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【CPS】今どき手書き?「ふせん」が会議を前へ進める3つの理由💡 CPS0053

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💡この記事はこんな方に向けて書いています

  • 「今どき手書きのふせんを使う意味があるのか」と疑問を感じる方

  • パソコンやオンライン会議では、議論の全体像が見えにくいと感じる方

  • 参加者全員が納得し、決定事項が実行される会議を作りたい方

💡この記事でお伝えしたいこと

今は、会議の発言をパソコンへ入力し、スクリーンへ映すことができます。

生成AIを使えば、議事録も短時間で作れます。

それでも私は、問題解決を目的とするCPSでは、今も手書きのふせんを使うことがあります。

理由は、手書きだからではありません。

参加者全員が、議論の全体像を同時に見て、確認し、合意できるからです。

この記事では、CPSでふせんを使う3つの価値をご紹介します。

■ 2024年5月23日初稿 ■ 2026/8/6 PLS体系に準じ、大幅に改訂


💡CPS「ふせん会議術」とは?

CPSは、Customer Planning Sessionの略です。

私がIBMで学んだ、関係者が集まり、目標を阻害する問題を整理し、その原因、解決策、活動計画までを作る問題解決技法です。

私は、参加者の発言を全員が見える形にするため、CPSにふせんを取り入れました。

CPSの全体像については、最初に次の記事をご覧ください。

PUB0052|【PLS|CPS問題解決技法・最初に読む記事】みるみるプロジェクトが進む「ふせん会議術」とは?


