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令和における「映画」の生き残り方か?

 2025年の超話題作の映画『国宝』がサブスク解禁となった。

 これで映画館へ足を運ばなかった人も「『国宝』とはなんぞや?」トークが出来るようになったわけだ。
 アマプラ契約している人ならばだが…(苦笑)。

 そして、このケースは映画の【超王道】な売れ方。
 言い方を変えれば「昔ながらの売れ方」というか、映画における収益構造の【理想系】とも言える。

1.映画が大ヒットする
 ↓
2.最速が配信でスタート ←今ココ
 ↓
3.DVD&Blu-rayの発売
 ↓
4.地上波テレビ初放送

 っていうルートの。
 令和になって「2番」のサブスクが加わった今も、映画からテレビへ落としていく流れというのは変わらないと思われる。
 お金を払ってくれる人が早く見られる構造で、最後に無料のテレビで“認知”を獲得するっていうね。


 で!!
 令和の今、そんな昔ながらの映画の収益構造に一石を投じようとしているのが、我らが西野亮廣先生というわけだ。

 今年3月27日に公開された『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』だが、AI調べによると…


公開45日間(2026年5月10日時点)の、主なデータは以下の通りです。


 さらに、損益分岐点についても聞くと…


結論から言うと、観客動員数で「約150万人以上」が必要なラインと推測されます。

この数字の背景には、映画業界全体の仕組みと、今作が実施した「投資型クラウドファンディング(ファンド)」の設計が関係しています。具体的な仕組みと計算の裏側を見ていきましょう。

1. 損益分岐点は「興行収入21.9億円」

今作はクラウドファンディング(セキュリテ)で出資を募っており、その公開情報や報道によると、出資者が元本を回収できるリクープ(損益分岐)のラインは「興行収入 約21.9億円」とされています。

日本の映画業界では、チケット代(興行収入)の約50%が映画館の取り分となり、残りの50%から配給会社への手数料や宣伝費、そして製作費が支払われるため、一般的に「製作・宣伝費の約2倍の興行収入」が損益分岐点になります。

2. 観客動員数に換算すると?

映画のチケット代は、一般(2,000円)、シニア・学生、レイトショー、前売り券、そして小人料金などバラバラです。そのため、業界の平均的な「客単価(平均チケット価格)」をベースに計算します。

日本の映画市場の平均客単価は 約1,400円〜1,450円 です。

ファミリー層の鑑賞(子供料金)が多ければ客単価が下がるため、必要な動員数はさらに増え、150万人〜160万人ほどが必要になる計算です。

現在の状況とのギャップ

前述の通り、5月10日時点での最新データは以下のようになっています。

  • 必要な目標: 興行収入 21.9億円 / 観客動員 約150万人

  • 公開45日間の実績: 興行収入 5.1億円 / 観客動員 約38.2万人

興行収入・動員数ともに、損益分岐点に対して約4分の1にとどまっているのが現状です。


 ということで。
 これが、アンチが言うところの所謂【爆死】というわけだ。

 しかし、前作の約1/4になっても諦めないのが西野先生の凄いところ。
 現在、「映画の民営化」を打ち出し、観客動員数には影響しないけどイベントでの上映という方向に舵を切り出した。
 そして!

 予想していた通り、西野先生の会社が経営を受け継いでいるという河口湖の【音楽と森の美術館】の中に映画上映のための設備を整え始めた。

 しかし、この場所で上映したところで公式データとしての観客動員数は増えるわけではない。
 おそらく、このままいくと約40万人が公式データのフィニッシュラインになるだろう。

 が!!
 非公式の数字ながら…美術館でずっと映画の上映を続けていれば、いつか実数は100万人に届くかもしれない。
 それこそ、投資型クラウドファンディングの配分期限となる10年後とかには、そこそこの投資資金は回収できるだろう。

 一応補足しておくと、投資型クラファンのリターン(利益配分)は映画の興行収入だけではなく、グッズなどを含む『プペル2』に関わる全ての利益に対しリターンが発生するので、チケットが売れない=投資の失敗ではなく、グッズなどが爆売れしているのものあるので投資した人は最終的にプラスの結果になると思われる。
 というか、プラスになるまで西野先生はやるはずだし(笑)。


 で、こうした動向を見ていて思った。
 おそらく、銀幕業界の関係者は、西野先生と同じ動きを取らないと、今後とも映画は「博打」であり続けることになるんだろうな、、と。

 例えば!

