いつもの毎日の奥には
朝起きて、歯を磨いて、顔を洗う。
白湯を飲み、瞑想をして、
レッスンに入る。
淡々といつもの習慣をこなしていくと、
生活の根っこが少しずつ落ち着いてくるようで、ほっとする。
レッスンの後、パソコンに向かい、ひと段落したところでキッチンに立つ。
お昼は、かぼちゃとしめじ、蒸し大豆を入れてクリームシチューを作った。
寒くなると、しみじみこういうものが欲しくなる。
ご飯をスプーンにすくい、
シチューにひたして食べる。
かぼちゃのとろっと溶けた甘みがごはんを包む。
口の中に、まあるい甘さがひろがっていく。
うん、おいしい。
お供には、昨日買った道の駅のキムチ。
ピリッとした辛さが口の中を軽やかにリセットしてくれる。
なんともいい組み合わせだ。
キムチの蓋を見ると、「おとうちゃんのキムチ」と書かれ、
優しそうなお父さんの横顔のシールが貼ってある。
けれど、生産者のところには「麻里子」とあった。
これは、麻里子さんのお父さんの味なのだろうか。
子どもの頃から食べていた懐かしい味なのかもしれない。
それとも、誰かから受け継いだ味を、
今も作り続けているのだろうか。
麻里子さんの人生を、ひとしきり勝手に想像していたら、
このキムチが急に身近で、大切なもののように感じられてきた。
一人の中に歴史がある。
胸がいっぱいになった日も、
涙の止まらない日もあったのだろう。
愛おしい日も、
どうしようもない日も。
麻里子さんも、私も、今を生きている。
午後は、ずっと手をつけたかったホームページの改修に向き合う。
合間に絵を描き、夕方に最後のレッスンをした。
夜ごはんを食べて、帰ってきたパートナーと言葉を交わす。
いつもの毎日。
けれどその奥には、
それぞれが精一杯生きてきた時間がある。
みんな生きてるんだなと思うと、
胸の奥がじわりとした。
