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A32_"伝えたのに動いてもらえない"の原因は、言葉の意味のズレだった

連絡した。確認した。期限にも間に合っていた。


なのに、思い通りに動いていなかった。
原因は、言葉の意味にあった。


ズレの正体──前年度の振り返りから

ある朝会のことが、ずっと頭に残っていました。

前年度の期末考査。教務課のメンバーには連絡・確認を依頼していました。なのに、教員が動けるレベルの内容になっていなかった。能力の問題でも、意欲の問題でもありませんでした。

原因を探っていくと、一つのことに気づきました。自分が「連絡する」「確認する」「期限に間に合う」という言葉を使うとき、相手が同じ意味で受け取っていると思い込んでいたのです。

同じ言葉を使っていても、頭の中で描いている地図が、違っていました。

仕事のズレは、能力不足や注意不足だけで起きるわけではありません。むしろ、同じ言葉なのに意味が違うことで起きることの方が、多いのではないかと思います。連絡する・確認する・期限に間に合う──よく使う言葉ほど、意味をすり合わせないまま使ってしまう。

メンバーに依頼したのに、思い通りに動いていないと感じたこと、思い当たりませんか?


「連絡」には2種類ある

1つ目:情報伝達としての連絡
日時・内容・注意点などを知らせること。

2つ目:行動設計としての連絡
連絡を受けた人が、その後どう動けばよいか迷わない状態まで整えて伝えること。

期末考査の朝会では、教員への伝達が必要です。「どのタイミングで何を言うか」「問い合わせが来たらどう答えるか」まで整えて、初めて連絡が機能します。

私が必要としていたのは、単なる情報伝達ではありませんでした。「この場面ではこう言ってください」という形で、動き方まで設計した連絡が必要でした。

連絡文が正確であることと、連絡文で動けることは、違います。

連絡するとは、情報を渡すことではなく、相手が迷わず動ける状態を作ること。そこまでが「連絡」だと、当時は思えていませんでした。

「確認」には2種類ある

1つ目:内容確認としての確認
誤字脱字・内容の誤り・事実関係の間違いがないかを見ること。

2つ目:認識合わせとしての確認
その文言を読んだとき、関係者が同じ運用イメージを持てるかを見ること。

「これ、確認しましたか?」

この問いかけを、内容確認の意味で使っていました。相手も内容確認の意味で受け取っていました。

でも本当に必要だったのは、認識合わせとしての確認でした。「この文を読んで、あなたはどう動きますか?」という確認です。

お互いに悪気はなく、ただ同じ言葉を違う意味で使っていただけでした。

「期限に間に合う」には2種類ある

1つ目:作成完了としての期限
実施要項や連絡文書が、期限までに形として完成していること。

2つ目:運用成立としての期限
文書ができているだけでなく、それをもとに関係者が迷わず動ける状態まで整っていること。

期限に間に合っていた。
でも、運用が成立していなかった。

「間に合っている」のに「整っていない」という状態が、確かに存在します。

求めていたのは文書の完成ではなく、運用の成立でした。その違いを当時の自分は言葉にできていなかった。

舞台のセットが揃っても、キャストが台詞を知らなければ幕は開けられない。


今年、変えたこと・変わったこと

気づきをもとに、今年は時系列に沿った簡単なマニュアルを作り、連絡文言をお互いに確認しました。

大事だったのはマニュアルを作ること自体ではありません。それぞれの言葉の意味を、お互いに見える形にしたことです。

「連絡する」とはどういう状態か。
「確認する」とは何を見ることか。
「期限に間に合う」とは、いつ・何が・どの状態になっていることか。

特別なことはしていません。「連絡とはどこまでを指しますか?」「確認済みとはどの状態ですか?」一言聞くだけです。

連絡内容が必要十分になり、聞いた教員が誤解なく動けるようになった実感があります。

言葉の意味をすり合わせただけで、朝会の風景が変わりました。


これから意識したいこと

仕事で誰かに何かを頼む前に、使っている言葉を1つだけ点検してみてください。その言葉、2種類の意味を含んでいませんか?

そして、こう伝えてみる。

「この言葉には2種類ありますよね。
今回はこちらの意味で使っています。」

それだけで、仕事のズレはかなり減らせます。

仕事でモヤモヤを感じても、すぐに答えを出そうとしなくていいです。
「少し考えてから返しますね」と一言伝えて、時間を置く。
落ち着いてから考える。「この言葉、〇〇という意味なのか、△△という意味なのか、2種類にとれるかもしれない」と。
そこまで整理できたら、「この言葉、こういう意味とこういう意味の2種類があると思うのですが、どちらの意味でしたか?」と相手に確認します。

同じ言葉を使っていても、同じ地図を見ているとは限らない。仕事の依頼は、言葉の定義合わせから始める。

こう考えるようになってから、相手と確認するときの指針が明確になりました。

あなたが今使っている言葉、2種類以上の意味を含んでませんか?


人生の限りある時間を大切に。シンパクト和 でした。
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