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自分を幸せにするために学ぶ - 人間関係が苦手でもなんとかやっていくための本 試し読み版 1

シロイブックスより2026年1月に刊行した書籍「人間関係が苦手でもなんとかやっていくための本」の試し読み版です。

「試し読み版 1」の当ページでは、書籍の序文に当たる「はしがき」の全文を掲載しています。


はしがき

人間関係のノウハウなどというものは、ネットで検索すればいくらでも出てきますね。探すのも簡単ならば、出てくる内容も単純そのものです。「こう考えるだけで大丈夫」「○○のときは○○しよう」といった調子で、AIに改めて要約してもらう必要もないほどの短さです。

そうした無数のわかりやすい情報が、私たちの人間関係を「現実になんとかしてくれる」ということはほとんどありません。それが本当に問題を解決してくれるものだとしたら、あなたや私や他の人たちはなぜ今もこうして現在進行形で困っているのでしょうか?

私がこのような本を書こうと思ったのは、自分と同じように毎日の人間関係に困り続けている読者に向けて、もっと現実的な助けになれるような別の解答を共有したいと考えたからです。

ここで「人間関係をマスターした私が『すべての悩みを解決するたった一つの方法』を教えます」という嘘を書かないのは、「安心のための嘘を売り買いしたところで誰も幸せにならない」という理由によります。幸福の秘訣を声高に売り歩くセールスマンたちに目を向けると、彼らは人間関係や人の心をまるで一桁同士の足し算のように単純かつ鮮やかに説明した上で「ほら、こんなに簡単でしょう」と言っているのですが、それは作り話なので、あなたの現実の悩み、現実の日々の労苦、満たされなさ、失望と絶望をなんとかするための助けにはなってくれません。

最初にお伝えしておかなければならないのは、我々がこうした課題を実際に自分の手で解決していきたいとき、少しばかり抽象的で難しそうな話が出てくることはどうしても避けられないという点です。学びや成長というものの原則として、難しい何かをやっつけるために本当に役に立つ知識や技術がある場合に、それが一目見てすぐに納得したり共感したりできるものであるということは基本的にありません。あなたにとって算数の本はやさしく、数学の本は難しいとしたら、今から向かうべきは数学のほうです。算数の本を百回読んだところで、ある日突然数学がわかるようになるということは絶対にないからです。

噛まずに飲み込める情報というのは無益なものです。もし目の前の情報に「少し難しそうだ」「それはいったいどういうことなのだろう」といった感情が起こらないとしたら、それは私たち自身の成長に役立つ内容ではないし、人の心の動きや実際の人間関係が難しいものであるということが明らかである以上、その説明は現実に即したものでもないでしょう。もし「誰もがすぐに全力でうなずくような人間関係のヒント」があるとしたら、それは単に「わかった気にさせるのが上手い」というだけです。しかも、それはだいたい内容としても正しくないわけですから、算数に例えるのは内容の正しい(その上すごく役に立つ)算数に対して失礼な話だとすら言えます。

一般に「人間関係が苦手だ」と言うとき、その意味するところは「直感とフィーリングとアドリブで上手にやっていけるほど器用ではないのだ」と解釈してよいと思います。感覚的にやれないのなら、一つひとつ丁寧に理屈を考えてやっていくしかありません。それだけが私たちに残された方法になります。しかし、そのステップに時間をかけてきちんと向き合おうという気概さえあるなら、それまでは到達方法どころかその存在すら疑っていた「人間関係がさほど苦にならなくなる」という状態、さらには「幸せと安らぎの源泉として、むしろ自分から積極的に人との関わりを求めたくなる」という状態が徐々に視界に入ってきます。

学ぶということは、何よりもあなた自身が「もっとうまくできるようになりたい」「前向きにやっていきたい」と感じるからこそ行うことです。学者でも芸術家でも起業家でも、義務感で偉業を成し遂げたという人物はいないでしょう。あなたがそれをやりたいと思って、実際にやり遂げたとき、それは初めて意味のある仕事となります。

私たちが心の底から求めているもの、つまり偽りのない友情や愛情といったものたちも、おそらくその仕事の先に存在します。

あなた自身のために頑張ってください。この本がその助けになることを願っています。

 
【次のページ】 第一章:言葉のラベルを剥がす (1/3)

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