複雑なことを考えることが苦手なのに自分で決めたい権力者
トランプ大統領が『日本の非関税障壁』として厳しい自動車安全基準を挙げた。これが厳しすぎるからアメ車が日本市場に入れない、と怒っている。
この言いがかりに対して検討する可能性がある旨、自民党幹部がテレビ番組で語っていた。悩ましいですね……
もし日本政府が安全基準を緩めるとどうなるでしょうか?
おそらくは米国車の国内販売は相変わらず、であり、けれど中国車がどっと日本市場に入って来るかもしれません。おそらく彼らも(こそが)日本の安全基準は厳しすぎる、と思っていたことでしょうから。
上記は一例ですが、トランプ大統領はきわめて物事を単純に捉え、二元一次方程式(例:ax+by=c)のように、
「 y を減らせば x が増えるはずだ」
あらゆる場面で声高に言い張り、言い張るだけでなく、
「 y を減らさなければ取り引きをやめる」
と脅す。
世界が二つの国家だけになれば、あるいは彼のやり方で問題ないのかもしれない(それでもおそらく、多くの人が関わっている以上、『バタフライ効果』は起きる)。
彼が超大国の独裁者と直接取り引きしたがるのは、あるいは、それを理解しているからかもしれず、『より単純な世界』を求めているのかもしれない。
でも、現実世界はもっと複雑な多元高次方程式であり、かつて流行った言葉を使えば『複雑系』に他ならない。
(複雑系:異なる種類の構成要素が非線型に関連しあうネットワーク)
複雑であるからこそ、政権運営 ── 特に経済政策 ── は『専門家』の助けを必要とする。
けれど『単純さ』を好む彼は専門家の意見を排除しようとする。専門家に任せる、ということがどうしてもできない。
FRBのパウエル議長を解任する、と言い出したのがいい例で、でも世間はバカじゃない ── 専門家に任せるのがいいのか、単純思考の『裸の王様』に任せるのがいいのか、よくわかっている(だから昨日、米国株が暴落した)。
複雑な思考が苦手なのにもかかわらず、専門家に委ねるのは嫌で、全て自分で判断したい(しかも、思い付くと即SNSで発信する)── これはなぜだろう?
自意識過剰であり、成果を彼個人のものとし、彼個人がホメられたいのでしょうけれど……
今からちょうど3年前の4月に書いた記事を引用しますが、やはりこの人、
『自己愛性パーソナリティ障害』
なのでしょうね。
自己愛性パーソナリティ障害の症状:
(太字は私がトランプさんに当てはまると考えた項目)
・人より優れていると信じている
・権力、成功、自己の魅力について空想を巡らす
・業績や才能を誇張する
・絶え間ない賛美と称賛を期待する
・自分は特別であると信じており、その信念に従って行動する
・人の感情や感覚を認識しそこなう
・人が自分のアイデアや計画に従うことを期待する
・人を利用する
・劣っていると感じた人々に高慢な態度をとる
・嫉妬されていると思い込む
・他人を嫉妬する
・多くの人間関係においてトラブルが見られる
・非現実的な目標を定める
・容易に傷つき、拒否されたと感じる
・脆く崩れやすい自尊心を抱えている
・感傷的にならず、冷淡な人物であるように見える
和訳はWikipediaより引用
自分で決めたがるのは、自分が優れていると信じており、自分を称賛して欲しいのでしょう。
もし、側近の中にアメリカおよびアメリカ国民のことを第一に考える人がいたら、彼にはついていけないでしょうね(だから第一次政権では人が離れていった)。
今度は忠実な者しかいないから大丈夫らしいけれど、
── 今の彼に『忠実な』ってなんだろう?
『MAGA』ではなく、
『Make Trump Great Again』であり、
『America First』よりも、
『Trump First』を優先する人たちなんでしょうね。
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それでもトランプさんの支持は(低下したとはいえ)一定数を確保しています。それはどうしてか?
次回は(たぶん)その点を考察したいと思います。
こちらに書きました:
