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浪江・楢葉・小高 幸せドライブ日記

 春分の日だった先週金曜日、私と夫は日帰りドライブで福島県の浜通り方面へと出かけた。
 目的地は、浪江町の「道の駅なみえ」。


 道の駅なみえに着いたのは、お昼前だった。
 ちょうど、この日はオープンから5周年を祝うイベントが開催されていた。
 駐車場はすでにいっぱいで、入場を待つ車が列をなしていた。
 それでも、臨時駐車場となっていた役場側にはまだ空きがあったので、そちらに車を停める。
 敷地内は、梅の花が満開。
 (2026.3.26追記 役場に咲いていたのは梅ではなく紅房桜でした。浪江町役場の紅房桜は、浪江町役場の紅房桜 - ふくしまの旅 という福島県の観光案内サイトでも紹介されています。)
 その下では、体長15センチほどの野鳥が、人を怖がることもなくヒョコヒョコと歩き回っていた。


 信号を渡り、道の駅へ。
 最初に向かったのは、地場産品販売施設「なみえの技・なりわい館」の大堀相馬焼コーナー。
 この日はイベント開催日とあって、店内には多くの人の姿があった。
 SNSで繋がりのあった浪江町出身の方も、お彼岸のお墓参りに帰省されていた。私たち夫婦に気付いて声をかけてくださり、ご挨拶出来たことも嬉しかった。
 さらには、「なみえアベンジャーズ」のマスクマン「大堀相馬焼ウーマン」さんと「モルックマン」さんの姿も。これまでにもお話しさせていただいたことはあったけれど、今回は初めて一緒にお写真も撮らせていただいた。


嬉しい記念撮影
皆様ありがとうございました!



 思いがけない出会いや再会を喜んだ後、半谷窯さんのお皿と、松永窯さんの徳利を購入。
 さらに、同じ建物内の鈴木酒造店さんで、日本酒とおつまみも購入。


「なみえの技・なりわい館」の大堀相馬焼コーナーにて購入した徳利と中鉢
鈴木酒造店さんで購入した日本酒
「純米吟醸酒 磐城壽 3.11メモリアル酒ゴールデンスランバ」
製造は山形県の長井蔵
鈴木酒造店さんは浪江町での酒造りを復活した後も
並行して長井蔵でも酒造りを続けている
どちらのお酒も美味しい、鈴木酒造店の味
「道の駅なみえ」の産直コーナーにて購入
相馬・松川浦産のあおさと、請戸漁港で水揚げされたイナダの味噌漬け
請戸もののイナダの味噌漬けは今回初めて購入
美味しかった!

 こちらの道の駅は、フードコートも充実している。
 特産品のしらすを使った丼物や海鮮はもちろん、ラーメンもイタリアンも美味しい。
 けれど、この日はいつも以上の大混雑。
 ここでの食事はまたの機会にしよう、と切り替え、道の駅にて、いつもの「浜の輝たまねぎポン酢ドレッシング」や川内村産のお米で醸された日本酒「歸宴(かえるのうたげ)」などを購入。



 食事に向かったのは、楢葉町だった。
 目的地は、豚壱さん。


 豚壱さんの豚丼を初めて食べたのは、東京だった。
 今から10年近く前になるだろうか。「日本橋ふくしま館ミデッテ」のフードコーナーに、豚壱さんが出店していた。
 北海道生まれの私にとって、豚丼は、お馴染みの味。帯広の有名店でも食べたことがあるし、市販の豚丼のたれを買ってきて自宅で作って食べたことも、何度もあった。
 けれど、そんな私でも、豚壱さんの豚丼の美味しさには、ビックリした。
 薄切りの豚肉をふちがカリカリになるまで焼いたところに、うな丼のような和風のたれをからめた豚壱さんの豚丼。
 カリカリなのに、柔らか。
 ボリューム満点なのに、しつこさ皆無。
 大好きになった。
 仙台から気軽に通える距離ではないけれど、それでも、これまでに何度もお店に足を運んでいた。


 今年に入ってからは、初めての訪問。
 私は定番の豚丼を、夫はミニ豚丼となみえ焼きそばのセットを注文。

福島県楢葉町 豚壱さんの豚丼
ミニ豚丼となみえ焼きそばのセット

「ウマっ!」
「うんまぁぁぁ~っ!」

 夫婦そろって、他に言葉は無い。
 美味。
 満腹。
 大満足。

 豚壱さんは、「道の駅ならは」のすぐそばにある。
 せっかくの機会なので道の駅にも寄り、楢葉町産のとれたて野菜や楢葉町特産のゆずを使ったゆずぽん酢、日本酒「楢葉の風」など購入。
 あとは、南相馬のお菓子屋さんに寄って、石巻へのお土産を購入すれば本日のミッションはすべて完了。


