【読書感想文】『流浪の月』普通って何?と考えたことがある人へ | 本屋大賞2020 |本屋大賞、全部読む
わたしと文(ふみ)の関係を表す適切な、世間が納得する名前はなにもない
こんにちは、情報翻訳家のすかわげんすけです。
執筆現在、22作ある本屋大賞。
2026年の候補作品10作も公開されました。

2作品、受賞している作家さんは
凪良ゆうさん、恩田陸さんの2人だけです。
凪良ゆうさんは、
まだ読んだことが無かったので
気になっていました。
手に取ったきっかけは
美容室。
家族全員で通っている美容室、
店長さんが本好きです。
本棚に並んでいる本を
自由に借りることができる
珍しい美容室なんです。
「凪良ゆうさん、気になってるんですよ。」
私がそう伝えたら、
「最高!『汝、星のごとく』はマイベストです!
でも今は借りられてるんですよー。
『流浪の月』もいいですよ!」
口調はチャラめですが、
すごくいい店長です。
本屋大賞受賞作だと、
知っていたので、借りてみました。
読んでみて、
めちゃくちゃ惹きこまれました。
凪良ゆうさん、すごすぎ。
めっちゃ面白いんですが、
同時に、
(これどうやって感想書けばいいかな……)
と、悩んでしまいました。
なんかぜいたくな悩みですね。
私が、読書アカウントをつくったのも、
「本屋大賞、全部読む」企画を始めたきっかけも
面白い!
スキ!
そういったうまく表現できない気持ちを
記事にして、
言語化するためでした。
なので苦戦は覚悟で、
この気持ちに向き合ってみたいと思います。
書けた時には
レベルアップしているはず……
どうぞお付き合いください。
「本屋大賞、全部読む」
2作目は
2020年の大賞
『流浪の月』です。
※当記事にはAmazonアソシエイトリンクが含まれます。
ざっくりとした前情報
この本を読む前に、
「なんと言葉にすればいいかわからない二人の関係性」
を描いた本。
という、
ざっくりとした前情報だけは持っていました。
それを聞いて、
いわゆるBLや、LGBTQとか、
そういったお話かなと思っていました。
ただ想像の範囲は
越えていました。
家族ではない、恋人ではない――
だけど文(ふみ)だけが、わたしに居場所をくれた。
彼と過ごす時間が、この世界で生き続けるためのよりどころになった。
広瀬すずさん、松坂桃李さん、
メインキャストで
映画化もされている作品です。
更紗(さらさ)と文(ふみ)という
2人の男女の関係性を描いています。
名前がまず素敵ですよね。
真実と事実の違い。
普通って何か。
読みながら深く、
考えさせられる一冊です。
こんな方におすすめ
・普通ってなんだろうと考えたことがある人
・考える時間が好きな人
・本を通して考え方や視点を広げたい人
・詩的な表現や綺麗な言葉が好きな人
・繊細さや儚さに魅力を感じる人
読書の良い所って
違う人生を疑似体験できる。
言葉にできないような
気持ちを、
本を通して感じることができる。
ここだと思っています。
この本を読まないと
絶対、体験できないような人生を
経験できます。
今ある当たり前や
普通だと感じている事。
習慣、家族関係。
隠れていた自分の気持ちに
気づくこともできるかもしれません。
ザ・恋愛小説といった内容
ではないです。
テーマは重めです。
全編通してではないですが、
暴力的な描写、つらい表現も一部あるので、
読むことがきつくなってしまう方もいると思います。
それでも、
先が気になって、
惹きこまれ、
一気に読んでしまう。
途中にでてくるセリフや
風景の描写にも
意味が込められています。
最後は救われるので、読後感は良いです。
多くは語らず、読者に委ねるラストですが、
私はハッピーエンドだと感じました。
余韻を味わって、
また新しく考えることがでてくる。
読者が、判断する側に立つ作品。
これが『流浪の月』の魅力のひとつ。
そう感じました。
感想を考える時間も含めて、
読んで本当に良かったです。
映画は小説と少し違うところもあるようですが、
評判も良いので、見てみようと思います。
読みやすさレベル ☆5がMAXです。
★★★
(星3)
355ページと少し文量が多い。
詩的な表現や心の描写が多く、
少し暴力的な描写が
読む人を選ぶところもあるかもしれません。
普段、本を読み慣れている方は☆5。
惹きこまれます。

この本の主人公は家内更紗(かないさらさ)
周りから変わっていると言われる両親の、
一人娘として育っていきました。
周りからは何を言われても
家に帰れば、
更紗にとって当たり前でしあわせな家庭。
そんな日々を過ごしていきます。
ですが小学生の時にお父さん。
次に、お母さんが離れていってしまいます。
伯母さんの家で暮らすこととなった更紗は、
今までの普通が
世間にとっては普通ではなかったことに気づきます。
自分の気持ちに蓋をして、過ごしていきますが、
小さな不快が積もり、
居心地の悪さを感じます。
そんな中、公園で本を読む青年、
佐伯文(さえきふみ)と出会います。
毎日、公園にいる文は
小学生たちからロリコンだと噂されています。
更紗は、周りの子が家に帰った後も
家に戻りたくないので、
公園で本を読んで過ごします。
最初は文のことを怖がっていた更紗も、
離れたベンチで毎日のように
本を読む文に興味を示すようになります。
この本はそんな少女時代の更紗と
大学生だった文の出会い。
そこから始まっていきます。
その後、衝撃的な展開から
時代が進み。
大人になった更紗の話。
そして、文の話。
という構成で進んでいきます。
特に印象に残った文
わたしと文の関係を表す適切な、
世間が納得する名前はなにもない。
逆に一緒にいてはいけない理由は山ほどある。
わたしたちはおかしいのだろうか。
その判定は、どうか、
わたしたち以外の人がしてほしい。
わたしたちは、もうそこにはいないので。
読み終わった後、
この文章がこの本のすべてではないかと感じました。
ここから物語が始まったのかなとか、
そんな想像もしました。
「事実」と「真実」の違い
この本で大きく描かれているのが、
「事実」と「真実」の違いというテーマです。
事実は、実際におきた出来事。
周囲からの見た目です。
それに対して真実は、その出来事の
当事者たちはどう感じていたかです。
そのふたつは、違うんだっていうことを、
作品全体を通して描いています。
例えば、外から見ると
「あの二人は全然仲が良くない」
と思える関係。
でも実は互いに惹かれ合っていて、
リスペクトを持った上で言い合いをしている。
当人同士じゃないと
わからないこともあります。
名前がつくような関係だけが
すべてではない。
「普通」なんてないんだよ、
っていうことを教えてくれる作品です。
世間で騒がれるような事件。
誹謗中傷があったりしますが、
すべて外からの意見です。
外からの意見や思い込みだけで、
判断せずに、
本人の気持ちや考えを
想像して尊重すべき。
この本を読んで
私が感じたことです。
おわりに
やっぱり本屋大賞に選ばれる作品は面白いです。
ジャンルも様々で、
この賞をきっかけに
読書体験の幅が広がっています。
面白いんだけど、
ネタバレをなるべく無くして、
「どうやったら面白さが伝わるか」
これが特に難しい作品でした。
でも、一度は読んでほしい本です。
いやー、書くの難しかった。
1ミリでも気になったり、
魅力が伝えられたら嬉しいです。
今度は、
凪良ゆうさんの
『汝、星のごとく』
借りたいです。
店長のマイベストとのことで、楽しみです。
借りられてないといいな!
それではまた!
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