 2025年に公開された映画『宝島』
 大友啓史監督、妻夫木聡さん主演の実写映画だが、その製作費は 約25億円と言われている。

 対して興行収入は、公開初動3日間で約1億6000万円(初登場7位)と、超特大の赤字となってしまったわけだ。
 ※AI調べ

 『宝島』だけではない。
 毎年毎年、大なり小なり、数千万円から数百万円まで…。
 それなりにお金を投じた映画が話題に上がることもなく、『鬼滅の刃』や『名探偵コナン』、『ドラえもん』といったヒット確実の超メジャー作品の陰に消えていっているはずだ。

 そして、それら赤字をこいた映画作品は、監督や俳優の「黒歴史」として葬り去られることになる。
 製作委員会に加わった(=投資した)面々からすればたまったもんじゃないはずだ。


 西野先生を追随するには、複雑すぎる映画の利権に関してトップダウンで交通整理する必要がある。
 『えんとつ町のプペル』は全ての権利を西野先生の会社が握っているから出来た偉業とも言える。
 同じことを出来るのは、映画関連会社だと「ジブリ」とかぐらいなもんかな?

 特に実写の…様々な事務所の俳優が出演する映画に関して、長期間上映し続けるためには様々な権利関係をクリアにしないとお金で揉める。
 かつ、それを主導する人物がいないといけないが、映画監督も出演俳優も、過去の作品は過去の作品として置いといて、次の新作に挑まないといけないわけで。
 演劇もそうだが、日本のこの「新作至上主義」が制作陣を苦しめる原因ともなっている。

 そして、長期間作品を支えるにはコミュニティが必要なわけで。
 西野先生は「オンラインサロン」という強固な岩盤支持層を抱えており、そこの中でグルグルと手を変え品を変え、回し続ければいいわけだ。

 しかし、各俳優たちの個人のファンクラブでは、過去の作品を支えきる横の団結力が無い。
 ゆえに「過去のヒットしなかった出演作は捨てる!」状態になっているわけで。


 日本には巨大なスクリーンを抱えた映画館以外にも、数十人〜数百人規模の座席を持つミニシアターとかがある。

 こうした映画館に、二番館・三番館として営業し続ける根気みたいなのが必要になる時代なんだろう。

 大手ほどそうした動きをやりにくいが、大手には体力(資本)がある。
 むしろ、弱小映画制作会社ほどこうした動きを真似していかないと、映画の未来(可能性)は萎んでいくばかりだ。

 映画史において、低予算で大ヒットした映画として例に挙げられるのは…アメリカだと『ブレアウィッチプロジェクト』とかがあるだろう。
 日本だと『カメラを止めるな!』などが記憶に新しいところかと。

 が、このヒットには再現性が一切無い。

作品の持つそもそもの魅力
 ×
数値化・言語化できない「何か」
 ×
時代

 が生み出した「偶然の産物」だと思われる。
 みんな「作品が良ければ絶対にヒットするはず」という宗教じみた願望に祈りすぎだ。

 アニメ映画のヒットメーカーと言われた細田守監督ですら『果てしなきスカーレット』が大ゴケする時代なんだしねぇ。

作品を完成させて、封切り時に宣伝しまくって、あとは時代の流れにおまかせ!

 …という悪習をなんとかしないと、映画業界に未来は無い。

 だからこそ、西野先生の動きには注目すべきだし、大手こそ追随すべきなのだと自分は思っている。

 キモになるのは「監督のファンコミュニティー」なんじゃないかな?




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