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『私が見た金正恩 北朝鮮亡命外交官の手記』を読む。北朝鮮の軍人たち

この記事に書いたように、小泉純一郎氏は、北朝鮮に行って金正日氏と会談した。その結果、1978年に北朝鮮に拉致された蓮池薫氏は、2002年に妻と帰国し、北朝鮮で生まれた子どもたちが2004年に来日した。彼は北朝鮮の軍人たちの粗暴なふるまいについて、こう書いている。

北朝鮮は軍人大国です。私が帰国するころ、金正日総書記は「(すべてに軍が優先する)「先軍政治」を敷いていました。平壌のあちこちに崩れた格好の兵士がいて、買い物の行列に横入りしたり、バスの運賃を払わなかったり、乱暴を働いたりしていました。
 また、軍の高級幹部は金持ちで権力を持っています。私が地方に出かけたとき、電力不足で鉄道が長時間止まったことがありました。コッチェビ(浮浪児)と呼ばれる子供たちが集まってきたのですが、軍人たちは私が見たこともないような外国製のチョコレートをばらまいて、子供に歌を歌わせるなど悦に入っていました。金正恩氏といえども、そういう軍人たちの予算を削るのは至難の業でしょう。

(北朝鮮 専門家に聞く「表と裏」:下)軍事部門優先の予算、困難な経済成長」朝日新書,2026/5/23

2019年に、韓国のNGO、軍人権センターが、北朝鮮を逃れた軍服務経験者30人(男23人、女7人)から聞きとった、北朝鮮軍の実態に関する記事を見た。北朝鮮の兵士たちの処遇は劣悪だ。

調査対象者の9割が「軍服務期間中に死亡事故を目撃した」と証言した。目撃した事故は、のべ計52件にのぼった。内訳は「作業中の事故」が16件、「訓練中の事故」が8件、「殴打などによる死亡」が8件などだった。最近では数が減る傾向にあるものの、8人が「公開処刑を目撃した」と答えた。
主に乱れている軍紀の維持や士気向上などが目的とみられるが、正式な軍事裁判もなく、上官の一方的な判断で処刑されるケースが目立つという。
処刑にまで至らずとも、暴力は常態化している。軍隊内で殴打された経験がある人は30人のなかで29人にものぼった。「殴打が日常的に起きている」と答えた人も24人いた。
(中略)

食糧不足も慢性的に発生している。調査結果によれば、主食は白米かトウモロコシだが、毎年、秋の収穫期前の7~9月になると、主食をトウモロコシや麦に頼るケースが増える。
さらに、副食では安定供給されているのは大根だけだという。李氏によれば、長期間、北朝鮮軍に勤務した兵士たちの合言葉は「塩漬け大根を食べたか」だという。栄養失調が原因で病気にかかる事例が相次ぎ、ひどい場合は死んでしまうケースもある。兵士たちは飢餓から逃れるため、実家から仕送りしてもらう場合もあるが、民家への窃盗事件も頻発している。
また、仕送りなどを求めるため、手紙は自由に書けるというが、いつ届くかはわからない。回答者らの話を総合すると、早くて1~2カ月、普通で3カ月、長いと1年もかかり、紛失するケースもある。
(中略)
女性の生理用品の不足も深刻だという。備品不足を補うため、部隊内での窃盗も相次いでいる。月給は兵士がタバコ1箱程度、将校でも米1キロに満たない程度しか支給されず、誰も関心を示さないほどだという。
(中略)
上官たちは、強い立場を利用して私腹を肥やすほか、男性将校による女性兵士への性暴力が多発している。妊娠や堕胎などで問題が発覚するという。
そんななか、兵士たちへの最大の恩恵が、朝鮮労働党への入党だった。党員になれば、除隊後に待遇の良い職場に配属される可能性が高まるからだ。だが、李氏は「最近では入党条件が厳しくなり、不満が増えている。入党するために、賄賂や性上納も発生している」と語る。

市民よりひどい待遇、北朝鮮軍人残酷物語 根本は「兵士多すぎ」問題」Globe+.2021/4/23

ここでも賄賂だ。
「貧すれば鈍する」
「恒産無くして恒心無し」
こんな言葉が思い出される。

北朝鮮軍の兵士教育方針について、Copilotに聞いた。

北朝鮮人民軍の教育は軍事訓練と並んで政治思想教育(党の教義・指導者への忠誠)を最優先する点が最大の特徴です。金正恩ら党指導部の方針に沿った「対敵意識」「首領擁護」などが日常的に教え込まれます。

Copilot

北朝鮮軍は国家の軍隊というよりは、首領様の私兵であろう。こんな軍隊がいつまで存続するのだろうか。

北朝鮮といくつかの国の兵士教育について、Copilotに聞いた。

各国の兵士教育方針

上の表を見ると、国によって方針がかなり違うことがわかる。
自衛隊の「安全」というのが目を引くが、これについては別の機会に取り上げてみよう。

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