「コミュニケーションの非言語要素」に注目して面接試験対策を行う【大学受験・面接対策】

更新日:2026/06/23

(〆野の自己紹介はこちらから見られます。)

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「人は見た目が9割」・「人は第一印象で決まる」は本当か?~「メラビアンの法則」を巡る言説~

 面接試験対策では、「その質問に対してどのような答えを返すか」といった「答える内容」にとかく注意がいきがちですが、その現場で面接官に対してどのような「見た目」で自身がその質問に回答しているか、ということにも意識を向けた方がいいでしょう。かつて「人は見た目が9割」という新書がベストセラーになりましたが、これはとても示唆的な本でした。それほどに、コミュニケーションでは「見た目」が大事なのです。

(『人は見た目が9割』)

 とは言え、ここでの「見た目」とは美女や美男子といった「ルックス」のよさのことではありません。筆者も述べていますが、これは「コミュニケーションにおける、言語以外の非言語的要素の重要性」について述べている本です。ただし、それを「非言語コミュニケーション入門」のようなタイトルにしなかったのはそれでは「書店にさえ相手にされない」からだと著者は言います。つまり「本を売る都合からあえて『シンプルでわかりやすいタイトル』にした」ということです。

 「本当に見た目が9割なのか」の根拠としてよく持ち出されるのが、「メラビアンの法則」です。これによると、コミュニケーションにおいて、言動が他者にどのように影響を与えるかについては、話の意味や内容といった言語情報(Verbal)が7%、口調や話のスピード、声のトーンなどの聴覚情報(Vocal)が38%、見た目などの視覚情報(Visual)が55%だと言います(※)。これをもって「『言語情報(バーバル)』以外の情報(ノンバーバル)が9割を占めている」ことから、前述の本では「見た目が9割」と言っているのだとされています。ですが、実はこれは、アメリカの心理学者であるアルバート・メラビアンが本来意図とすることとは若干異なり、多くの識者からそれは恣意的な解釈を促すと指摘されています(視覚情報=見た目が9割を占めているのではないため)。ただし、この本をはじめとする「メラビアンの法則」に影響された多くの言説の示唆するところは大きいと言えます。なぜなら、「見た目が9割は言い過ぎ」だとしても、コミュニケーションにおける、しぐさや表情、声のトーンなどの非言語要素(視覚情報と聴覚情報=ノンバーバル)の影響力は思うほど大きいということがわかるからです。また、同じくメラビアンの法則で、人の第一印象は出会ってから3~5秒で決まると言われています。これも非言語要素の影響力の大きさを示すものです。「視覚情報だけで全てが決まる」と考えるのは極端ですが、コミュニケーション情報の大きな部分を非言語要素が担っているのは間違いないことであり、そして本来のメラビアンの実験意図などから考えると、「コミュニケーションにおいては、上記の情報の三要素(3V)の自然的統一が重要だ」と言えるでしょう。

(ここまでの内容は以下の記事を参考にしました。)

 そこで、ここでは今までの話を踏まえて、非言語的要素に注目した面接試験対策を考えていきます。

※ なお、これによく似た言説として、文化人類学者・非言語コミュニケーション研究者のレイ・L・バードウィステルによる「二者間のコミュニケーションでは、ことばによって伝えられるメッセージは全体の25%に過ぎず、残りの65%はことば以外の手段によって伝えられる」というのがある(以下の論文を参照)。

(紀要論文『言語によるコミュニケーションと非言語コミュニケーションの比較』相亰 美樹子)

各非言語要素別「面接での適切なふるまい」

 これが全てではありませんが、面接試験に大きくかかわると考えられるコミュニケーションの非言語的要素(非言語コミュニケーション・ノンバーバルコミュニケーション)には以下のものがあります。ここでは、各要素別に「面接内での適切なふるまい」についてまとめていきます。

1「表情」
2「視線」
3「ジェスチャー」
4「姿勢」
5「声のトーンや大きさ、話す速度」
6「服装」

 1については、「明るく、快活なイメージ」を与える「表情」が求められます。緊張する場なのでなかなか大変ですが、本番までに練習をして「場慣れ」しておく必要があるでしょう。ただし、無理やり元気にふるまう必要はありません。自然でやわらかな表情であれば問題ないでしょう。

