業界別・深掘り①:『初回500円』の罠 — 年間約9万件+氷山の一角の悲鳴! ECサイト『定期購入』のダークパターン
皆さん、こんにちは。Social Pentagon マーケ部(仮)です 👋
私たちは、社会に潜む見過ごされがちな課題を「ビジネスの力」で解決しようと取り組んでいる、ソーシャルビジネスのスタートアップです 🚀
さて、今回から新シリーズとして、私たちの生活に密着した「業界別・深掘り」を始めていきたいと思います。 その第一弾は、皆さんが最も利用する機会の多い「EC(ネット通販)」、その中でも特に闇が深い、「定期購入(サブスク)」のお話です。
「おトクにお試し!」「初回実質500円!」 こんな広告を見て、思わず健康食品や化粧品を申し込んだ経験はありませんか?
その結果、「お試しのつもりが、後から高額な請求が来た…」。 実は、国民生活センターには、こうした通信販売の「定期購入」に関する相談が、年間で約9万件(2024年度)も寄せられているのをご存じですか?
しかし、私たちは、この「9万件」という数字は、巨大な氷山の一角に過ぎない、と考えています。
なぜなら、相談に至らない「隠れたトラブル」が、その下に無数に存在するはずだからです。
「金額が小さい(数百円~数千円程度)から、手間を考えると、もう諦めよう…」
「騙されたことが恥ずかしくて、家族や友人にも言えない…」
このような泣き寝入りが、水面下に大量に隠れているはずです。
さらに深刻なのは、以前の記事でも触れたように、高齢者の方や、ネットにあまり詳しくない方の場合、自分が『カモにされている(不当な契約を結ばされている)』こと自体に、気付いてさえいないケースも、残念ながら大いにあり得るのです。
年間9万件の「顕在化した相談」と、その下に広がる膨大な「潜在的な被害」。 これが、私たちが見ている社会課題の、本当の大きさなのです 🔍
名言の引用:「信頼」こそがビジネスの土台
「近代マーケティングの父」と呼ばれるフィリップ・コトラー氏は、こう言っています。
「顧客は、製品やサービスだけでなく、その企業が提供する“信頼”を買っている」
「初回500円」という言葉で顧客を釣り、その実、高額な契約で縛り付けようとする行為は、まさにこの「信頼」を、企業自らがドブに捨てているようなものだと、私たちは思います 🤔
1. EC業界で融合する「未読同意」と「ダークパターン」
では、その「9万件の悲鳴」は、具体的にどのような手口によって生み出されているのでしょうか? それは、私たちがこの連載で問題にしてきた「未読同意」と「ダークパターン」が、最悪の形で組み合わさったものです。
手口①:「お試し」のつもりが「4回縛り」(=ダークパターン)
「初回限定500円!」と、広告で大きく表示されています。
しかし、いざ注文してみると、サイトのずーーっと下の、誰も読まないような場所の、非常に小さな文字で、「※本コースは4回(合計20,000円)のご継続が条件となります」と書かれている。
これこそ、消費者に不利な情報を意図的に隠す、典型的なダークパターンです。
手口②:『利用規約』への不意打ち同意(=未読同意)
そして、最も重要なのがここです。
その「4回縛り」といった不利な条件は、多くの場合、私たちが以前の記事でお話しした『利用規約』の中に(あるいは、特商法表記の中に)こっそりと書かれています。
皆さんが「購入する」というボタンを押す、あの瞬間。
あのボタンは、多くの場合、「私は(読んでいないけど)利用規約と、プライバシーポリシーと、定期購入の解約条件のすべてに包括的に同意します」という意思表示を兼ねているのです。
「商品の購入」という一つのアクションに、「不利な契約への同意」をこっそり紛れ込ませる。これこそが、EC業界で蔓延する、最も悪質な手口です。
手口③:「回数縛りなし」のウソ(=解約妨害ダークパターン)
最近では「回数縛りなし!」「いつでも解約可能!」と書かれているサイトも増えました。
しかし、いざ解約しようとすると、「解約は、次回発送日の“14日前”までに、電話のみで受け付けます」といった条件が課されます。
そして、その電話が、何度かけても「ただいま混み合っております」で、一向に繋がらないのです…。
「解約手続きがうまくできない」ように、意図的にプロセスを複雑にする。これも、非常に悪質なダークパターンですね。
2. なぜ企業は、そこまでして「定期購入」させたいのか?🤔
なぜ、企業はそこまでして、私たち消費者の「信頼」を失うような不誠実な手法に走ってしまうのでしょうか?
以前の記事で「CVR(コンバージョン率)」のお話をしましたが、それと深く関係しています。
今、ネット通販(特に化粧品や健康食品)の業界は、競争が非常に激しく、新しいお客様を一人獲得するための広告費(CPAと言います)が、数千円~1万円以上にも高騰しています。
企業側は、「初回500円」では、広告費すら回収できない大赤字なのです。
では、その大赤字をどこで取り返すか? それが、「2回目以降の定期購入(=LTV:顧客生涯価値)」です。
この、「初回で赤字を出してでも、まず購入(CV)させ、その後の定期購入で利益を回収しなきゃ」というビジネスモデルのプレッシャーこそが、「多少不誠実でも、何としても利用規約を読ませずに同意させよう」、「解約条件を分かりにくくしよう」というダークパターンへの、大きな動機になってしまっているのです。
まとめ:最強の自衛策は、「利用規約」と「特商法」のダブルチェック ⚖️
こうした「EC業界のワナ」から、私たち消費者が自分の身を守るためにできる、最も基本的で、最も強力な自衛策。 それは、「二つのページ」を購入ボタンを押す直前に、必ず自分の目でチェックすることです。
①『特商法表記』
まずは「お店の身元」と「脱出ルート」の確認です。
「解約条件」(例:〇回以上の継続必須、差額の支払い、など)
「解約の方法」(例:電話のみ? メールでもOK?)
「事業者の電話番号」(固定電話がきちんと書かれているか?)
②『利用規約』
次に「契約のルール」です。「購入ボタン=同意」となっている以上、自分を守るために確認すべきです。
全部は読めなくても、せめて「定期購入」「解約」「違約金」といったキーワードで、不利な点がないかを、ほんの少し確認する意識を持つことが大切です。
この二つが曖昧だったり、あなたにとって一方的に不利だったりするサイトからは、 たとえ「初回500円」で、どんなに魅力的な商品に見えても、絶対に買ってはいけません。
私たちは、こうした「怪しいサイト」が淘汰され、誠実な企業(以前の記事でお話ししたSocial Pentagon DIGESTの理念)が、きちんと消費者から選ばれ、報われる。 そんな市場を創るため、これからも警鐘を鳴らし続けます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました 🙏
いかがでしたでしょうか。『初回500円』の裏側に隠された、EC業界の定期購入のカラクリについて、何か新しい気づきがあれば幸いです。
次回も、皆さんの生活に潜む「同意」や「契約」にまつわる課題について、一緒に考えていきたいと思います 🤝
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