「三原駅って都会ね。」
「三原駅って都会ね。」
千葉から来た彼女たちの第一声は、私の予想を少し裏切るものだった。
地域おこし協力隊として活動していると、「三原には何があるの?」と聞かれることがある。
住んでいると当たり前になってしまう景色や暮らしは、なかなか言葉にしづらい。
だから今回の旅は、少し楽しみだった。
先日、三原にお客様がお越しになった。千葉で福祉の仕事をしていたころの同僚たちが三原に遊びに来た。
これからはご本人たちの同意を得て、親しみを込めて「マダム」と呼ばせてもらおうと思う。
事前に「広島で何がしたいですか?」と聞いてみた。
返ってきた答えは意外にもシンプルだった。
「カウンターのあるお好み焼き屋さんで食べたい」
「しまなみ海道を自転車で走りたい」
以上。
もう少し何かあるだろうと思ったが、ないらしい。
それならば、と観光振興に詳しい協力隊の山下さんに相談し、三原を起点にした旅のプランを考えてもらった。
宿泊先はnegura。

さらに、ちょうど開催される「こころネットみはらまつり」のボランティアも提案してみた。
「それ、面白そう!」
こうして、観光だけではない3泊4日の旅が始まった。

初日の夜、三原駅に降り立ったマダムは開口一番、
「三原駅って都会ね。」
と言った。
私は少し驚いた。
新幹線が停まる駅ではあるけれど、東京や千葉と比べれば決して大きな街ではない。
でも、その言葉を聞いた瞬間に思った。
三原を紹介するつもりだったのに、もしかしたら私のほうが教わることになるのかもしれない、と。
マダムたちは、このあとボランティアに参加し、三原駅周辺を縦横無尽に歩き回り、半どん夜市を楽しみ、しまなみ海道を渡り、瀬戸田や大三島を巡り、最後は里山の風景に触れた。

そして私は、その様子を横で見ながら何度も思った。
地域の魅力は、住んでいる人の目線だけでなく、訪れた人の目線によっても見つかるものなのかもしれない。

つづく
