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友達の叫びで、好きな人に気持ちが伝わってしまった放課後

川口市の新郷小学校で、小学4年生だった私は
1つ上の5年生・K.Tさんに、密かに想いを寄せていました。

でもまさか、“あの放課後”、私の気持ちが知られてしまうなんて
思ってもいませんでした。

放課後の校門、いつもの帰り道のはずだった。
当時仲良くしていたYちゃんと、私はランドセルを背負ったまま、校庭で遊んでいました。
勿論Yちゃんは、私がK.Tさんのことを好きなことは知っていたし、
YちゃんとK.Tさんは同じ工作クラブだったので、顔もよく知っていたかと思いますが…
ふとK.Tさんが1人で帰ろうとする姿を校門近くで見つけて、「今から帰るんだ」と思ったその瞬間…

「Ma.ちゃんの好きな人はこの人だーー!!」
K.Tさんの方を見て指をさしながら、Yちゃんが突然叫んだのです。
そして、目が合ってしまったK.Tさんと私…
「え……今の聞こえちゃった…?K.Tさん、私のこと見てる…??
待って…恥ずかし過ぎる…どうして今叫ぶの…?」
急に体がポカポカして…心臓がバクバクして、胸がぎゅっと締めつけられるような感覚でした。
こんなに恥ずかしい気持ちになったのは、そのときが初めてで…
当時メガネをかけていて見た目も地味だった私を、K.Tさんが見ているだけでなく、
「好き」という気持ちが伝わってしまうなんて…
隠れる場所のない広い校庭で、私はどうしていいか分からず、とにかく走り出していました。
心ごと逃げたくなるほど、恥ずかしくてたまらなかったんです。
何度思い出しても、今までの人生で1番恥ずかしかった瞬間です。

その叫び声の後、目が合った瞬間しかK.Tさんを見ていないけど、
K.Tさんもかなり驚かれていたような表情をしていた記憶があります。
学年が違って話したことがなかったので、K.Tさんに「え…自分?」と思われたかも…
突然のことで、何が起きたのか混乱していたかもしれません。
走り去る私の姿も見られていたのかな…それもまた、恥ずかしいです。
私もまだ小学生だったから、告白するなんてことも考えていなかったので、
私の気持ちが、まさかK.Tさんにバレる日が来るとは思っていませんでした。

その後、校内ですれ違うたびに、私はK.Tさんにどう見えていたのかな?
「あの時のこと、覚えてたら恥ずかしいな…」って、毎回ドキドキしてました。
だけど、たった一瞬の出来事だったし、きっともう忘れてるよね…って、
自分に言い聞かせるようにしていました。

そう思って過ごしていた中で…
休み時間に、K.Tさんたちから声をかけられた出来事。

きっと「気持ちが伝わってしまったからこそ」生まれた、小さな接点だったのかもしれません。
なわとびの誘いを断ってしまったことを思い出すたびに、
何度も後悔したり、「全部なかったことにしたい」と思ってしまったこともありました。
でも、今はちゃんと思う。
「Yちゃん、叫んでくれてありがとう」って。
あの時の私は、逃げることしかできなかったけど、
あの瞬間があったから、私はたぶん人生で初めて、
“誰かをちゃんと本気で好きになる”ことができたのだと思います。

あの放課後がなければ、K.Tさんのことはただ“気になる人”のままで、
胸の奥にずっと残り続ける存在にならなかったかも。
気持ちがバレたことも、K.Tさんがご友人と一緒に声をかけてくれたことも…
きっとどれも起こらなかったと思うんです。
転校したかも…と思っても、さらっと忘れることができたかも知れません。
「確か1つ年上に、素敵な人がいたな。転校しちゃったな。」ぐらいの記憶で。
この初恋の記憶は、私の心の中で静かに光り続けると思います。
そしていつか…その光が、K.Tさんに届く日が来たらいいなって、そっと願っています。

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