「1500円のブレスレット」から学ぶ『価値』の本質
「コツコツ努力して、いいサービスを続けていれば、いつか必ずお客さんがついてきてくれるはず。」
きっと、「良いモノを届けたい」と熱意がある人こそ、こんな風に思ってしまうのではないでしょうか。
じゃあ、もし今来店数が少ないとしたら、それは自分の技術がまだ未熟だから?
はたして本当にそうでしょうか?
1 |本当の「価値」とは?
ここで、少し別の角度から「価値」というものを考えてみたいと思います。
これから話す3つのエピソードを読めば、
日常に潜む『価値』の本当の姿が見えてきて、「そういう事だったのか!」とスッキリするはず!
【 Episode 1: 1500円のブレスレットに宿った『価値』 】
今年の母の日の出来事。
6歳の息子との何気ない会話の中で、「今日は母の日なんだよ」と伝えると…
母の日が理解できなかった息子は、その言葉からいろいろな事を想像したのでしょう。しばらく考えて、
「しゅうちゃん(息子は私のことをそう呼んでいます)は、いつか僕のお母さんじゃなくなるの?」
と涙目で言うんです。
話をきくとどうやら、「母の日」というワードから、自分が成長していつか家を出て、別々で暮らす未来を想像して寂しくなってしまったよう。
そんな息子を私はギュッと抱きしめて、
「しゅうちゃんは、あなたが大きくなっても、いつまでもずっとあなたのお母さんだよ」
と伝えました。
そんな日の夕方、買い物へ行った先で息子が
「しゅうちゃんはコレが似合うと思う。コレ買おう?」
と、店頭に並んでいたブレスレットを指さして言いました。
母の日のプレゼントの文化を知ってか知らずか、突然そんなことを言うもんだから嬉しくて「ありがとう。じゃあ、コレ買おうかな!」と、そのブレスレットを購入しました。
お値段は1500円程。
では、ここで商品の「価値」についてもう一度考えてみませんか?
私が買ったのは、1500円のブレスレット。
では、このブレスレットの価値は1500円ですか?
違いますよね?
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このブレスレットの価値は、『見るたびに思い起こす、母の日の息子との尊い会話』と『息子が自分から選んでくれた、初めての母の日のプレゼント』
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【 Episode 2: オーディション第一話から見守ってきたアイドルのデビュー曲 】
オーディション番組の第一話から、毎話欠かさず見ていたグループがついにデビュー。
「この子たちを応援したい!」と、SNSを追ったり、YouTubeのMVを何度も再生したり、デビュー曲を車の中で何度もリピートしたり。そんな経験はありませんか?
きっと、応援したくなる理由は、そのデビュー曲のクオリティが他のどのアーティストよりもはるかに高いからではないですよね。
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『この子たちがここに辿り着くまでの過程』を、自分も一緒に見守ってきたからこそ、デビュー曲への愛着を感じる。何度も耳にしたくなる。もっと応援したくなる。
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【 Episode 3:高級料亭よりも、すき家によく行く理由 】
私は料理が好きで、日ごろから健康に気を付けたこだわりの調味料や食材を使って、毎日家族のために料理を作っています。
でも、仕事の納期が迫っていたり、タスクが溜まっていたりすると、時間に余裕がなく「今日はパッと外食で済ませたい」という日も当然あるんです。
外食が大好きで、お気に入りのおいしいお料理屋さんにもよく行く我が家ですが、そんな日に行くのは——
みなさんおなじみの「すき家」。
ごはんはもちろんおいしいけれど、高級料亭より高いクオリティの料理が出てくるかと言えば、すき家の良さはそこではないですよね。
こんな忙しい日に「早く」「安く」「安心でおなじみの味」が食べられる『すき家』は——
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この日の私にとっての『時間』という悩みを解決してくれる、今まさに欲している『価値』を提供してくれるお店なんです。
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【⠀3つのエピソードから見えてくる、価値の正体⠀】
それは、「クオリティの高さ」や「社会的にどれだけ価値があるとされているか」ではなく、
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『その商品やサービスに、自分だけの愛着やストーリーがあるかどうか』『今まさに、自分にとっての悩みを解決してくれるかどうか』。
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これが、お客様にとっての価値の正体です。
2 |質の良いサービスを提供することは、当たり前の大前提。
私が伝えたいのは、「サービスの質や、技術を磨くことは必要ない」という事では絶対にありません。
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お客様により良いものを届けたいと、技術を磨き、サービスを磨くこと。これは、事業を続けていく上での大前提です。
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私自身も、撮影技術を磨くために休日もなく何度も何度も撮影や編集を重ねてきました。
技術を向上するために新しい機材を買って試したり、撮影小物や背景紙、衣装を常に新しいものを求めて買い集めたり。
撮影の現場では、主役のお子さんだけでなくママパパや、きょうだいたちにも撮影を楽しんでもらえるように、常に全神経を集中させています。
「良いモノを作ろう」と日々努力を重ねるのは、大前提で、当たり前の話ですよね。
でも、どんなに技術を磨く努力をしていても、その努力が伝わらなければお客様に「この人のサービスには価値がある」と感じてもらうチャンスは来ないんです。
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『良いモノを作ること』と『お客様に価値として伝わること』は、イコールではない。
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目の前のお客様のお悩みを解決し、笑顔で撮影に臨んでいただけるよう丁寧に向き合う姿勢は、一組一組にゆっくり時間をかけることが出来る個人スタジオだからこその強みであると考え、起業当初から一貫して発信し続けました。
この1点だけは、起業当初から私が間違わなかった事です。
3 |Shumi Photographyが設計する『価値』
では、私自身のスタジオではどのように価値を積み上げて今に至るのか?
