自分の人生は自分で作る、と決めた日
その日、私はがっくりと肩を落として会社を出ました。
その時私は26歳。社会人になって4年目が終わる頃でした。
それまで自分なりに頑張って取り組んできた部署からの異動命令。
そのショックが大きく、どうやって時間を過ごしたのか記憶にありません、、、。
「何が悪かったのか、、、」
「もっと真面目にやればよかったな、、、」
「これからどうしようか、、、」
しかし、当時の日本のサラリーマンは突然の人事異動なんてフツーのことでした。
とにかく辞令一本で日本中(いや世界中)どこでも行って、やれと言われたことをやる。
単身赴任も厭わず、せっかく建てたマイホームにもほとんど住むことなく転勤する、、、そんなのは当たり前のことでした。
まあ、私の場合は転勤じゃなかったし、独身だったからそんなに深刻でもなかったですが、当時の上司や同僚にはそんな人が大勢いました。
企業戦士、という言葉にとてもリアリティがあった時代です。

しかし、、、と私は考えました。
ホントにそんな人生でいいのかな?
どんなに好きな仕事や土地や仲間でも、会社の都合でいつでも取り上げられる。
会社が一生面倒を見る、いわゆる「終身雇用」が前提の仕組みだけど、これだってどうなるかわからない。
実際、自分より数年下の年次はバブル採用組と言われて、びっくりする人数が入っている。これじゃあ絶対に管理職になれないヤツが続出する。
仮にそこそこのポジションにつけたとしても、60歳定年で放り出されたら、その後が全然見えないじゃないか。
取締役にでもなれば話は別だが、自分は役員レースに乗っかるほど優秀でもないし、そこまで強い出世欲もない、、、。

自分の意に染まない異動を命じられたのをきっかけに、今の自分の置かれた立場を客観的にみることができるようになりました。
そして、合理的に考えれば考えるほど、一つの会社に人生を預けるのがとてつもないリスクだと思えるようになってきました。
・やっぱり、自分で、自分の人生は選びたい
・そのためには、どこに行っても通用する専門性とビジネスの基礎体力が必要だ
・万が一、意に染まないことがあったら「辞めます」と言える自分でいたい

それからまず自分の部屋をきれいに片付けて(笑)、ビジネや自己啓発の本を読み、必要な資格をピックアップして勉強し、自分の将来を真剣に模索しはじめました。
こんな感じで、26歳の時の人事異動がきっかけになって、自分の将来を真面目に考えるようになりました。
もしあれがなかったら、ただ漫然と歳を取り、身動きが取れない人生になっていたかもしれません。
その意味では感謝しかないし、自分にとって必要な出来事だったとも言えます。

ちなみに、勢いで退職届を叩きつける、ということはなく(笑)今までとおり勤務を続けました。
そして4年後に念願かなってあるコンサルタント会社に転職するのですが、これがどうしようもないブラック企業(汗)。
しかしここでもまた大きな学びとチャンスを得ることになりました。本当に人生は塞翁が馬、何がどうなるかわかりません。
とにかく自分を見失うことなく、ある意味、自分に都合よいシナリオを描いて取り組んでいけば、何事も結局プラスにしかならないという人生観は、この若い頃の経験に基づいています。
本当にありがたいことだと思います。
余談ですが、私を左遷した会社は、私が退職後しばらくしてから、業績不振に陥り、身売りや合併吸収を繰り返して実質的にはもう存在していません。
一連の騒動がたびたびメディアを賑わせたりしましたが、私は全く無関係。しかし同期や上司の様子を知るたびに、心が痛みました。
その意味でも、自分の将来を見直すきっかけを与えてくれた異動に感謝です。
