美容クリニックの現実〜ラクそうだから転職した結果〜【第一話】
夜勤なし、高給、人間関係も良さそう。そう思っていた。
結婚を機に引っ越すことになり、私は転職することになった。
次はどこで働こう。
そう考えた時、病棟は真っ先に候補から消えた。
もう夜勤はしたくない。
あの人間関係にも戻りたくない。
新人離職率9割超えの病棟で心をすり減らした私にとって、病棟勤務はもう十分だった。
そんな時に目に入ったのが美容クリニックだった。
SNSを開けば、キラキラした美容看護師たちが楽しそうに働いている。
夜勤はない。
給料はいい。
院内は綺麗。
なんだかみんな優しそう。
正直に言う。
私は美容への情熱だけで転職を決めたわけじゃない。
ラクそうだったからだ。
夜勤なし、高給。
しかも病棟のような怖いお局もいなさそう。
そんな職場が本当にあるなら、今すぐ転職したいと思った。
それだけではなかった。
昔から美容が大好きなのだ。
私は決して美人ではない。
それでも肌の調子が良い日は嬉しかった。
美容室に行った帰りは何度も鏡を見てしまう。そんな小さな変化で気分が上がる人間だった。
お金がない時でも、美容室代や皮膚科代だけは何とか捻出していた。
節約して、貯金して、それでも通いたかった。
美容は私にとって、自分をご機嫌にするための大切な趣味だった。
好きなことを仕事にできたら最高じゃないか。
そう思った私は、美容クリニックへの転職を決めた。
病棟を辞めて、新しい環境で働く。
あの頃の私は少し浮かれていたと思う。
これで人生が変わるかもしれない。
今度こそ楽しく働けるかもしれない。
そう本気で思っていた。
しかし。
私が飛び込んだ美容業界は、SNSで見ていた世界とは少し違っていた。
そこには美しさだけではなく
見栄や嫉妬
プライドや欲望も渦巻いていた。
そして私は、
「顔が綺麗な人が優しいとは限らない」
という当たり前の事実を知ることになる。
【第2話へ続く】
美容クリニック編を続けて読みたい方へ。
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