何も、難しいことではありません。もう少し具体的にお話ししますね。
北海道名寄市という人口2万人ほどの地方で、私はフォトスタジオを1人で運営しています。
市内には老舗の写真館さんもあれば、車で1時間半ほどかけて足を運べば、大手スタジオやおしゃれで魅力的なフォトスタジオさんが沢山ある。
では、なぜ当店のお客様は、わざわざShumi Photographyを選んでくださるのか?
『撮影技術が一番高いから』ではないと、私は思っています。
【 その答えは、スタジオを始めた理由に。 】
私がフォトスタジオを始めるきっかけになったエピソードがあります。
子育て中の友人が「寝不足の中、車で1時間半ほどかけてフォトスタジオへ記念写真を撮りに行ったけど、子どもの機嫌が悪くて笑顔の写真が1枚もなかった。行くだけで疲弊してしまい、取り直しにも行けずにいる」——そんな言葉を耳にしたんです。
その時に、「地元で、もっとママたちが気楽に楽しく撮影できるスタジオを作りたい」と思ったのが起業を志すきっかけです。
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私がこのスタジオのサービスで救いたいのは、幸せなはずの撮影体験で疲弊してしまった経験のあるママたち。
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この1点を、起業当初からずっと一貫して、何度も伝え続けていました。
実際に来店されたママさんたちからは、「大手スタジオで泣いてばかりいた我が子が、こんなに笑顔で撮影できるなんて思ってもみませんでした」といったお声をいただくことが、本当に多いんです。
【 スタジオと、Shumi自身の成長過程をリアルタイムで発信する 】
看護師として働いている時期に、フォトグラファーを志すと決めたその日からInstagramの投稿をスタートしました。
一番初めにOPENした旧古民家スタジオも、まだ埃だらけの空家の状態からDIYをしてスタジオとして作り上げる過程をリアルタイムで発信。
昨年移転した新スタジオも、入居時のがらんとした状態から、たった一人でDIYをしていく様子や、SNSを見て手伝いに来てくれる仲間が増えていく過程も、すべてInstagramで発信し続けました。
【 お客様にとっての『価値』は、撮影の前から始まっている 】
実は、Shumi Photographyを選んでくださるお客様は、有り難いことに「いつかShumiさんに撮ってもらいたいと思っていました!」とご予約時に伝えてくださる方が、多くいらっしゃいます。
また、ご来店時には「DIYしている所、インスタでずっと見てました!この壁、自分で塗ったんですよね?」と話題にしてくださることもしばしば。
Instagramで投稿し続けた、スタジオを1人でDIYで作っていく過程。
撮影に込めている想いや、お客様への向き合い方。
私自身の家族との関わりや、日々の生活のこだわりなど。
これらスタジオの日常や私自身の人柄を、発信を通して共感してくださっているからこそ、「この人に、いつか写真を撮ってほしい」と思って頂けているのかなと感じています。
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予約の決定打になっているのは、技術の高さではなく、そこに至るまでに積み上げてきた『ストーリーの共有』
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スタジオや私自身を知ってもらってから、いつか撮影のご依頼を頂くその日までのお客様との繋がりを意識して、SNSでの発信を続けていく事が大切だと私は確信しています。
4 |価値を設計するための、5つの問い
では、ここからは具体的に、自分だけの価値を設計するために私がやっている問いをご紹介します。
お客様に『あなただから』と価値を感じて選んでもらうためには、サービスの根幹に根差す、一本のブレない柱が重要です。
そのために、自分自身に問いかけてみてほしい質問が、5つあります。
【 問い① 誰のためのサービスなのか? 】
どんな人に届けたいサービスですか?
