世界最大の年金ファンドは、「4等分」しかしていない
世界最大の年金ファンドは、「4等分」しかしていない
先日、こんなニュースが流れてきました。
「GPIFの年金積立金運用 2025年度は約41.4兆円の黒字 6年連続の黒字」(TBS NEWS DIG)
41兆円ですよ。4,100億円じゃなくて、41兆円。
1年間の運用でこれです。
「年金なんてどうせ破綻するんでしょ」と飲み会で言いがちな僕たち40代、ちょっと正座して聞いてほしい話です。
先に結論を言います。
世界最大の機関投資家がやっているのは、「株と債券を4等分して、あとは放っておく」だけ。
僕たち個人が学ぶべきは、銘柄選びのセンスではなく、この「退屈さ」のほうです。
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GPIFのポートフォリオは、拍子抜けするほどシンプル
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、僕たちが払った年金保険料の積立金を運用している組織です。運用資産はおよそ293兆円。世界最大級の年金基金です。
その中身がこちら。
- 国内株式:25%
- 外国株式:25%
- 国内債券:25%
- 外国債券:25%
以上です。
AIで銘柄を高速売買しているわけでも、カリスマファンドマネージャーが未来を予知しているわけでもありません。世界中の株と債券を、きれいに4等分。いわば「ど分散」です。
この退屈な運用の成績が、
- 2025年度の収益率:+16.47%
- 収益額:41兆3,995億円(過去2番目の高水準)
- 6年連続の黒字
- 2001年の運用開始からの累積収益:約197兆円
- 通算の平均収益率:年率4.67%
リーマンショックもコロナショックも全部食らったうえで、年平均4.67%です。
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AさんとBさん、10年後に笑っていたのはどっちか
ここで、僕の周りにいそうな2人を紹介します。
Aさんは、投資が趣味です。決算書を読み、チャートを分析し、「次はこのテーマが来る」と半年ごとに主力銘柄を入れ替えます。
SNSの相場観もよくチェックしていて、暴落のニュースが出ると夜中にスマホで損切りします。
Bさんは、投資に興味がありません。
10年前に「全世界に分散されたインデックスファンド」を積立設定して、そのままIDとパスワードを忘れました。暴落があったことにも気づいていません。
10年後、資産が大きく育っていたのは──たいていBさんです。
これ、笑い話のようで、GPIFがやっているのはまさに「Bさんの運用」なんですよね。決めた比率を守って、上がっても下がっても淡々とリバランスするだけ。判断の回数を極限まで減らす。だから相場に振り回されない。
Aさんが負けるのは、頭が悪いからではありません。
判断の回数が多いと、間違える回数も増える。
それだけの話です。
これは耳が痛い。
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2025年度の中身を見ると、分散の意味がよくわかる
じつは2025年度、4つの資産が全部勝ったわけではありません。
国内株式は+34.62%と絶好調だった一方で、国内債券は金利上昇で損失を出しています。
でも、全体では+16.47%。
一部が沈んでも、他が引っ張り上げる。これが分散の正体です。「全部が当たる」ことを目指すのではなく、「どれかが外れても致命傷にならない」ように設計する。
僕たちの新NISAも、理屈は同じです。オルカンやS&P500の積立は、規模こそ違えど「GPIFのミニチュア版」をやっているようなもの。
293兆円のプロと同じ土俵に、月3万円から立てる時代なんですよね。
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「退屈な投資」に耐えられますか?
ここで、ひとつ質問です。
あなたの投資、この1年で「判断」を何回しましたか?
売ろうか迷った夜。SNSで話題の銘柄を買い足した昼休み。暴落速報を見て積立を止めようか考えた朝。
その判断、41兆円を稼いだGPIFは、たぶん1回もしていません。
僕自身、かつて高配当につられて海外の個別株で痛い目を見たことがあります(含み損の画面は今でも痛い思い出です。)
あの頃の僕に足りなかったのは、情報でも分析力でもなく、「何もしない」勇気でした。
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まとめ:4等分して、忘れる
世界最大の年金ファンドの必勝法は、驚くほど地味でした。
世界中に分散して、比率を決めて、あとは放っておく。
センスも、才能も、毎日の相場チェックもいらない。4等分して、忘れる。それくらいが、ちょうどいい。
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