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神の子とダンジョン ・ 第8話 − 185

「要らぬ節介かもしれないけど、結構危ないだろ、ココさ。」
 宮殿の上にコウモリの群れが見えたから、急いで来たとエースさんは言った。
 多分、嘘じゃないと思う。
 オイラは、正直なところ宮殿にはもうコリゴリな気分になっちまってた。

「しかも、地下二階への階段前まで行ったとはな。
 さすが、売り出し中の『血まみれ一家様』だ。」
 そう笑われて、エースさんに迷惑を掛けたかもしれないと思い、これまでのことを正直に話した。

   *     *     *

「成る程な。
 越後屋ジャックの王宮精霊治療費の借金が山ほどあって、 まあ多少は、狩りの自信ついたから、宮殿ってえゴー!って?
 まあ、ワニと鉢合わせして無事だっただけでも、大したもんだ。」

“ワニ”という言葉を聞いて、なんでレドゥビアにワニがいるんだと思ったけれど、ジュニア君はすぐに、借金の恐ろしさの説明を始めた。

「317万バリイですから、
 利子だけでも月に2万6千バリイ。
 その上、ジャック様にはお仕えしている我々の暮らしまで見ていただいておりますので。」

「そうか。
 高いとは聞いてたが、精霊治療費は鬼高だな。」そう言いながら、エースさんはジュニア君の屋外ノートを取り上げた。

「おっ、なんだよコレ!」
 エースさんの隙のない行動にしてやらたのが悔しいのか、
「宮殿の一階と地下一階の地図です。
 地下は作りかけですが。」とジュニア君が口を尖らせ気味に答えた。

 エースさんは、ノートを見つめたまま、ぽつりと呟いた。
「俺には、思いつかなかったな。
 これはイイな。」
 そしてオイラ達に聞いてきたんだ。
「とりあえずは、お試しってことで…
 血まみれ一家ども、俺と組まねえか?」

 トールが、
「あのデカい奴は、さすがに無理でしょう。」と、すぐに言葉を返したが、
「ああ、ワニか。
 大丈夫だって。
 案外、慣れればイケるんだ。 着いてこい。」と、軽い調子でエースさんは言った。

 地下二階。
 階段を降りてすぐの場所に、ワニはいた。
 ジュニア君が、
「エースさんを目で追っています。
 薄暗くても、ある程度は見えているようですね。」と教えてくれる。

ジュニア君は安全でさえあれば、大事なことを見逃したりしない。

「よく見とけ。」とワニに悠然と近づいていくエースさん。
 まるで恐怖を感じていないようだった。

「脚を踏ん張ったら、尻尾だ。」ひょい、と軽い身のこなしで尻尾をギリギリの間合いでかわす。
「ビビって、動き過ぎちゃダメだぜ。
 ほら、前脚を浮かせた。
 噛みつきに来る。」そう言いながら、両足をピンと伸ばした姿勢で大きく跳び、空中で体をひねり、縦に回転する。

 着地する前に、体重を乗せた剣で、ワニの心臓の辺りを刺し貫いた。
「す、すげぇ……。」とトール。
 ていうか、バク転なんかオイラ出来ねぇ、見せられたって無理だと思うオイラにお構いなしに、

「ホラな☆」と、エースさんが笑う。
 すかさず声を掛けたのは、ジュニア君だった。

「あのっ、仕留めたワニはどうするんですか?」その問いに
「俺にはデカ過ぎて運べねぇ。
 欲しけりゃ持ってけ。」とエースさんは言った。

 ダンジョンからの帰り道。
「あれには驚きやした。」と、普段は無口なトールが口を開いた。

 ジュニア君は、オイラ達にワニを地下一階まで引き上げさせると、その場で解体を始めた。

「見たことはありませんが、
 美しくて丈夫な革です。
 かなりの値段がつくでしょう。
 無論、エースさんにもお礼はいたします。
 2割で、いかがでしょう?
 あ、はい。ありがとうございます。

 生き物としては、大カナトコと似てますから、肉も売れると思います。
 良い部位だけを切り分けて、持ち帰りましょう。」

 オイラが、
「残りはどうするんだ?」と聞いたら、ジュニア君は、手際良くいらない肉とか骨を運んで、あのヘビの部屋に、ポイっと投げ捨てた。
 数え切れない程のヘビが、驚いたのか1度動きを止めた後、ザワザワと動き出した。

「きっと、全部キレイにしてくれます。
 野犬が来ることもないし、こうすれば、ワニがどこで現れたかも他のハンターには分かりにくいと思います。」

「違いねえな。」とエースさんが感心していた。
 トールにも、きっとジュニア君が頼もしく見えたのだろう。
 嬉しかったに違いない。

   *     *     *

「お試し。」
 そうエースさんは言っていたが、オイラ達は、朝から超MAXで緊張していた。
 いつもより早くダンジョンに入り、小さな鯉の幼魚を網ですくって生け簀へ放し、タニシを集め、ヌタ場のチェックも済ませた。

 ヒラガニや岩トカゲどころではない。
 もし今日の“お試し”で、使えないと思われたら振り出しに戻る。

 昨夜のトール家の喜びようは凄かった。
 ワニの革を見た武具屋の親父さんの驚きも、想像以上だった。

 帝国南部でしか獲れないワニ革。
 しかもジュニア君は腹にしかナイフを入れていないため価値は落ちなかった。
 ワニ革一枚 銀貨一枚  
 (レドヴィア銀貨で五万バリイ)

 ワニ肉はコーエンさんが銅貨六枚で引き取ってくれた。
 奥さんが南の出らしく、
「ワニ肉は絶対に喜ばれる」と言っていた。 
 ワニ肉 銅貨六枚(三万バリイ)

 さらに魔術道具屋さんが頭蓋骨を買ってくれた。
 ノカナに持っていくと売れるらしいワニ頭 銅貨二枚(一万バリイ)

 このワニ革ゴールドラッシュ
 もう、他のハンターには譲れない。


             続きます

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 今回のタイトルカットは、フレキシブルフランクことChatGPTの作画

 いろいろお世話になっている、優音様


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