実際にお会いしたお客さまや、友人でもいいです。
できるだけ実際のエピソードを思い起こして、どんなお客様に来店して欲しいのか、年齢・性別・人柄・暮らしぶり・職業・家族構成は?など具体的にイメージしてください。
【 問い② どんな人の、どんな悩みを解決するサービスなのか? 】
「悩み」や「願望」を解決したいと考えたときに、初めて『購入』を検討しますよね。
数あるサービスの中から自分自身を選んでいただくためには、自分がどんな人を救うサービスを提供しているのかを理解して、わかりやすく伝えていくことが大切です。
ビジネスへの思いが強いと、ついつい自分のやりたい事にフォーカスが当たりがちですが、そうではなくて誰のどんな悩みを解決したいのかにフォーカスを当てた方が、何倍もお客様の心に届きます。
【 問い③ どんな思いでスタートしたサービスなのか? 】
事業を始めた時の、原点となるエピソードや
どんな思いで事業を続けているのか。
その物語に一貫性や共感性があるほど、見つけてくださったお客様に「応援したいな」と思っていただきやすく、とても重要な柱です。
【 問い④ どんな風に作り上げたサービスなのか? 】
DIYで一から作り上げた私のスタジオのように、完成までの過程をさらけ出すことは、価値を伝えるために重要なポイントです。
完成した自信満々の商品がどんなに凄いか100語るより、作るまでに苦労した過程や、背景にあるストーリーを語った方が、よっぽど価値を感じやすいからです。
例えば、
「店主こだわりの豚骨ラーメン」
よりも、
「廃業寸前のラーメン屋を救った、起死回生の豚骨ラーメン」
この方が、よっぽど食べたくなりますよね?
もちろん、このストーリーは真実でなくてはなりません。
「商品の良さが、最短で、正しく伝わるために」必要な問いなのです。
【 問い⑤ 自分はいったい、『何屋さん』なのか? 】
これ、パッと一言で言えますか?
やりたい事があってアレコレ手を付けてしまっていると、これが意外と一言にまとめられなくなりがちです。
なんでも屋さんになってしまうと、お客様がサービスを必要としたその場面で「あ、あの人にお願いしよう!」と思い出してもらえません。
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『〇〇といえば、あの人だよね』と即座に思い出してもらえる。
それが、価値設計の最終的な到達点。
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実際に提供できるサービスに幅があるのは良い事ですが、誰の目にも『何屋さん』なのかが分かるように、専門性を絞って伝え続けていきましょう。
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これら5つの問いに、いつでも自分の言葉で答えられるようになった時、商品やサービスは、初めて『伝わる価値』を持ち始めます。
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そして、その答えを、SNSやHP、お客様との会話の中で一貫して丁寧に伝え続けていく。
これが、『価値を設計する』ということ
5 |「ありがとう」の連鎖を生むビジネスを設計する。―「愛」の循環―
ここまで読んでくださったあなたは、誠実にビジネスと向き合い続けられる「愛」のある方のはず。
私自身も、初めからこの「価値設計の理論」を完璧に設計できていたわけではありません。
とにかく「お客様のために」をひたすら考え抜いた先に、この考え方が生まれました。
そうやって価値を設計していくと、あるときから——
お客様から『ありがとう』と言われる瞬間が、増えていきます。
「Shumiさんに撮ってもらって、本当に良かった」
「この写真、一生宝物にします」
「次の撮影も、絶対お願いします」
お客様にそう言ってもらえた時、私も本当に心から『スタジオを続けていてよかった』『届けたい人に、ちゃんと届いている』と実感することができ、活力が湧いてきます。
そして心から『大切な記念撮影をお任せいただけた事』への感謝を噛みしめ、「ありがとう」の気持ちをお伝えするのです。
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『ありがとう』が、お客様と私の間で、行ったり来たりする。
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これが、『価値』を設計した先に生まれる、本当に素晴らしいビジネスの姿だと、私は思っています。ここを、ずっと目指しているんです。
ビジネスは『愛』が循環する場所
前回の記事で、「ビジネスは『愛』」と書きました。
届けたいお客様に『愛』がきちんと伝わる。
お客様から『ありがとう』という感謝の言葉としての『愛』が、返ってくる。
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この循環が本当の意味で実現した時、ビジネスは『売上を追いかける場所』ではなく、『ありがとうが循環する場所』に変わります。
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そして、その先に——
『価格』ではなく『あなただから』と、選んでもらえるようになる。
次回の記事では、ご予約をしてくださったお客様に「やっぱりここに決めてよかった!」
ご利用体験後まで『価値』を実感して頂けるように——
私がやっている事について、お話出来たらと思います。
もし「いったいどうやって!?」と気になった方は、ぜひ次回も読みに来てくださいね。
『ありがとう』が循環する、愛たっぷりのビジネスを、一緒に設計していきましょう。
前回の記事では、Shumiの起業人生の軌跡と、noteで書いていきたい事について記してます。よければ覗いてみてね!