💡「今どき、手書きのふせんですか?」

ふせん会議をご提案すると、最初にこう聞かれることがあります。

「パソコンで入力した方が早いのではありませんか」

その疑問はもっともです。

パソコンには、

  • データをそのまま保存できる

  • 漢字変換ができる

  • 誤字を修正しやすい

  • 検索や並べ替えができる

という利点があります。

一方、長時間にわたって複雑な問題を議論すると、パソコンとスクリーンだけでは難しいことがあります。

例えば、1時間前に議論した問題へ戻ろうとすると、画面をスクロールしなければなりません。

全体を表示するために縮小すると、今度は文字が読めなくなります。

CPSでふせんを使うのは、この弱点を補うためです。


💡ふせんを使う3つの価値

① 議論の全体像を一覧できる

CPSでは、参加者の発言をふせんへ書き、模造紙に貼ります。

議論が進むにつれて、

  • 目標

  • 問題

  • 原因

  • 根原因

  • 解決策

  • 活動計画

が、複数の模造紙に整理されていきます。

模造紙を会議室の壁に並べると、参加者全員が、これまで議論してきた内容を一度に見ることができます。

パソコン画面は一つの「窓」です。

一方、壁に並べた模造紙は、議論全体を見渡せる「地図」です。

この一覧性によって、

「この問題は、先ほど検討した原因と関係していませんか」

「この解決策は、別の問題にも効果がありそうです」

といった気づきが生まれます。

セッションの様子

問題・原因・解決策を、参加者全員が一覧で確認できます。


② 確認しながら、貼り直しや修正ができる

白板や模造紙へ直接書くと、後から順番を変えたり、別のグループへ移したりするのが大変です。

ふせんなら、

  • 似た問題を一つのグループへ集める

  • 原因と問題の関係を修正する

  • 優先順位に応じて位置を変える

  • 重複している内容をまとめる

ことができます。

ただし、セッションリーダーが勝手に動かすのではありません。

「このふせんは、こちらの問題の原因に移してよいですか」

「この二つは同じ内容でしょうか。それとも別の問題でしょうか」

と、参加者全員へ確認してから動かします。

ふせんを移す行為は、単なる整理ではありません。

問題・原因・解決策の関係について、参加者の認識をそろえる作業です。


③ 会議が終わると、全員合意の議事録ができている

通常の会議では、会議が終わってから議事録を作ります。

その後、

  • 自分の発言の意味が違う

  • そんな結論には同意していない

  • 誰が担当するか決めていない

  • 決定事項が曖昧である

という問題が起こります。

CPSでは、発言をその場でふせんに書き、

「この表現でよいですか」

と確認します。

問題も、原因も、解決策も、活動計画も、参加者全員が見て確認します。

そのため、会議終了時には、議論の過程と結論がすでに共有されています。

後から一人が作る議事録ではありません。

参加者全員が会議中に作った、合意済みの議事録です。

これが、CPSで決めた解決策や活動計画が実行されやすい理由の一つです。


💡12名の会議で起きたこと

次の写真は、12名の参加者を前に、私がセッションリーダーを担当したときの様子です。

7~8枚の模造紙に、参加者の発言が「問題」「原因」などに分けて記録されています。

議論が進むと、参加者は席に座ったままではなく、壁に貼られた模造紙の前へ移動します。

ふせんが多いと、参加者が立って、ふせんの内容を確認できます

そして、

「この原因は、先ほどの問題ともつながっていますね」

「こちらの解決策と一緒に考えた方がよいのではありませんか」

と、自分たちで議論の関係を確認し始めます。

参加者が、自分たちで議論の流れと関係を確認します。

ふせんの価値は、紙に文字を書くことではありません。

議論を参加者全員の共有物にすることです。


💡もちろん、手書きのふせんにも弱点があります

ふせん会議には、次の弱点があります。

  • ふせん、模造紙、マジックなどの事務用品が必要

  • 読みやすい文字を書く必要がある

  • 書き間違えた場合、書き直しが必要

  • 会議後、プロジェクト管理へ使うにはデータ化が必要

  • 検索、集計、分析ができない

特に大きいのは、会議終了後のデータ化です。

模造紙の写真だけでは、

  • 担当者別の活動一覧

  • 期限別の進捗確認

  • 原因別の分析

  • 解決策の優先順位管理

ができません。

そこで私は、ふせん会議の結果をExcelへ入力し、その後のプロジェクト管理へ使う方法を取り入れました。

2015年にA社で行ったふせん会議でも、模造紙上のふせんを一行ずつExcelへ入力し、プロジェクト計画の進捗管理に活用しました。

今で言えば、ふせん会議のDX化です。


デジタル化すると、プロジェクト管理がとても楽にできるようになりました

(1) 入力: 会議の議論整理役であるセッションリーダーが、みんなの前で発言内容を、どんどんポストイットに書いて貼ったもの

ふせん会議の結果 模造紙2枚のケース

(2) excelに入力: 模造紙に書かれた議事録を、一行ごとexcelに入力します

(3) CPS用のexcelを準備: 下のようなexcelのシートを作っておく

(4) excel入力後: このフォーマットのexcelシートに、模造紙の内容を入力していきます

(5) 誤記や文章をわかりやすく訂正: ポストイットは必ずしもわかりやすい文章表現になっていないことがあるので、意味は変えず、会議に参加していない人に、中学生でもわかる表現に直します

(6) プロジェクト推進に活用: (5)のexcelの1シートからpivot表を作ることで、様々な用途に活用し、プロジェクトの成功を向上できます。

  • 原因一覧表

  • 解決策一覧表 

  • 解決策と原因の関係表:各解決策がどの問題の原因をカバーしているか?

  • 活動計画一覧表 :プロジェクトのtodoリストに使える

  •   などなど


💡手書きとデジタルは、どちらが正しいのか?

答えは、どちらか一方ではありません。

手書きのふせんが向いている場面

  • 初対面の関係者が集まる

  • 部門間の認識が大きく違う

  • 問題の全体像がまだ分からない

  • 参加者全員の合意形成を重視する

  • 問題・原因の関係を何度も組み替える

Excelなどデジタルが向いている場面

  • 会議結果をそのままデータとして残したい

  • 検索、並べ替え、集計をしたい

  • 活動計画の進捗管理へつなげたい

  • 誤字の修正や文章の推敲をしやすくしたい

  • 遠隔地の参加者と共有したい

大切なのは、道具ではありません。

CPSの本質は、

  • 発言を正確に聞き取る

  • 全員が見える形にする

  • 問題・原因・解決策の関係を整理する

  • 参加者全員の確認と合意を得る

ことです。

ふせんもExcelも、その本質を実現するための道具です。

Excelを使ったCPSについては、次の記事で詳しく紹介しています。

300回実践したふせん会議を、Excelで進化させた会議術とは?


💡まとめ

「今どき手書きのふせん?」という疑問への、私の答えは次の通りです。

ふせんには、三つの価値があります。

  1. 議論の全体像を、参加者全員が一覧できる

  2. 問題・原因・解決策の関係を、確認しながら修正できる

  3. 会議終了時に、全員合意の議事録が完成している

しかし、手書きに固執する必要はありません。

会議後のデータ管理や進捗確認には、Excelなどのデジタル技術が適しています。

ふせんで全体像と合意を作り、デジタルで実行と管理につなげる。

これが、現在の私の考える実践的な使い分けです。


💡最後に PLSシリーズ

この記事は、Project Leading Skill(PLS)の5つのプロジェクト推進力のうち、

問題解決技法(CPS)

に位置付けられるCore記事です。

この記事では、CPSで「ふせん」を使う意味と、デジタルとの使い分けを説明しました。

【ここに、問題解決技法へ名称を修正したPLS五角形図】


⭐次におすすめの記事

① PUB0054

会議が変わる瞬間―役割とルールを事前に合意する理由

CPSを始める前に、参加者と合意すべき役割とルールを紹介します。

② PUB0055

参加者が納得する、分かりやすい問題表現とはどう書くのか?

問題を抽象的な言葉ではなく、具体的な事実として表現する方法を紹介します。

③ PUB0052

みるみるプロジェクトが進む「ふせん会議術」とは?

CPS全体をもう一度確認したい方は、最初に読むCore記事へお戻りください。


💡PLS全体を知りたい方へ

問題解決技法(CPS)は、PLSを構成する5つのプロジェクト推進力の一つです。

PLS全体については、次の記事をご覧ください。

30年以上・100件以上の企業改革から体系化した「Project Leading Skill(PLS)」とは?


💡体系的に学びたい方へ

PLSの有料記事をまとめて読みたい方には、次のマガジンがあります。

【法人向け】プロジェクト推進力向上の5つの手法を解説

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