【経営のヒント】なぜ今、雑誌「ハルメク」は3倍売れたのか?中小企業が学ぶべき「顧客の捉え方」
こんにちは、税理士の村松慎一です。
突然ですが、皆さんは「ハルメク」という雑誌をご存知でしょうか?
私は2026年3月17日の日経新聞朝刊の記事で初めて知りました。
出版不況と言われ、紙の媒体が売れない今の時代にあって
定期購読のみで発行部数を3倍に伸ばし、
約46万部という圧倒的な支持を得ている女性誌です。
なぜ、このデジタル全盛期に「紙の雑誌」が
これほどまでに求められているのか。
そこには、私たち中小企業の経営者が学ぶべき
深い経営のヒントが隠されていました。
1.カテゴリーではなく「人」を捉え直す
ハルメクがまず行ったのは
自社を「シニア誌」ではなく「女性誌」だと捉え直すことでした。
「シニア向け」と括ってしまうと、どうしても啓蒙的、
あるいは「老後」を意識した内容になりがちです。
しかし、顧客である読者が求めていたのは
ファッションや美容、旅行といった、日常を彩るポジティブな情報でした。
これは経営において非常に重要な視点です。
「うちは〇〇業だから」
「ターゲットは高齢者だから」
という既成概念を一度捨て、
顧客を一人の人間として見つめ直す。
そこに、新しい価値の源泉があるのです。
2.「しつこい」ほどの顧客理解
ハルメクの強さは、
読者の声を「深く、しつこく」聞く姿勢にあります。
社内にシンクタンクを持ち、膨大なデータを分析するだけでなく
徹底的に「読者が今、何を知りたいのか」を掘り起こす。
また、世代によって届ける形を変えているのも見事です。
65~80歳対象: じっくり読める「紙の雑誌」
50~64歳対象: デジタルメディア「HALMEK up(ハルメクアップ)」
顧客をひとまとめにせず
それぞれの生活リズムや価値観に寄り添う。
私が常々大切にしている「まるっと聞かせてください」という姿勢も
こうした徹底的な寄り添いから始まります。
相手の言葉の裏にある「本当に困っていること」を見つける力こそが
信頼の土台になるのです。
3.「孤独にしない」というインフラとしての役割
ハルメクが掲げるテーマの一つに
「女性を孤独にしない」というものがあります。
日常を明るく楽しくしてくれるのは
たまに会う実生活の知人よりも、毎月手元に届き
自分の悩みや興味にぴったり答えてくれる一冊の雑誌かもしれません。
それはもはや単なる情報媒体ではなく
生活を支える「インフラ」であり
最後まで伴走してくれる「友人」のような存在です。
結びに:経営者の隣に立つ「名脇役」でありたい
税理士という仕事も
ある意味では企業の「インフラ」でありたい
と私は考えています。
「売上を上げるにはどうしたらいいか」
「今の状況をどう改善すべきか」
数字の報告だけで終わるのではなく
経営者の皆様が孤独を感じた時
あるいは新しい挑戦をしたい時に
真っ先に顔が浮かぶ存在。
毎月届く雑誌のように
日常を少し明るくし
未来への安心を届ける「名脇役」。
ハルメクが読者の機微を言葉にして信頼を得たように
私も皆様の「言葉にならない不安」を数字で解き明かし
伴走し続けます。
新年度、新しい風を自社に吹かせたい経営者の皆様。
あなたのストーリー、ぜひまるっと聞かせてください。
