「通知表をやめた」も凄いが、議論ができる職場である事が尊い。
突然ですが。
もしも皆さんのお子さんが通う小学校で「通知表をやめる」と決まったらどう思いますか?
小学校の先生であれば、勤務先の小学校で「通知表をやめてみないか?」と提案があったらどうでしょう?
・・・・・・・・。
きっと、難しい。
私自身も本を読み終えて、イザ自分の子供の小学校で「通知表廃止」となったらどう受け止めるだろうか?と考えてしまった。
通知表を廃止した小学校
ずっと気になっていたこちらの本を読み終えた。
2020年の学習指導要領改訂を前に、市から通知表の評価項目の見直しを依頼された國分校長が、「通知表そのもの」に疑問を持ち校長として着任した小学校で職員と話し合って通知表を廃止した…という内容。
この本の面白い所は、校長先生1人が改革について語るのではなく、それぞれの教員へのインタビュー、対談、保護者の声など色々な人の意見が織り交ぜられている所。
正直、この改革に対して「否定的」な声も結構入っているのだ。
いつもモヤモヤする
その中でも、廃止を推進した先生の言葉には「納得感」があった。
三堀の理想は、子どもたちが多様性を認め合い、学ぶ楽しさと喜びを分かち合う学校であること。そのためには、序列をつくらないようにしたいと考えている。
勉強にせよなんにせよ、得意な子と苦手な子がいる。「できる」ことだけをほめていると、子どもの間には「できる=よい子」という等式がすり込まれ、自然と序列が形成されていくと三堀は説明する。だからほめるときには、できたことだけでなく「もう一つ違う価値を付けるように工夫している」という。「できたね、がんばったからだよ」「楽しく書けた」「優しく言えた」「お友達の話をよく聞いてできた」といった具合だ。
(中略)
三堀にとって通知表は、普段からのそんな積み重ねをすべて台無しにしてしまうものだという。
できるという評価を受けた子は、あたかも人格的にも優れているかのように感じ、周りもそのように受け取る。できないという評価を受けた子はその逆だ。「まるでえらい人のお告げみたいに、子どもをランク付けしてしまう。有害なんです。ずっと嫌だと思っていた」
これを読んで、芦屋市の高島市長の事を思い出した。
高島市長のご両親は、テストの点数が良くても悪くても反応に全く差がなかったそうだ。
「それが良かった」と言っていた。
私は子供のテストが返ってきた時に100点だと、つい「やったじゃーん!!」と喜んでしまう。
単純なケアレスミスで80点等になると「ちゃんと読まなきゃ・・!」と余計な助言もしてしまう(^_^;)
でも、「点数が良い=良い子」ではない。
普段から褒める事を意識しよう!と取り組み始めた最中だけど、改めて気をつけたいと思った。
もう一人の廃止を推進した先生のコメントにも共感した。
学習評価というと、通知表やテストのようなものばかりが頭に浮かびがちだが、毎日の授業で子どもの取り組みに声を掛けるのも提出物にコメントを付けるのも、評価の一つの形だ。山田は、子どもたちの学びを後押しする観点から考えたときに、通知表は望ましい評価の手段だといえないという問題意識をもっていた。
これについては、雄剛さんのこの記事を思い出した。
記事を読んで、「是非コメントしたい!」と思ったもののその場で書ききれずに時間が経ってしまった。
雄剛さんの勤める小学校では、「全員一律でコメントを書く事を廃止しませんか?」という議論がされているそうだ。
(詳しくは読んでみてほしい)
でも雄剛さん自身はこれには反対されている。
私も保護者として反対。
勿論、「仕事量の調整」という側面があり仕方がない事もあるだろう。
でも、子供にとっては先生と「1対1」でやりとりができる唯一の場がコメントだと思う。
我が家の長男も、小3になり「日記帳」に毎週末日記を書くというのが宿題になった。
週末に書いて月曜日に提出。
金曜日に返却された時に、必ず先生がコメントを書いてくれている。
子供がどう思っているかはよく分からないが(笑)
私は、このコメントがとても楽しみだ。
まるで交換日記みたいで、とても温かい。
正直、通知表の○の数よりもコメントの方が「よく見てくれているな」と感じる様な気がする。
何よりも通知表というモノに対して「インパクトが強すぎる」と書かれていたのが印象的だった。
そうなのだ。
結局受け取った方は「○の数」や評価点ばかりに目が行ってしまう。
私自身も毎回モヤっとした気持ちになっている。
通知表のない小学校で育った子
通知表を廃止した年に入学した子供達が3年生になった時の担任の先生同士の対談が収録されていた。
入学当時から「通知表がない」中で育った子供達の様子は、親として「理想的な子供の姿だな」と感じる点が多かった。
子供達はテストに対しても、こう捉えているようだ。
テストは分かったことと、できないことを区別するため。
だからテストの○の数よりも、間違えた所があると「何で間違えたんだろう?」と理由を考えるらしい。
他にも凄く素敵な姿だと感じる部分があったので、気になる方は是非読んでみて欲しい。
その職場が凄い
本は通知表に関して書かれた本だ。
だけど私は読み終えてみて「何よりも、この職場のエネルギーが凄い」と感心した。
複数の先生が「コレって必要?」と思っていても、口に出さないケースは多い。
口に出したとしても「変化」を起こす事はエネルギーが要る。
実際に、通知表廃止から3年経過した時点でも「否定派」の先生や反対する保護者の声があり、それがそのまま本に載せられている。
単に働き方改革で廃止するワケではない。
「子供の成長にとってより良い評価方法」について議論を続けてきた。
小学校が云々以上に、そういう「議論ができる職場」って素晴らしい。
「ずっと嫌だと思ってきた」と言っていた先生も、この議論に参加できてやりがいを感じられたのではないだろうか?
この本は2023年に発売されたので、本に出てくる校長先生は現在既に定年退職を迎えている。
他の先生達もきっと異動されている方も多いだろう。
だけど、こういう動きが全国に広がり「より良い未来」に向けて議論ができる職場が増えると良いな…と。
もうすぐ無職になる私が思っていたりする(笑)
今日も有難うございました。
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