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タイ編1. スマホなし・英語力ゼロで初海外に飛び込んだ日|1日目前編

2002年、19歳。
僕はアルバイトで貯めたお金と、中学レベルの英語力だけを持って、初めて海外に飛び出した。

行き先はタイ。
5泊6日の貧乏旅行。

今から振り返ると、本当に何も知らなかった。
飛行機の搭乗時間すら知らなかったし、国際線というものが何なのかもわかっていなかった。

でも、この旅が、その後のすべてを変えた。

以下は、当時の日記。
何も知らない19歳の、正直すぎる記録です。


当時の日記より


待ちに待った初海外、最悪のスタートから始まる

今日、ついにこの日が来た。
待ちに待った初海外。しかもタイ。

それまで海外は、テレビや雑誌の中の話でしかなかった。
パスポートを取って、3ヶ月以上前から計画していたこの旅は、結局寝坊から始まり、最悪のスタートとなった。

結論を言うと、なんとかギリギリセーフで飛行機に乗れた訳だが、つくづく自分のルーズさにうんざりする。もう20歳になるのに。


出発前夜祭と、最悪の目覚め


昨晩、友人達と、「出発前夜祭だ!」と、緊張とワクワクを肴に飲み会をし、盛り上がった。
そして、気付くと深夜。

目が覚めた時、すぐに気づいた。

マズイ!急がないと!

飛行機にあまり乗ったことがなく、国際線は初めての無知な僕は、『急げば間に合う時間』だと信じ込み、前日に準備していた巨大なバックパックを背負い、ただただ急いで空港に向かった。


【44歳の僕から】


 今この日記を読み返すと、情けなさすぎて笑ってしまう。
国際線は出発の2時間前にチェックインするのが常識だと、この日初めて知った。

 でも、この失敗が僕に教えてくれたことがある。
 「知らないことは、恥じゃない。知らないまま動かないことが、恥だ」

この感覚は、その後の人生で何度も僕を救ってくれた。


30分前の空港、走るスチュワーデス



空港に30分くらい前に着き、「間に合った!」とチェックインカウンターへ。

誰もいない?……スタッフを見つけて声をかける。
その瞬間、スタッフの顔色が変わった。

そう。離陸の30分前だったのである。

一瞬の間…スタッフ間のやり取り…

……。

「なんとか間に合います!急いでください!!」

通路はずっと激走。
一緒に走る汗だくのスチュワーデス。

「機内食はご用意できない可能性が…」

僕は心から、いや、むしろ本当にすみません、と走り続け、

いやいやの税関員、

ため息混じりの韓国人スタッフ。

初海外の僕に奇跡が起き、いや、プロの皆様のおかげ様でなんとか搭乗することができた。

(今思い返すと、離陸時間に変更があったのか、なぜか乗せてもらえた。定刻通りなら通常、あり得ない…)


【44歳の僕から】



この時、空港スタッフの方々が見せてくれたプロフェッショナルな対応に、僕は本当に救われた。

後に福祉の世界で働くようになった時、「困っている人を、どう支えるか」という仕事の本質を考える原点に、実はこの日の記憶があったりする。

迷惑をかけたことに変わりはないけれど、この時の「なんとか間に合わせよう」と走ってくれたスタッフの姿は、今も心に残っている。


美人スチュワーデスの前で、ドキドキの機内食



大韓航空、ソウル・インチョン空港経由バンコク行き。乗り継ぎ時間は約3時間。

遅刻をして気まずい思いで座った席は、予約していた席ではなく、スチュワーデスのすぐ目の前の席。

短いスカートの綺麗な美人と向かい合いながら、激走で上がった心拍数に加えてドキドキしながら離陸をした。

機内食はないかもと言われていたが、出てきた。

今まで機内食が出る飛行機に乗ったことが無かったし、誰にも聞ける気持ちではなかったので、食べて良いのかすらわからず、手をつけないでいたら、美人スチュワーデスから韓国語で、「食べないの!?」と(多分)言われたので、またドキドキしながら食べた。


「すぐ慣れるよ」


ソウルからバンコクへ向かう機内では、隣に座った日本人(タンクトップ姿)と少し話をした。

彼は海外旅行に慣れた様子で、

「すぐ慣れるよ」

と言った。

その言葉が、なぜか妙に心に残った。


【44歳の僕から】


「すぐ慣れるよ」

 この一言が、どれだけ19歳の僕を楽にしてくれたか。
 たぶんその人は、何気なく言っただけだと思う。
 でも僕にとっては、初めての海外で感じていた不安を、少しだけ軽くしてくれる魔法の言葉だった。

人は誰かに、何気ない一言で勇気を与えることができる。
この経験は、後に相談員として働く時の、僕の基本姿勢になった。


バンコク到着、すべてが押し寄せる


バンコク国際空港に到着したのは夜。

空港の熱気、湿気、におい。
すべてが一気に押し寄せてきた。

「暑い」
「なんのにおい?」
「ここ、どこだ?次はどうすればよい?」

体も頭も、完全に追いついていなかった。

この日、私はまだ知らなかった。
この国が、“訳のわからないワンダーランド”であることを。


後半へ続く


次回は「1日目後半」。
「NO!」を連呼した夜と、バスを2時間探し回った話をお届けします。

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note香港編の1話目はこちら

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