法の可能性があります。
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