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全部のスイッチ切ったろか

5月24日(日)

朝、食器かごの汚れが目について、スポンジで洗う。
溝や箸入れの隙間にぐいっと押し込み、奥までこすった。
シャワーを出して洗い流すと、白い受け皿の上で水が弾け、きらきら跳ねた。

「お、朝から掃除してんの」
パートナーがリビングに入ってきて言う。

小さくイラッとする。
掃除してんの、じゃなくてありがとうじゃない?

「うん、気になっちゃって」

それだけ言って、冷蔵庫を開ける。

「どうしたーん?昨日いっぱい外出て疲れてるんじゃろー。眠れた?」
彼はおどけた声で言って、頭を撫でた。

瞑想をして、お昼にイカ飯とサラダ、きのこの炒め物を食べる。

新しく作ったドレッシングは美味しくて、
「このドレッシング飲めるわ」と二人でわしわしとサラダを食べた。

食後に本を読みながらソファに横たわる。

「お店やさんごっこしよー!」
「いらっしゃいませー!」

外の子どもたちの声を聞いているうちに、そのまま眠ってしまった。

気がつくとすっかり夕方の気配だった。
溜まっていた仕事をいくつか片して、夕食を食べる。
食後、またスマホを取り出して作業の続きをしていると、
「ほら、眉間に皺寄っとる。また風呂上がりに辛くなるぞ」と声がする。

お風呂から上がると、やっぱり少ししんどい。

「ふぅー」
息をついてると、

「じゃけぇ、言っとる。お前は神経使いすぎなんじゃ。一度お前のからだ入って全部のスイッチ切ったろか」
そう言ってパートナーは笑った。

趣味の読書でも頭を使ってること、
時間ができたと思ったら請願書を書き始めてまた頭を使ってること、
オンとオフの切り替えがないこと。

何度も言われてきたことを、今日もまた聞いている。

「わかってるよぉー」
思わず壁にからだを隠して頭だけ出す。

「まあ、けど前はひとみと旅行行けるとか考えられんかったもんな。
今は普通に旅行も行けるし、出掛けられるし、
本当元気になったよ。けど元気になってまた神経使っちゃしょうがないけぇ」

「はーい」

「いつも返事だけじゃ!右から左に抜けてるんじゃろ。未来の子供たちも大事じゃ。けどまずは藤田家が……」

何度も何度も聞いている言葉を聞きながら、また笑ってしまう。

「そうだねぇ、ほんと仰るとおりよ」

そう言って彼の背中を撫でた。

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