 2「視線」については、相手に話す時や相手の話を聞くときに「目を合わせる」ようにするとよいでしょう。「今私はあなたに話を伝えている」、「今私はあなたの話を聞いている」という「証」として「相手の目を見る」とよいです。ただし、ずっと目を合わされると相手も変に緊張してしまうということがありますから、話をするにしても聞くにしても、その都度少し目線を外すなどしながら、「『自分の話で聞いてもらいたいところ』や『相手の話の重要なところ』で目線を合わせる」と、伝える内容や聞くべき内容が強調されるかたちとなり効果的です。

 3「ジェスチャー」については、演劇ではないので過度に行う必要はありませんが、面接での自然な会話のやりとりの中で出てくるジェスチャーはむしろ「人間味のある行為」なのでそのままでも大丈夫です。ただし、自分の本音が無意識にでやすいのもジェスチャーの特徴でもあるので注意が必要です。腕を組むなどは相手の考えに対する拒絶を意味します。また耳をかくなども相手の考えに反論したいときにでやすいと言われています。手元での無用な手いたずらは過度の緊張状態のときにでやすいです。ですから、基本は両手のひらを腿の上に置き、自分が話ししている中で「ここは相手に聞いてもらいたい」というところでジェスチャーが出るといった感じが、コミュニケーションとしては自然と言えます。

 4の「姿勢」は、背筋を伸ばして座席に深く腰掛けるのが基本です。猫背ではまさに「見た目が悪い」ですし、(オードリーの春日氏みたいに)変に胸を張っているのも不自然です。よく頭のてっぺんを糸でつっているようなイメージで背筋を伸ばすとちょうどよいと言われます。

 5の「声のトーンや大きさ、話す速度」についてですが、まず、声のトーンや大きさは相手(面接官や他の受験生)とどのくらい離れているかによって調節します。至近距離で大声を出すのも不自然ですし、離れているのに小さな声では相手の耳に届きません。また。普段から「大きな声」と言われる人も「小さな声」と言われる人も、それに自覚的になって面接に臨むようにするとよいです。さらに、話すスピードについて普段から「速い」と言われる人も「遅い(のんびりしている)」と言われる人も、どちらも注意が必要です。心理学的には、相手と話すテンポが同じときは意志疎通がスムーズで会話が弾みやすいと言われます(逆にテンポが合わないと話しもお互い伝わりづらくなる)。相手の話のテンポにも意識を向けましょう。

 6の「服装」については、一般的な高校生は制服で面接に臨むので大きな問題はありませんが、こうした「見た目」も問題になってきます。制服のない高校の生徒は、華美ではない、比較的フォーマルな格好が望ましいです。カジュアルでくだけた服装は、場にそぐわず話の説得性を欠きます。不安なら、周りの大人に相談しチェックしてもらうとよいでしょう。また浪人生は、高校生より「大人」なので、スーツなどが一般的と言えます。

非言語要素のチェックをするには

 以上のような非言語要素をチェックするには、実践的な面接練習の際に、練習相手である高校や塾・予備校の先生に指摘をもらうとよいでしょう。なかなか自分自身では気付きにくいので、第三者に直接見てもらい気が付いたことを言ってもらうと自身の非言語要素におけるウィークポイントに気づきやすくなります。

 また、面接練習中の様子を動画撮影し後で見るのも、チェック方法として有効です。今はスマートフォンなどで動画撮影が簡単にできるので、自分が面接練習をしているところを動画で撮っておいて後で見直すのもよいです。「面接中の様子が自分の思っていたのと違う」なんてことに気付くかもしれません。

まとめ ~コミュニケーションの非言語要素にも目を向けて面接試験対策を行ってみよう~

 決して「『見た目』が全てで、面接で話す内容はどうでもいい」ということではありません。むしろ、「面接で話す内容がよくても、『見た目を含む非言語要素』が適切でなければせっかくのいい内容も相手に効果的に伝わらない」と考える方が適切で正確な認識です。

 面接で答える内容をしっかりと考えた上で、それが効果的に見込み通りに相手(面接官や他の受験生)に伝わるために、どういう表情やジェスチャー、話し方で話したらよいのか考えてみるとよいでしょう。考えてみればわかることだと思いますが、いくらよいことを言っていても、それに言動が合っていなければ、その内容も説得力をもって伝わりません。こうした非言語要素にも注意して、面接試験対策を行うようにしてください。

(なぜ声や話し方で「印象」が変わるのか。聴覚情報がコミュニケーションに及ぼす影響や効果について考える一冊です。)


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(こちらの記事では、志望理由書を基にした実践的な面接試験対策の取り組みについてお話ししています。質問と回答を想定して「マイ面接想定問答集」を作ると、より万全な面接試験対策となります。)

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