40代の孤独は、発作みたいに突然来る。友達がいない休日が普通だと、やっと気づいた夜のこと。
今日もスナックゆきで、一杯だけ頼んだ。
ティーチャーズにした。
派手ではない。
地味で、目立たない酒だ。
でも、
飲み続けると、
これでいいと思えてくる。

今日も、一人だった。
それでよかった。
なのに、
なんか、変だった。
うまく言えないけど、変だった。
人と会うのが億劫だ。
気を使う。
空気を読む。
疲れる。
休日は一人でいる。
それが一番楽だ。
ずっとそう思ってきた。
職場でも、
早く帰りたいと思っている。
飲み会に誘われたりすると、
正直しんどい。
家に帰って、
一人になった瞬間に
ほっとする。
ある休日のことだ。
何気なくSNSを開いた。
小学生の時の友人が
家族と旅行している写真が
流れてきた。
笑っていた。
自分は、
一人で、家にいた。
羨ましくなんかない。
でも、
なんか、何かが湧き上がってきた。
「このままでいいのか」
という感覚が。
急に、世界が狭くなった。
孤立させられたような気持ちになった。
息がまともにできなくて、
胸が苦しくなって、
意識がフラフラしてきた。
この時間がずっと続くのではないか
という気持ちになった。
でも、
どうすることもできなかった。
その夜、何もできなかった。
ただ、天井を見ていた。
ただただ、
気持ちが去るのを待つしかなかった。
発作みたいに来て、
また消える。
消えるんだけど、
また来る。

自分だけが
特殊な気がしていた。
自分だけが
おかしいんじゃないかと
思っていた。
ある夜、ママに話した。
友達がいない、
一人が楽なのに
たまに発作みたいに寂しくなると。
ママは少し間を置いて、
テンポよく言った。
「ウフフ、、それ、あなただけじゃないわよ。40代で友達がいない人って、過半数いるの。街で見かける人たちはね、家族や友達に呼ばれて外に出てきた人たちだけ。家でゴロゴロしたい人は、そもそも街に出てこないんだから。」
少し微笑んで、
次の客に目を向けた。
全部を変えようとしなくていい、
と思う。
ただ一つだけ。
行きつけの場所を
一つ作る。
友達がいなくていい。
名前を覚えてもらえる場所が
一つあればいい。
発作が来た夜に
そこに行けばいい。
完全には解決しない。
でも、
行く場所があるだけで、
少しだけ呼吸ができる。
私がスナックゆきの
ドアを開けたのも
座りたかっただけだった。
こんな夜、
あなたにもありませんか。
発作みたいに寂しくなる夜が。
たぶん、それだけで
発作は少し静かになる。
たぶん、だけど。

ティーチャーズをもう一口飲んだ。
派手ではない。
地味で、目立たない酒だ。
飲み続けると、
これでいいと思えてくる。
一人の夜も。
グラスが空いた。
今日はここまでにする。

はじめてスナックゆきに 来てくれた方へ。
私がどんな人間で、 なぜこのエッセイを書いているのか。
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