ささくれがほどけていく
朝から胸の奥が少しイライラしたような、ささくれだった心がある。
やかんを持つ。
お湯を注ぐ。
その一つひとつに力が入っている。
窓を大きく開けて、
肩まで布団にくるまりながら瞑想に入った。
からだはぬくぬくと温かいのに、
頬にはひんやりと冷たい風がふれる。
このコントラストが気持ちいい。
目を閉じて、
肩の力が抜けるのを感じながら、
からだの奥へゆっくり意識をおろしていく。
今ここにあるものはなんだろう。
あたたかなぬくもり。
同時に、左胸の奥からみぞおちに向かって重さが広がっている。
もやもやと少し荒立つものがある。
ただ感じる。
何もしない。
怒りも不安も悲しみも、消そうとすると固まるけど、
ただ側にいると、ゆっくり動きはじめる。
流れを止めず、
起きていることが起きているままに任せる。
しばらくすると、もやもやが温度を変え、
あたたかさと混ざり合っていく。
胸がゆるみ、その心地よい重さがお腹にまで広がって、目を開けた。
午前中はいつもよりゆっくり仕事をして、
お昼を食べたあとソファに横になった。
満たされたからだに、あたたかな日差し。
うとうとと、まどろみの層を漂う。
夕方のレッスンを終えて、
早めにパソコンを閉じてお風呂へ入る。
お湯のやわらかさが、からだに馴染んでいく。
手の甲、腕、肩。
ゆっくり撫でながら、
「最近、負担かけてるねぇ。ありがとう。」とつぶやく。
そのまま、胸、みぞおち、お腹、腰、足裏まで触れていく。
お風呂上がりにアロマを焚いた。
ラベンダー、ベルガモット、サンダルウッド。
マットにうつ伏せになり、横を向く。
床が水平線のようにまっすぐ伸びている。
ふぅ、と力を抜くと大地が下から支えてくれているのを感じる。
力が入っていると気づけない、大きな支え。
世界中のみんなが、ごろん、と寝転んで
一斉に力を抜いている姿を思い浮かべた。
ふっと笑って、またひとつ力がほどけた。
