アメリカ生ジャガイモ輸入の危険性
アメリカの生ジャガイモに強い警戒をしてる意見が多いのは、国内のジャガイモもものすごい厳しい管理の中で生産されてるから。
どれだけ厳しい管理をしてるかというと、
①絶対に病原菌を含まない種芋を用意するために、ジャガイモの芽を消毒しながら細胞を取り出す。
②細胞を培養して無菌苗を育てる。
③無菌苗を消毒しまくりの植物工場で育てて種芋を作る。
④ジャガイモの病虫害の心配のない畑を慎重に選んで種芋を生産。
⑤それでは種芋足りんので、これまた病虫害の発生リスクのない畑を慎重に選んで種芋生産。
⑥病虫害の心配のない種芋を農家に配布し、ようやくジャガイモ生産。
なお、農家が自分で育てたジャガイモを種芋にすることは禁止されている。というか、それをするとジャガイモの病虫害が大量発生する原因になりかねないので、農家も必ず種芋を買って生産するようにしている。なぜかというと「アイルランド大飢饉」という悲惨な歴史的教訓があるから。
アイルランドではジャガイモ疫病が大発生。ジャガイモを主食にしていたアイルランド人の多くが餓死し、20-25%もの人口が減ったと言われる。
この歴史的教訓から、日本では徹底した種芋管理をし、その過程で生産されたジャガイモは病虫害が発生しづらくなっている。しかも農家が自作したジャガイモを種芋にすることも禁ずることで、病虫害の発生リスクをさらに下げている。ここまで徹底して管理しているのに。
アメリカの生ジャガイモが輸入されれば、どうしても土が一部残ったイモが入ってくるだろう。病害虫はそうした土に忍び込んでくる。日本にはいない病害虫が含まれる可能性がどうしてもある。特にジャガイモシストセンチュウが入ってくると厄介。いったん日本の土になじめば、駆除はほほ不可能となる。
もちろん、日本の農家がアメリカの生芋を自分の畑に植えて育てることはないだろう。しかし家庭菜園してる人が、ジャガイモの皮を畑にすき込む可能性は十分ある。すると、それについていた病害虫が土になじみ、繁殖する恐れがある。その土の上を歩いた靴で農村を歩く人がそのうち出てくる。そうすると、日本にこれまで見られなかったような病害虫か大繁殖する恐れがある。
日本が国を上げてジャガイモの病害虫が発生しないように慎重の上にも慎重を重ねてジャガイモを栽培してきたのに、アメリカの生ジャガイモを輸入したがために台無しになってしまう恐れがある。多くの人がアメリカの生ジャガイモ輸入に強い警戒を示しているのはこのため。
