『松本清張の昭和』(酒井信著、講談社現代新書)
noteをきっかけに手にした『松本清張の昭和』。
こういうのを縁(えにし)というのだろう。
私には、松本清張といえば社会派の推理作家、という認識しかなく、恥ずかしながら、清張の小説、全く読んだことがなかった。
それにしても、本書の筆致からは、まるで蒸気機関車のようなエネルギーというか、清張が駆け抜けた昭和を彷彿とさせる勢いを感じた。
延々とファクトを伝える文章に込められた、意志の力のようなエネルギー。
こういうのも〝文体〟っていうのだろう。
本書を読んだことで、私が認識してきた〝社会派推理作家〟という清張は、ほんの一面でしかなかったことを思い知らされた。
清張の本質は、私が愛読してきた夏目漱石、芥川龍之介に匹敵する、ジェネラルな大作家だった。
縁(えにし)といえば、本書を読み始めたこともあって、先日の午後、NHK BSで映画『ゼロの焦点』を観ることにした。
私の生まれた1961年に封切られた映画なので、亡父も映画館で観たのかな? と想像しながら。
そのエンディングを観て、私はこう思った。
(ひょっとして、2時間弱のサスペンスドラマのエンディング、あの海に面した崖上のシーンのルーツじゃないのかな?)
その夜、寝床で本書を読んでいたら、その通りだということを知った。

この映画は、火曜サスペンス劇場などの「崖っぷちのラストシーン」の元型となった。
縁(えにし)といえばさらに、丁度、私が読了したばかりのこの本だ。

「2発目の原爆は、ほんのちょっとした、一瞬の偶然から、投下予定地の小倉に投下されることなく、長崎に投下された」(私の投稿より)
もし、人類2発目の原子爆弾が、予定通り小倉に投下されていたとしたら? 私がそんな想像をしたのも、縁(えにし)だろう。
で、結論は?
私と同じ誕生日だと、本書を読んで初めて知った松本清張の作品が読みたくて仕方がなくなった。
まず最初は? 『西郷札』でしょ? やっぱし。
