夜懐石 ②【創作台本・世にもになるまで書いてみた・142作目・全6話】
あらすじ
どこかグルメ通を気取っている主人公。
この日は和風の高級旅館に宿泊していた。
待ちに待った食事の時間。しかし彼を待ち受けていたのは・・・
前回はこちら!
これまでの話はこちら!
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主人公 2杯目となる食前酒を飲み干し、空のグラスをテーブルに置く。
同時に女将が入室。
女 お待たせ致しました。こちら「前菜」でございます。
テーブルに「前菜」を置く。先ほどと全く同じ料理。
女将 置くやいなや、すぐに退室。
主 ちょ・・・
(ナレーション)
・・・何なんだ一体。同じ料理じゃないか。間違えているのか・・・?
主人公 仕方なく前菜を食べ始める。最初に手を付けたのは、一度目と同じく銀杏。
食べ終えた前菜の皿のカット。
女将 入室。
女 お待たせ致しました。こちら「食前酒」・・・
主 いい加減にしろ!!
女 ・・・お客様?
主 いつになったら「食前酒」と「前菜」以外を持って来るんだ!
こんな思いしたのは初めてだ! 客を舐めてんのか??
女 ・・・お客様。1つだけお料理の説明をさせてもらってもよろしいですか。
主 (呆れかえりつつ)・・・あぁ。
女 当旅館のお料理は「食べ順」「食べ方」を大事にしております。
ですので、間違ってしまった場合、その都度、食前酒からやり直しとなります。
ご理解いただきますようお願いいたします。では。
女将 一方的に説明を終わらせ、退室。
主人公 呼び止められず、座ったまま不服そうな表情を浮かべる。
主 (ナレーション)・・・・・・「食べ順」?
前菜のカット
主人公 前菜を見ながら、「食べ順」を考えている。
主 (ナレーション)
確か和食には「味の薄い」ものから食べていくという決まりがあったはず。。。
となると、比較的味が薄いのは・・・
酢の物とおひたしのカット。
主 (ナレーション)・・・・・・どっちだ。
主人公 迷った挙げ句、おひたしに手を付け、食す。
3皿目の前菜のカット。またも最初から。
主 (ナレーション)・・・酢の物からだったか。
3番目は・・・ 栗か銀杏だろう。
主人公 銀杏に手を付ける。
4皿目の前菜のカット。横の空いた皿がどんどん重なっている。
主 (ナレーション)酢の物、おひたし、栗、銀杏・・・
主人公 テリーヌに手を付ける。まだ前菜であるにも関わらず、顔が死んでいる。
女将 土瓶を持ちながら入室。
女 お待たせ致しました。こちら「松茸と鱈の土瓶蒸し」でございます。
主人公の前に土瓶蒸しが置かれる。
主 (ナレーション)やっと次の料理か。。。
主人公 腕時計で時刻を確認する。既に8時半。
女 ではごゆっくり・・・
主 すまない。「お品書き」を持って来てくれないか。
女 ・・・お客様。先ほどいらないと仰いましたよね?
主 あぁ。確かにそうだ。だが・・・
女 そう伺ったので、すでに処分してしまいました。
主 ・・・処分?
女 えぇ。
また、当旅館のお品書きは料理長の直筆で書かれているため、再発行ができません。
主 ・・・呼べば良いだろう。
女 本日はもう退勤されております。ご理解下さい。ではごゆっくり。
主 ・・・・・・なんだそりゃ。
女将 退室。
主人公 呆気にとられ無言で微動だにせず。動いているのは土瓶から出る湯気のみ。
※ ここでCMに入って欲しい。
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