 では、あったのだが。

 「ちょっとだけ、寄って欲しいところがあるんだけど、良い?」
 「どこ?」
 「小高の本屋さん。」

 夫にお願いして寄ってもらったのは、南相馬市小高区にある本屋「フルハウス」。


柳美里さんのエッセイ「南相馬メドレー」を購入
そして、おすすめ本が並べられた書棚から、和田誠さんの「装丁物語」を購入


 初めての訪問。
 けれど実は、6年前の約束を果たすための訪問でもあった。


 2020年の春。コロナ禍が始まったばかりの頃だった。私は北海道の地方都市で暮らしていた。
 東日本大震災と、その後に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で、一部の区間が長い間不通となっていたJR常磐線が、避難指示の解除によって全面開通した頃だった。
 南相馬市の小高では、以前、ライブをさせてもらったことがあった。
 ライブの後も、東北を訪れた際には度々足を運んでいた。
 でも、いつも、誰かの車に乗せてもらっての訪問だった。

 コロナ禍が落ち着いたら、また小高に行きます。
 次は、常磐線に乗って。
 フルハウスにも、行きます。


 Twitter上で私が呟いたそんな言葉に、フルハウスのオーナーである作家の柳美里さんが、レスをくれた。

 「お待ちしています」と。


 約束を果たすまでに、6年。
 やっと訪れることの出来たフルハウスは、明るい店内に本が整然と並んでいた。
 その一冊一冊に、こだわり、というよりも、本への愛情が込められている気がした。
 この日、オーナーの柳美里さんは不在だった。お会いすることは出来なかった。でも、行けて良かった。
 今回も、車での訪問だったけれど、車から常磐線の列車を目にした。
 嬉しかった。


 嬉しいことは、もうひとつあった。
 「フルハウス」の近くには、古本屋さんののぼりが立っていた。
 「小高古本店」のものだった。


 何の予備知識も無く、けれど吸い込まれるように店内へ。
 お店の中には、文芸書のハードカバーを中心に、たくさんの本が並べられていた。
 図書館みたいだった。
 ずっと気になっていたけれど未読だった本を、2冊購入。

青木玉さんの「小石川の家」
ハードカバーで手に入れられるとは!
太宰治の「津軽」
実は、太宰治は「走れメロス」も「斜陽」も「人間失格」も苦手なのですが
「津軽」は一昨年、太宰の生家を訪れた際に展示で見て
読んでみたいと思っていた作品なのです


 小高駅前が、こんなにも本好きの天国になっているとは知らなかった。
 「フルハウス」も「小高古本店」も、また行こうと思った。


 小高での短時間ながらも充実したひとときの後は、本来の目的地・南相馬市小高区の『お菓子の松月堂』さんへ。


 お供え用とおやつ用、そして石巻の義実家へのお土産用のお菓子の詰め合わせを購入。

 浪江町、楢葉町、南相馬市の三か所だけではあったけれど、福島浜通りをたっぷりと楽しんで帰路に就いた。

 その日の晩酌では、浜通りの海の幸と野菜を美味しくいただいた。

2026.3.20.晩酌風景

 請戸漁港水揚げのイナダの味噌漬け焼き
 楢葉町産のカブの相馬・松川浦産のあおさ餡かけ
 楢葉町産のアスパラガスのマヨネーズがけ
 宮城県産の大根とミニトマト、カニカマの酢の物
 鈴木酒造店で買ってきたイカの燻製

冷凍販売されていたイナダの味噌漬けは4切れ入り
旨味がぎゅっと凝縮されて皮まで美味しい
カブは皮をむいて一口大に切り、酒と塩、少量のみりんで煮込む
柔らかくなったら乾燥あおさを加え、水溶き片栗粉でとろみをつけて餡かけ風に
カブの甘さとあおさの風味が相性抜群!


 ちょっと買い物がてら、道の駅へ。そんな軽い気持ちでドライブに出かけた一日は、美味しいものと嬉しいこと尽くしの幸せな一日になった。
 福島浜通り、楽しかった。
 浪江町も、楢葉町も、そして南相馬も、訪れるたびに好きな場所が増えてゆく。
 また会いたい人が、増えてゆく。


 また行こうと思う。


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